NEW PRODUCTS TESTREPORT

	NEC
	LaVie M LM700J/62DH
	DVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブ搭載のモバイルノート
	TEXT：法林岳之　Takayuki Hourin

キーピッチ19mm、キーストローク2.5mmと余裕ある設計のキーボード。パームレストも十分に広い

　ノートPCの市場は、省スペース性を活かしたA4フルサイズノート、携帯性に優れたサブ／ミニノートPCの二極化が進んでいるが、ここ1、2年、この中間に位置するノートPCが着実にシェアを伸ばしつつある。モバイル向けとしても利用できるが、CD-ROMドライブなどを内蔵でき、自宅やオフィスでデスクトップPCに引けを取らないパフォーマンスが得られるタイプのノートPCだ。

　今回発売されたLavie Mシリーズの新モデル「LM700J/62DH」は、このクラスのノートPCが評価されているフレキシビリティをさらに活かすため、着脱可能な拡張ベイを備え、標準でDVD-ROM・CD-R/RWのコンボドライブを搭載しているのが特長だ。そのボディはA4サイズとなっており、シルバーを基調としたデザインでまとめられている。

　CPUはモバイルPentium III 700MHzを採用し、64MBのメインメモリ、Ultra ATA/33に対応した容量20GBのHDD、そして前述のコンボドライブを搭載する。メモリは底面のメモリスロットに装着することにより、最大320MBまで拡張することが可能だ。HDDはCドライブが14GB、Dドライブが4.6GBで構成されており、出荷時の空き容量はCドライブが11.7GBとなっている。なお、FDDはUSB接続の外付けタイプが付属する。

本体右側面にはDVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブを装備。取り外しは右下のボタンを使ってワンタッチで行なうことができる

　本体右側面に装備されたコンボドライブは着脱が可能で、オプションで販売されるセカンドバッテリを装着したり、軽量化したいときに拡張ベイカバーを装着したりすることが可能だ。ちなみに、バッテリ駆動時間は標準で1.1～1.8時間だが、セカンドバッテリと併用することにより、8～12時間まで延ばすことが可能だ。

　液晶ディスプレイは1,024×768ドット表示が可能な12.1型TFTカラー液晶を搭載し、ビデオチップにはATI RAGE Mobility-M1を採用する。ビデオメモリは8MBで、デュアルディスプレイ表示機能もサポートする。

　インターフェースは右側面にUSBポートを三つ、前面に4ピンのIEEE1394端子を一つ、背面にビデオ出力端子と外部ディスプレイ端子、左側面にプリンタポートとPCMCIA Type2準拠のPCカードスロットを2基、前面にマイク、S/P DIF OUT、ヘッドホン端子などを備える。通信機能は56kbpsモデム、10BASE-T/100BASE-TX準拠のイーサネットポートを搭載し、それぞれのコネクタを左側面に備える。

本体前面（上）にはサウンドまわりの端子とIEEE1394端子が配置され、左側面（下）にはモデムやLAN、パラレル、PCカードスロットを装備している

　キーボードは19mmのキーピッチと2.5mmのキーストロークを確保しており、キータッチも良好だ。キーボード上部にはインターネットやメール機能を呼び出すためのワンタッチスタートボタンを備える。ポインティングデバイスは従来のLaVieシリーズ同様、NXパッドを採用しているが、左右ボタンの間にスクロールスライドスイッチを備えたものに変更されている。スクロールスライドスイッチの操作感はやや固めだが、慣れてしまえば、快適な操作が可能だ。ちなみに、従来モデルで採用されていたトラックパッド右側をなぞるスクロール機能は、出荷時設定ではOFFになっているが、設定変更でONにすることも可能だ。

　意外におもしろい機能としては、液晶ディスプレイ側のトップパネルに備えられた「LaVie」のロゴが光るイルミネーションエンブレムがある。メール着信時などに光らせることができ、カラーも7色とバリエーションが豊富であるため、携帯電話感覚で使うことができる。

　機能的には申し分なく、ユーザーのニーズに応じて、フレキシブルな活用ができる点は評価できる。もう少し全体的な質感を向上させてほしいという印象も残るが、ビギナーから中級レベルのユーザーまで幅広い層が安心して使うことができる製品と言えそうだ。