NEW PRODUCTS TESTREPORT

	NEC
	LaVie U LU700R/63DR
	モバイルDuron 700MHzを搭載した高速バリューノート
	TEXT：中嶋敦司　Atsushi Nakajima

コア表面部分のアップ。D700AVS1Bというナンバーから、現行のDuronと同じModel3アーキテクチャで、動作電圧が1.4Vであることが分かる

　NECから、AMDのモバイルDuronを初めて搭載したLaVie U LU700Rシリーズが発売された。今回紹介する「LaVie U LU700R/63DR」は、同シリーズのCD-R/RW搭載モデルだ。

　モバイルDuronは、基本的に現行Duronのアーキテクチャを踏襲しており、0.18μmプロセスルールで製造され、128KBの1次キャッシュと64KBの2次キャッシュをオンダイで搭載する。形状も従来と同様でFC-PGAパッケージを採用し、ピン配列はSocketAに対応、FSBも200MHzとなっている。デスクトップ用のDuronとの大きな違いはコア電圧で、1.6Vだったものが1.4Vへと引き下げられ、消費電力と発熱の軽減が図られている。ただし、K6-2+、K6-III+に採用されていた省電力機能「PowerNow!」は搭載されていないため、これと同等のSpeedStepテクノロジを持ったモバイルPentium IIIなどと比較すると、省電力性では劣ってしまう。しかしながら、新たに設計を起こす必要がないため、モバイル用CPUとしては非常に優れたパフォーマンスと、低いコストを同時に実現できるという大きなメリットがあるわけだ。

キーボードまわりは、上部にアクセントラインが配置されるなどのデザイン的な変更にとどまる

　LU700R/63DRは、シルバーとグレーのツートンカラーの配色や、クリアパーツのキートップといった外観こそ従来機LU50シリーズと大きな違いはないものの、CPUが従来のK6-2+ 500MHzからモバイルDuron 700MHzに変更されたことに伴い、内部の設計はまったく新しいものとなっている。チップセットはVIAのApollo KT133、ビデオチップはATI RAGE Mobility-M1を採用しており、従来のビデオ機能統合型チップセットVIA MVP4と比べて、大幅なパフォーマンスアップが期待できる。メインメモリとHDDの容量は従来機と同じで、それぞれ64MB、20GBだ。また、ディスプレイも同様で、13.3型のXGA表示対応のTFT液晶パネルが採用されている。

背面部にはシリアル、パラレル、ディスプレイ端子などのほか、コンポジットビデオ出力端子も備える

　ストレージは、最大8倍速書き込みに対応したCD-R/RWドライブと、3.5インチFDDを本体左側面に内蔵しているが、これらは固定されており、基本的にユーザーがほかのデバイスに換装したり、軽量化のために取り外したりすることはできない。やや残念な点ではあるが、コストを重視したLaVie Uシリーズとしては仕方のないところだろう。

　バンドルソフトウェアの数は多いが、その中にOffice 2000 Personalが含まれる点はありがたい。これによりWord 2000、Excel 2000などの定番オフィスソフトが揃うため、ビジネス用途や学校での利用などにもすぐに対応可能だ。

キーボード下の放熱板を取り外すと、モバイルDuronが姿を現わす。その形状は、デスクトップ用のDuronと変わらない

　気になるパフォーマンスをHDBENCH Ver3.22で計測してみたところ、Integer（整数演算）が28,316、Float（浮動小数点演算）が34,253と、それぞれ従来機種の、24,257、15,483を大きく上回る結果を示した。操作感もおおむね良好で、メモリが少ないため時折スワップが発生する点を除けば、Windows MeやOffice 2000の操作に不満を覚える場面は少なかった。しかし、バッテリ駆動時間はカタログスペックで1.1～1.8時間、試用機で約22MBのMPEG1動画ファイルを連続再生させた場合は50分強と、非常に短い。そのため、持ち運びの可能な省スペースデスクトップPCとして割り切って使う必要がありそうだ。

　充実した構成のLU700R/63DRだが、その実売価格は190,000円前後に抑えられているため、コストパフォーマンスは非常に高い。デスクトップマシン代わりのハイスペックノートを手軽な価格で手に入れたい方は注目してほしい製品だ。