NEW PRODUCTS TESTREPORT

	ソニー
	VAIOノートSR　PCG-SR9G/K
	Bluetoothに対応した薄型B5ノート
	TEXT：法林岳之　Takayuki Hourin

キーピッチ約17mm、キーストローク約2mmとB5ファイルサイズノートとしては余裕ある設計のキーボード

　コンパクトなサブノートPCとして定評のあるVAIOノートSRシリーズに、Bluetooth機能を搭載した「PCG-SR9G/K」が登場した。Bluetoothは2.4GHz帯を利用した至近距離向けの無線通信規格で、ERICSSON、NOKIA、IBM、Intel、東芝の5社が提唱し、2,000社以上が参加するBluetooth SIGで標準化が行なわれたものだ。このBluetooth機能がPCに搭載される形で出荷されたのは、このPCG-SR9G/Kが国内初となる。

　CPUはSpeedStepテクノロジ対応のモバイルPentium III 700MHzを搭載し、チップセットは440ZXを採用。メインメモリは標準で128MBのMicro DIMMを搭載し、最大256MBまで増設が可能だ。HDDはUltra ATA/33に対応した容量20GBのドライブを採用し、出荷時はCドライブが約12GB、Dドライブが約8GBに区切られ、Cドライブの空き容量は約8.5GBとなっている。CD-ROMドライブとFDDは外付けのオプションとして提供されている。プリインストールOSにはWindows 2000 Professionalを採用している。

本体右側面。TypeII対応のPCカードスロットが1基と、i.LINKポートが装備されている

　ディスプレイは10.4型のポリシリコンTFTカラー液晶パネルを採用し、解像度は1,024×768ドット表示が可能だ。ビデオチップは8MBのS3製Savage/IX8を採用している。廉価モデルのPCG-SR1G/BPではデュアルディスプレイに対応しているが、PCG-SR9/Kは非対応だ。

　インターフェースは右側面にi.LINK端子、LINE IN端子、MEGA BASS対応ステレオヘッドホン出力端子、PCMCIA TypeII準拠のPCカードスロット、V.90/K56flex対応の56kbps内蔵モデムを備え、左側面にはUSBポートとMGメモリースティックのスロットを備えている。バッテリ駆動時間は基本スペックが変わっていないため、従来モデル同様、3～5時間となっている。

Bluetoothモジュールの電源がONになっている間は、液晶上部の青色LEDが光る仕組になっている

　本体の基本デザインも従来モデル同様だが、液晶ディスプレイ上の黒い部分にBluetoothユニットが内蔵されている。従来モデルではこの黒い部分をデザイン上のアクセントとしていたが、実は当時からBluetoothユニットを内蔵することを計画していたそうだ。Bluetoothの電源はディスプレイ右側のスイッチでON/OFFができ、電源を入れると黒い部分の右端に青いLEDが点灯する。

　本機に搭載されているBluetoothユニットはBluetooth1.0bに準拠し、非対称リンク時の通信速度は最大723kbps、通信範囲は見通しで10～100mとなっている。同じBluetoothユニットを搭載したPCG-C1VRX/Kとの接続を試みたが、10m程度離れた状態でも相互に接続ができた。

ファイル転送／共有や簡易LANなど、Bluetoothを利用した各種機能を呼び出すBlueSpace。左側にユーザーのマシン、右側に接続先の機器が表示されている

　Bluetoothはさまざまな機器と接続ができるが、対応機器には接続手順などを記述した「Profile」（サービス接続）が用意されている。PCG-SR9G/Kでは「File Push」、「IP Connection」、「仮想COMポート」、「モデム接続」の四つのサービス接続をサポートしている。これらのBluetooth関連の接続設定は専用ユーティリティの「BlueSpace」を利用する。また、ソニーではBluetoothモデムステーション「PCGA-BM1」をオプションで4月中旬から発売する予定にしており、これを組み合わせ、モジュラージャックから離れた場所でインターネット接続を実現することも可能だ。

　基本的なスペックは従来モデルと変わりないが、Bluetoothという話題の機能を一早く利用できるメリットは大きく、今後発売されるであろう数多くのBluetooth対応機器との接続がどうなるかも非常に気になるところだ。