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ProSavage KM133はAMDの救世主となりうるか? |
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AMDのDuronは、これまでIntelの同クラスのCPUであるCeleronプロセッサ(以下Celeron)に対する弱点として、統合型チップセットがないという点が指摘されていたが、SiS730Sが実際に出荷されるようになったことでひとまずその点は解消される。しかし、Athlon/Duron用の統合型チップセットはSiS730Sだけでなく、SiS社のライバルであるVIA TechnologiesもProSavage KM133として既に発表済みだ。先週末の秋葉原ではこのProSavage KM133を搭載したマザーボード、MSI(Micro Star International)のKM133M Pro-A(MS-6340M)が出回りはじめた。今回はこの製品を入手したので、ProSavage KM133の実力を探ってみよう。
●旧S3のSavage4コア+Apollo KT133のProSavage KM133
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さて、KM133とKT133との違いは既に述べたように、Savage4のグラフィックスコアを内蔵していることだが、実はそのことを除けばKT133と同じように利用できる。というのも、Intel 815やProSavage PM133と同じようにAGPスロットにビデオカードを挿した場合には、内蔵のグラフィックス機能は無効になり、外部AGPビデオカードを利用することができるようになるからだ。つまり、最初は内蔵のグラフィックスでローコストで利用し、内蔵のグラフィックスに不満を覚えたらより描画能力の高いビデオチップを搭載したビデオカードに交換して利用することが可能になっている。
なお、そのほかのスペックもKT133と同じになっており、メインメモリはPC133 SDRAM、AGP 4X、サウスブリッジのVT82C686BはUSB×6ポート、Ultra ATA/100などをサポートしている。
●2D、3Dともにパフォーマンスは今ひとつ
今回のKM133のパフォーマンスを計測するためのベンチマークに利用したのはBAPCOのSYSmark2000とMadOnion.comの3DMark2000、Video2000の3つだ。今回は比較対照として
の3つを同時に用意し、テストしてみた。なお、テスト環境は以下の通りだ。
Overall Rating | 127![]() |
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150![]() |
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133![]() |
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147![]() |
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Internet Content Creation | 133![]() |
153![]() |
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140![]() |
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149![]() |
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Office Productivity | 123![]() |
148![]() |
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128![]() |
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145![]() |
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Bryce 4 | 143![]() |
179![]() |
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126![]() |
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137![]() |
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CorelDraw9 | 148![]() |
178![]() |
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151![]() |
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161![]() |
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Elastic Reality 3.1 | 161![]() |
185![]() |
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167![]() |
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179![]() |
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Excel 2000 | 114![]() |
142![]() |
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134![]() |
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151![]() |
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NaturallySpeaking Pref 4.0 | 109![]() |
127![]() |
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121![]() |
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132![]() |
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Netscape Communicator | 137![]() |
148![]() |
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129![]() |
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147![]() |
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Paradox 9.0 | 133![]() |
151![]() |
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122![]() |
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141![]() |
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Photoshop 5.5 | 098![]() |
105![]() |
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126![]() |
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133![]() |
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PowerPoint 2000 | 126![]() |
157![]() |
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130![]() |
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150![]() |
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Premiere 5.1 | 138![]() |
160![]() |
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146![]() |
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152![]() |
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Word 2000 | 107![]() |
142![]() |
|
112![]() |
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133![]() |
|
Windows Media Encoder 4.0 | 134![]() |
149![]() |
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136![]() |
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148![]() |
3Dの描画性能だが、いくつかの解像度で3DMark2000 Version 1.1を実行していると、いきなりベンチマークが落ちてしまったりすることがあった。全部で6つの解像度で実行したのだが完走したのは640×480ドット/16bitカラーと800×600ドット/16bitカラーだけで、それ以外の解像度ではすべてベンチマークがエラーになってしまった。
確かに出始めでドライバーもこれから改善されるのだろうが、これでは少々心許ない。そういう意味では今後のドライバのバージョンアップに期待したい(なお、未だVIA TechnologiesからPM133、KM133のグラフィックスドライバは公開されていない、早期の公開を望みたい)。ベンチマークを実行できた2つの解像度でも640×480ドット/16bitカラーではCeleron 800MHz+Intel 815(内蔵グラフィックス)という組み合わせに負けている。
640×480/16 | 1,895 ![]() |
---|---|
6,695 ![]() |
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1,912 ![]() |
|
5,089 ![]() |
|
640×480/32 | error |
6,430 ![]() |
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n/s | |
5,000 ![]() |
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800×600/16 | 1,421 ![]() |
6,513 ![]() |
|
1,364 ![]() |
|
5,043 ![]() |
|
800×600/32 | error |
5,921 ![]() |
|
n/s | |
4,838 ![]() |
|
1,024×768/16 | error |
6,072 ![]() |
|
901 ![]() |
|
4,848 ![]() |
|
1,024×768/32 | error |
4,780 ![]() |
|
n/s | |
4,357 ![]() |
【Video2000】
Performance | 266![]() |
---|---|
497![]() |
|
299![]() |
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492![]() |
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MPEG2 Encoding Performance(fps) | 16.17![]() |
20.95![]() |
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20.99![]() |
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24.12![]() |
●製品のコンセプトは正しいが、ビデオドライバは要改善
以上のように、ベンチマークの結果を見る限り、正直パッとしない結果であり、積極的にお薦めしたい製品とは言い難い。Duronが持つ高い性能もスポイルされてしまっており、期待が大きかっただけに残念だ。なんと言ってもその原因はドライバのデキだろう(ベンチマークが完走しないのはその証だろう)。旧S3からVIAに移管されたS3のグラフィックス部門だが、OEMメーカー筋からはまだ完全にVIAへの移管が上手くいっていないという話も漏れ伝わってくる。3Dmark2000が完走しないのもそうだが、SYSmark2000でのスコアがGeForce2 GTSに比べてあまりに低く、Celeron+Intel 815に負けているのも早期に改善して欲しい。そうした意味では、もうすこしがんばってドライバを改良していただきたいものだ。
ただ、現時点ではビデオドライバという弱点を抱えているものの、当初は内蔵グラフィックスで利用し、そのパフォーマンスに飽き足らなくなったらAGPビデオカードを増設可能というコンセプト自体は正しく、これまで統合型チップセットの選択肢がなかったAMD陣営にとってはこうした製品が投入されたことは朗報と言える。価格も15,000円前後と比較的安価で、Duron自体が1万円を切るような価格で販売されていることを考えるとコストパフォーマンスは決して低くない。3Dは必要ないようなビジネスユーザーで、パフォーマンスよりもコスト重視というユーザーであれば購入しても損はしないだろう。
□Akiba PC Hotline!関連記事
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ProSavage KM133搭載の「KM133M Pro-A」がMicrostarから発売に
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20010120/km133.html
(2001年1月26日)
[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]