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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
日本IBM ViaVoice for Windows, Pro Version 8 初期導入時間が大幅に短縮された
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu |
付属のUSBマイクキット。USBユニットに通常のヘッドセットを接続するため、USBポートを持たない環境でも使用できる |
新バージョン最大の特徴は、初期導入時間が大幅に短縮されたことだ。ViaVoiceを利用するためには、インストール時にいくつかの例文を読み上げることで、ユーザーの発声のクセをアプリケーションに登録する「エンロールメント」という作業が不可欠なのだが、従来この作業は最短でも10分ほど、すべてのエンロールメントを実行すれば2時間近くもの時間を要するもので、ユーザーへの負担は比較的大きなものだった。
強化されたクイックエンロール。短い文章を読み進めていけば、ユーザー個々が持つ発音のクセを解析、登録してくれる |
実際に、クイックエンロールのみで文章を音声入力してみたが、認識精度は比較的高く、簡単な単語や文章の入力であれば、とりあえず使用できるレベルだった。とはいえ、やはり完全とはいかないようで、一部の単語や語尾を誤認識してしまうケースも見られた。今回試用したバージョンは、チューニングが完全ではない評価版だったことを考えると致し方ないとも言えるが、やはり認識率を向上させるためにはエンロールメントに時間をかけたほうがよい。試しに15分ほどエンロールメントを実行し、先ほどと同じ文章を読み上げてみたところ、誤認識されていた部分がかなり改善された。個人により差はあるが、通常の使用に耐え得る認識率を実現するためには、30分~1時間程度の時間をかけてエンロールメントを実行する必要があるだろう。
Pro版には語彙を追加するためのツールも付属している。本格的に音声入力を活用したいユーザー向けのパッケージだ |
Version 8の製品構成には、今回評価したPro版のほか、USBマイクの代わりに通常のマイクが付属し、機能を絞ったStandard版(9,800円)や、マイクが付属しないPro版へのバージョンアップパッケージ(12,000円)なども用意されている。従来版のユーザーやマイクをすでに所有しているユーザーは環境に合わせて選択するとよいだろう。なお、Version 8共通の特徴としてWindows Meへの対応が挙げられるが、Pro版のみ、これに加えてWindows 2000にも対応している。
音声認識エンジンの強化により、一層ユーザーフレンドリーになった新しいViaVoiceは、キーボードからの入力に慣れていない初心者などにオススメしたい製品である。
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■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□製品情報
http://www.ibm.co.jp/voiceland/main/summary.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000921/ibm.htm