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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
キヤノン | ||
IXY DIGITAL 300 | ||
スタイリッシュデザインが光る世界最小の光学3倍ズーム機 | ||
TEXT:山田愼二 Shinji Yamada |
本製品のために新たに開発された、沈胴式の3倍ズームレンズ。レンズ径も従来モデルより若干大きい |
そのレンズには、35mmフィルム換算で35~105mmとなる5.4~16.2mmレンズを採用。開放F値もワイド端でF2.7、テレ端でもF4.7と明るめにし、ストロボなしで撮影する機会が多い街中のスナップ撮影でも、手ブレを起こしにくい明るさを維持している。もちろん、3倍ズームレンズだからといって、レンズ収納時はフラットなボディで持ち運びしやすい沈胴式レンズから固定レンズに変更されたわけではない。
ボディの厚みは若干増しはしたが、重さも約240gに抑えられており、ポケットに入れて持ち歩くのに苦にならない手軽なサイズを継承している。
実にシンプルな構成のモードダイヤルだが、その使い勝手はバツグン |
しかし、原色系CCDの採用はよいことばかりではない。補色系CCDに比べると、設計が同じであれば、色再現性はアップしてもフィルタの濃度が高くなる分、分解能や輝度の面では劣化してしまう。そこで、キヤノンはこのIXY DIGITAL 300のために、補色系CCDと同等の分解能とS/N比を実現するデジタル信号処理LSIを搭載している。さらに、PowerShot G1に搭載されて好評の、夜景撮影などのスローシャッター時に発生しやすい偽色などを除去をするノイズリダクション機能が移植された。
原色系CCDならではの発色のよさと、補色系CCD並みの解像度の高さを両立させた点が本製品最大の特徴だ |
このほか、ホワイトバランス制御についても見直しが図られており、オートホワイトバランスでは、白熱灯下だとオレンジがかるというような、その場その場の光源を活かしたイメージを残しつつ、色補正を行なうように変更されているのも、カメラメーカーならではのこだわりを感じさせる点だ。
初代IXY DIGITAL(写真右)と比べると、ボディサイズが一回り大きくなっていることが分かるだろう |
ただし、コンパクトなボディに3倍ズームレンズを押し込んだことによる弊害も皆無ではない。当然、厚さをわずか3mmしか増やさずにすませるため、新開発の3倍ズームレンズは、従来の2倍ズームレンズに比べて分解能が落ちているのもやむを得ないことだ。このため、風景写真や集合写真のようにディテールにこだわった撮影はあまり得意とは言えない。
しかし、撮りたいシーンを逃さない軽快なシャッター間隔や操作性、オプションのカードサイズ昇華型プリンタCP-10と接続するだけでプリントアウトを楽しめるダイレクトプリントモードなど、使い勝手の面では従来モデルを凌駕している。その意味では、手軽に撮影を楽しみたいというユーザーには、安心してオススメできるデジタルカメラに仕上がっている。
■商品写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
■作例写真撮影
山田愼二
□キヤノンのホームページ
http://www.canon-sales.co.jp/
□製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/ixy-d/ixy-d300/product.html
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