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日本エイサー TravelMate200T ワンランク上の構成が魅力の 低価格ノートPC TEXT：橋本新義　Shingi Hashimoto

しっかりとした作りのキーボード。全体的に使い勝手はよいが、スペースキーはやや小さめだ

　日本エイサーといえば、本誌読者にはAOpenブランドのパーツを思い浮かべる方が多いだろうが、同社はそれ以前からAcerグループのPCを販売している。最近ではノートPCにも力を入れており、郊外型の大型電気チェーン店などで目にする機会も増えてきた。今回紹介する「TravelMate 200T」は、そうしたエイサー製ノートPCの中でも、実売予想価格129,800円～139,800円前後のエントリクラスに位置付けられ、激戦区の低価格ノートPC市場に投入される製品だ。

　基本スペックとしては、CPUにモバイルCeleron 550MHzを搭載し、メインメモリに64MBのSO-DIMMを搭載。ディスプレイは12.1インチの800×600ドット表示に対応したTFT液晶パネル、ビデオチップにはATIのRAGE Mobility-M1が採用されている。これらの構成は、いずれも同価格帯の製品の中では高性能な部類に入り、競合製品では部分的により安価で性能的に劣るパーツを採用する例が多い。そうした意味では、ベーシックな構成ながらコストパフォーマンスは高い。

　チップセットはグループ会社であるALiのAladdin Pro 2のNorth Bridge、M1621と、モバイル向けSouth Bridge、M1535を搭載しており、BIOSに関しても自社製のAcer BIOSが搭載されている。HDDはIBMのDJSA-205だ。これは10GBのプラッタの片面のみを使用して5GBとした製品で、「容量はそこそこだが、転送速度は高速」というバランスの取れたモデルだ。

背面部にはシリアル、パラレル、USB、CRTコネクタと、一通りのインターフェースが揃っている

　そして本機の隠れた特徴と言える点が、徹底的にモジュール化の図られた筐体構造だ。まず、すべてのドライブ類が簡単に着脱が可能なリムーバブル仕様となっており、CD-ROMドライブだけでなく、FDDやHDDも簡単に着脱できる。とくにHDDは、専用のフレームに装着した状態であれば、ネジ1本で着脱可能だ。さらにこのフレーム部の端子はピン型ではなく、AGPやPCI拡張カードのようなカードエッジタイプの構造になっており、着脱は非常にスムーズである。

左側面部にはCardBusに対応した2基のPCカードスロットと、サウンド関連の端子が配置されている

　さらに本体底面には、144ピンSO-DIMM×2基のメモリ拡張ソケットだけでなく、Mini PCIモジュール用にスロットも用意されている。こうした構造となっていれば、ほかのノートでは難しいMini PCI用通信モジュールのユーザーアップグレードも可能と思われる。

　また、低価格ノートPCとしてはめずらしく、筐体の剛性やキーボードのタッチが比較的しっかりとしている点も評価できる。ただし、キーボードのレイアウトについては、カーソルキーの左右にPageUp/PageDownキーなどが配置されているため、慣れるまでには時間がかかるかもしれない。

右側面にはバッテリとCD-ROMドライブが搭載されている。これらのパーツが簡単に着脱可能な点も本機の魅力と言える

　さらに、最近のビジネス用ノートでよく見られる資産タグ番号を登録できる機能や、フラッシュROMに記録されたシリアル番号を確認できる機能などもしっかりと装備されており、一通りの管理機能は押さえていると言えるだろう。

　実際の使用感としては、2Dの描画速度でほとんどストレスを感じることがなかった点が印象的だ。メモリアクセスに負荷を掛けた際の安定度や、スタンバイへの移行と復帰に関する時間などの電源管理などを見ても、現在の水準以上のレベルになっていた。

　これだけのバランスでまとめられたノートPCであることを考えると、そのお買い得感は高いと言える。低価格ながらしっかりとしたノートPCを求めるユーザーにも勧めできるモデルだ。