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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
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日本マイクロテック |
ScanMaker 8700 |
IEEE1394を標準装備した高性能フラットベッドスキャナ |
TEXT:本間 文 Bun Honma |
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IEEE1394端子は二つ用意されているため、ほかのIEEE 1394機器をカスケード接続することも可能だ |
日本マイクロテックから、IEEE1394インターフェースを標準装備したハイエンドフラットベッドスキャナ「ScanMaker 8700」が発売された。本製品は、従来プロフェッショナル用フラットベッドスキャナとして発売してきたArtixScan 1100の筐体をベースに、1,200dpiラインCCDを搭載した同社のフラグシップモデルだ。
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デュアルプレートシステムでは、反射原稿台の下に透過原稿用の専用プレートを差し込む |
個性的な点としては、透過原稿ユニットなしで、ポジフィルムなどを読み取ることができるデュアルプレートシステムを採用していることが挙げられる。この機構は、原稿台の下に透過原稿読み取り用の専用プレートを差し込むことで、直接ポジフィルムなどをスキャニングできるようにしたものだ。これにより、高解像度のスキャニングでは、ガラス面を介したときに発生しやすいニュートンリングを防止できるほか、シャープなフォーカスが得られやすいというメリットがある。ただし、このシステムでは、ラインCCDの上だけでなく下からも画像を取り込めるような光学ユニットを搭載する必要があるため、本体サイズは大型化してしまう。事実、読み取り可能な最大サイズはA4判よりやや大きなサイズまでなのだが、本体はB4判ほどもある大ぶりなボディになってしまっている。
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初心者でも簡単に操作できるEasyコントロールモードでも、オリジナルに近い色合いが再現されており、好感が持てる。もちろん、Advancedコントロールモードでは、微妙な階調までも再現できるようになる |
ドライバソフトのScanWizard 5には、Easyコントロールパネルモードと、Advancedコントロールモードの2モードが用意されている。
このうち、Easyコントロールモードでは、原稿の種類、スキャンタイプ(フィルムか反射原稿)、画面表示、プリンタ出力などの用途に応じた解像度、拡大縮小率、明るさ、コントラスト、シャープネス、カラーなどの基本的な調整のみが行なえるシンプルなメニュー構成を採用している。とはいえ、このモードのデフォルト設定のままでも、オリジナルに近い色合いでスキャニングできる。もちろん、Advancedコントロールモードでは、トーンカーブやカラーコレクション、ぼかし、輪郭強調、アンシャープマスク、シャープなどのフィルタが用意されている。しかも、これらの調整は、アドバンスイメージコレクション(AIC)と呼ばれる画面が開き、各項目ごとにオリジナルと調整後の画像を見比べながら設定を行なうことができる。また、よく使う調整項目などは、スキャンジョブとして保存でき、スキャンジョブキューで簡単に呼び出したり、切り換えたりできるので、大量のスキャニングを行なう必要のあるユーザーには最適だ。
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ScanWizard 5のAdvancedコントロールモードでは、フィルタなどの効果を見ながら調整ができる |
もっとも気になるスキャニングのクオリティについては、さすがはプロ市場でも定評のあるデュアルプレートシステムを採用しただけのことはあり、ポジフィルムのスキャニングでは、フィルムスキャナ並みのクオリティを実現する。しかも、6×4.5などの中判以上のフィルムを多用するカメラマンやデザイナーにとっては、100MBを超えるようなデータになっても、標準装備のIEEE1394インターフェースを使えば、ストレスなくスキャニングを行なうことができる。実際に、USB接続のときとIEEE1394接続のときのスループット性能比較を行なった結果が下のグラフだ。これを見ても分かるとおり、ドライバでクオリティを品質重視に設定し、アンシャープマスクなどの処理も行なわせた場合、両者の差は明確に現われる。このように、高品質と高速性を兼ね備えた本製品は、プロフェッショナルユーザーに最適な製品だが、最近はフィルムスキャナの選択肢も少なくなっているだけに、フィルムのスキャニングを頻繁に行なうような写真愛好家にもオススメだ。
製品名:ScanMaker 8700
標準価格:148,000円
メーカー:日本マイクロテック株式会社
問い合わせ先:03-5823-1553
URL:http://www.microtekjpn.co.jp/
最大読み取りサイズ:反射原稿215.9×355.6mm、透過原稿203.2×254mm
インターフェース:USB×1、IEEE1394(6ピン)×2
読み取り方式:原稿台固定平面走査
センサー:冷陰管光源のリニアアレイCCD
光源:冷陰極管
光学解像度:1,200dpi×2,400dpi
読み取り階調:入力42bit/出力42bit
消費電力:46W
本体サイズ(W×D×H):386×565×161mm
重量:11.6kg
付属ソフト:Adobe Photoshop 5.0LE、Cumulus Desktop4.0 機能限定版
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□日本マイクロテックのホームページ
http://www.microtekjpn.co.jp/
□製品情報
http://www.microtekjpn.co.jp/products/scanners/8700.htm
ウォッチ編集部内PC Watch担当
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