読者環境調査に見る、この1年のPC環境の変化
~CPUクロック、HDD/メモリ容量が大幅に向上~


 PC Watchでは、3カ月に一度の周期で、読者の環境調査を行なっている。PC Watch読者という限られた範囲ながら、定期的に調査を行なうことにより、PC環境の変化が現われている。年末にあたり、2/5/8/11月の4回行なわれた調査結果をもとに、どのような環境の変化が起こったのか、あらためて振り返ってみよう。

 2000年を通した動向の推移を確認すると、所有台数やディスプレイなどに関しては大きな動きはないが、CPUやメモリ、HDDなどに関しては、それぞれ倍増に近いスペックの向上が確認できる。

□アンケート結果バックナンバー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/backno/survey.htm


■自作デスクトップが7割に達し、メーカ製を圧倒

 所有台数や、形状、形態については大きな動きは見られなかった。最頻値も所有台数2台、自作のデスクトップPC/AT互換機というもの。動きが少ない中でも、自作の割合が徐々に増えており7割となった。ノートPCをメインで使用するユーザーが10%程度いることを考えると、メーカー製デスクトップの比率は10%程度と思われる。Macintosh、PC-98の割合も徐々に減少している。

【11月調査】PC Watch読者環境調査「所有台数・形状・形態」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001122/nmb14.htm


■Windows 98からMe/2000への移行が進む

Windows系OSの推移
 OSは、この1年でWindows 2000、Windows Meが登場。特にWindows 2000は、2月の登場から着実にシェアを伸ばし、11月時点で32%となっている。また、9月に発売されたWindows Meも13%となっている。大幅に伸びた2000/Meの大半はWindows 98からの乗りかえと思われ、Windows 98は'99年11月調査時より26%の減少。また、2001年にWhistlerの発売が控えていることからWindows系のOSは来年も大きな動きがありそうだ。

 また、MacintoshもMac OS 8.x系からOS 9系へ移行している。UNIX系OSに関しては大きな動きは見られなかった。


【11月調査】「機種・OS」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001122/type14.htm


■Athlonは12%に大成長。クロックの上昇も続く

メインマシン搭載CPUの推移
 CPUはこの1年でPentium 4やCrusoe、DuronやCyrix IIIなどが新たに発売された。また、初の1GHz CPUの座をかけて、AMDとIntelが熾烈な争いを繰り広げたのは記憶に新しい。

 IntelはPentium III 1.13GHzのリコールなどもあったが、CeleronからPentium IIIへの移行も進み4割を越えた。年初は25%だったCeleronは18%と減少傾向。

 一方のAMDもThunderbirdのコードネームで呼ばれたL2キャッシュオンダイのAthlonを投入、Fab30の成功もあって急速にクロックを上げた。また価格面でも12月23日時点で1GHzが約2万円と安く人気を集め年初の3%から12%へと伸びた。Duronは3%。

 昨年10%以上のシェアを誇ったPentium II、K6-2は大きく減少した。


CPU動作クロックの推移
 クロック周波数では、今年1月にはPentium III 800MHzが最高クロックだったが、現在のPentium 4の最高クロックは1.5GHz。クロック周波数だけを単純に見てみると1年間で700MHzの向上があったことになり、ほぼ倍増に近い急激な上昇率となっている。

 調査結果でも、最頻値が「~500MHz」となり、'99年11月には「300~500MHz」程度だったボリュームゾーンが上昇し「500~800MHz」のゾーンに50%以上の投票が集まった。


■低価格化で実装メモリは256MBに増える

搭載メモリ容量の推移
 メモリ容量の最頻値は年初の「~128MB」から「~256MB」になり、メモリ価格の急激な変化などあったものの、搭載メモリのボリュームゾーンは確実に増加している。

 種類別ではPC133対応SDRAMの増加が目立つ。現在のPC100とPC133の小売価格はほとんど変わらないため、今後PC133対応SDRAMのさらなる増加が見込まれる。RIMMは小幅に増加しているものの2001年11月現在1%となっている。


【11月調査】「CPU・メモリ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001122/cpu14.htm


■年初の2倍に増えたHDD容量

HDD容量の推移
 HDD容量もこの1年で大きな変化があった。1年前の最頻値は「~12GB」で、「8~18GB」の間に過半数が集中していたが、11月の最新調査では12GB以下の回答は20%にも満たない。最新調査では「~25GB」が最頻値だが「60GB」にも大きなピークがあり「25~60GB」がボリュームゾーンといえ、この一年で平均HDD容量は2倍強になっていることが確認できる。


■CD-Rは標準装備化、DVD-ROMも倍増

 DVD搭載率は'99年11月調査では27%だったが、最新調査では過半数を超える58%へと倍増。また、5月調査から開始したCD-R/RW搭載率は開始当初から70%を越える高い普及率を示した。

 ディスプレイについては大きな変化の兆しもなく、17インチCRT、~1,024×768ドットが最頻値。わずか4%ではあるが、19インチCRTが増えているのが注目される。

【11月調査】「HDD容量・DVD/CD-R所有率・ディスプレイ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001122/disp14.htm


■フレッツISDNが急速に普及

 自宅でのインターネットの接続状況は98%と変わりない。インターネット接続環境も9月調査まではCATVの伸び以外は大きな変化はなかったが、最新調査でフレッツISDNが17%と大きく伸び、ISDN加入者のほぼ4割が加入している結果となった。

 NTTグループ各社によるADSLへの対応も発表されるなど、2001年にかけて個人のインターネット接続環境も大きく変化することが予想される。また、IPルーティングによるインターネット接続の共有をしている人も徐々に増えている。

【11月調査】「インターネット接続環境」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001122/inter14.htm


□関連記事
【11月22日】PC Watch読者環境調査結果
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001122/enq14.htm

(2000年12月25日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]


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