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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
キヤノン | ||
CanoScan D2400UF | ||
透過原稿ユニット標準装備の低価格スキャナ | ||
TEXT:本間 文 Bun Honma |
CanoScan D2400UFの最大読み取り可能範囲は、A4フルサイズよりも若干横方向に余裕を持たせている |
しかも、撮像素子一つ一つが小さくなってしまう高解像度CCDの弱点でもあった階調などの感度不足を、CCD素子間を仕切るチャンネルストッパーと呼ばれる部分にアルミ遮光層を設けることで、ムダなく情報が得られるようにし、解像度だけでなく分解能も向上させている。
このため、キヤノンでは本製品をドキュメントスキャナとしてではなく、フィルムの読み取りなど写真画質を実現した製品として位置付け、フォトスキャナとして便利な機能などを数多く盛り込んでいる。
FARE ON | FARE OFF |
FARE ON状態でスキャニングしたときのサンプル画像。実に便利な機能ではあるが、細かなゴミが見事に除去される半面、その周囲のデータへの影響は皆無ではない |
ただし、この機能はその特徴からも分かるとおりカラーフィルムのみの対応で、モノクロフィルムには対応できない。また、ゴミとして認知されるのは、小さな糸くずなどがほとんどで、やや大きめのものについては、画像として判断される傾向があるようだ。
むろん、その処理の仕組上、FAREを使わないほうが画像の精細度が高まるのは言うまでもない。それでもゴミ取りを気にせずにスキャニングできる使い勝手のよさはほかに代え難いものがあり、フィルムのスキャニングを多用するデザイナーなどには重宝する機能と言えるだろう。
もちろん、こうした特徴的な機能だけでなく、基本性能もキッチリと押さえている。とくに、従来モデルで好評だった色収差、像面湾曲収差を抑えたガリレオレンズは、2,400dpiの高解像度に対応すべく、6群6枚のスーパーガリレオレンズへと進化し、35mmフィルムなどの小さな原稿でも、そのディテールを色ズレや画素ズレなく取り込めるようになっている。
さらに、本製品では、RGB各色16bitの48bit入出力に対応しており、Photoshopなどと組み合わせて本格的なフォトレタッチやCG制作にも対応できる高品位な仕様を実現している。
CanoScan D2400 UFに標準装備される透過原稿ユニット。サポートする原稿サイズは4×5判(4×5インチ)までとなる。このため、645判(6×4.5cm)や35mmフィルムのスリーブを一度にスキャニングすることはできない |
気になるスキャニングのクオリティに関しては、さすがに同じ光学解像度を持ったプロフェッショナルユーザー向けのハイエンド製品ほどの階調再現性は実現していないが、分解能はあまり差を感じないほどだ。
しかも、実売価格が4万円台前半になることを考えれば、645判など中判フィルムを使うことが多いハイアマチュアカメラマンだけでなく、デザイナーのセカンドスキャナとしても活躍しそうな製品と言えるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□キヤノンのホームページ
http://www.canon-sales.co.jp/
□製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/CanoScan/d2400uf/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010228/canon.htm