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NEW PRODUCTS TESTREPORT


ソニー
VAIO RX PCV-RX70K

ビデオサーバーとしても機能する
テレビ録画PC

TEXT:天野 司 Tsukasa Amano



USB、i.LINKをはじめ、一般的な端子のほとんどを備える
 「VAIO RX」シリーズは、テレビ録画やビデオ編集などのAV機能で知られるVAIO Rの後継にあたる製品だ。とくにこの最上位機種「PCV-RX70K」は、CPUにPentium III 1.0BGHzを採用し、全VAIOシリーズの中でも最高性能を誇る。

 一見して分かるRシリーズとの差は、そのケースデザインだろう。薄いパープルとグレーというVAIOカラーの基本は守りつつ、色調は従来に比べるとかなり明るめとなった。また、従来はフロントパネルに露出していたFDDやビデオ入力端子、PCカードスロットには開閉式のドアが設けられ、全体的にすっきりした印象を受ける。

 変更されたのは外観だけではない。これまでは側板と天板が一体となっており、3本のネジでフレームに固定されていたが、側板だけを独立して取り外せるようになった。この側板や内部のドライブベイは、簡単に取り外すことができるようによく考えられたのもので、メンテナンス性の高さは市販のPCケース以上に感じられる。


本体前面下部には各種入出力端子とPCカードスロットが配置されている
 チップセットは従来のRシリーズ同様、i815が採用されている。マザーボードはこれまでと同様ASUSTeK製のカスタム設計品であるが、型番はCUSL-LEからCUSL-LXへと変更になった。ボード上にはi.LINK、ネットワーク、サウンド機能が搭載されており、AGPスロットにはアナログRGB/DVIの2系統出力を装備したGeForce2 MX搭載カードが実装済みだ。三つあるPCIスロットのうち二つは、「MPEG2リアルタイムエンコーダーボード」と、PCカードスロット/モデムの複合カードで占有されている。


本機のAV機能の要となる第二世代MPEG2リアルタイムエンコーダーボード
 CPUは前述のとおりFC-PGA版のPentium III 1.0BGHzで、これはVAIOシリーズ初の搭載だ。CPU冷却にはファン付きのアクティブヒートシンクが採用され、で十分な冷却能力が確保されるのだが、その半面、動作音はかなり大きい。テレビ録画やビデオ編集などAV用途に使われる本機の性格を考えると、ファンの音などをもう少し抑えてほしかったところである。

 テレビ録画機能を実現するソフトウェア「GigaPocket Ver.4.0」は、従来と同じく高機能で使いやすいもので、競合機種の追随を許さない。3次元デジタルノイズリダクションなどの画質向上策を施したMPEG2ハードウェアエンコーダーボードは、基本的にRシリーズで導入された第二世代のカードだが、今回からテレビチューナーがCATVに対応した。また新たに追加されたGigaPocketサーバー機能により、ネットワーク経由でのMPEG2再生や、録画予約も行なうことができる。HDDの容量は60GBで、MPEG2標準画質モードで約30時間もの連続録画が可能となっている。


GigaPocket Ver.4.0によって実現されるテレビ表示、録画機能は、従来と比較してその基本部分に大きな違いのないものだ。しかし、ネットワークに対応することで、さまざまな環境から利用することが可能になった
 従来のCD-R/RWドライブに加え、DVD-ROMドライブが搭載されてDVD-Videoの再生に対応した点も新しい。PC画面上でソフトウェア再生できるほか、S-VIDEO/VIDEO端子に再生画像を出力できる点はVAIOならではだ。画質はさすがに専用のDVDプレイヤーにおよばないとはいえ、大画面テレビで見るDVD映像の迫力は、PCのディスプレイとは雲泥の差と言える。なお、これに合わせて付属のワイヤレスリモコンもDVD再生に対応したものとなっている。

 今回のRXシリーズは、Rシリーズに対する機能追加はそれほど多くなく、いわばマイナーチェンジ的な位置付けだ。それでも、多機能性、使い勝手のいずれにおいても他社製品の先に位置していることは確かで、「AV機能ならVAIO」という底力を感じさせる、魅力的な製品に仕上がっている。


  • 製品名:VAIO RX PCV-RX70K
  • 標準価格:オープン(ソニースタイル価格355,800円)
  • メーカー:ソニーマーケティング株式会社
  • 問い合わせ先:03-5454-0700
  • URL:http://www.vaio.sony.co.jp/
  • CPU:Pentium III 1.0BGHz
  • チップセット:Intel 815
  • メモリ(最大):128MB(512MB)
  • HDD:約60GB
  • FDD:2モード
  • DVD-ROMドライブ:最大16倍速(CD-ROM最大40倍速)
  • CD-R/RWドライブ:書き込み最大8倍速、書き換え最大4倍速、読み出し最大32倍速
  • ビデオチップ:nVIDIA GeForce2 MX
  • ビデオメモリ:32MB SDRAM
  • 最大解像度:1,600×1,200ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:i815内蔵
  • モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
  • キーボード:109キー(PS/2接続)
  • 拡張スロット(空き):AGP×1(0)、PCI×3(1)
  • インターフェース
     ・本体前面:USB×1、i.LINK(S400、4ピン)×1、S-VIDEO IN×1、VIDEO IN×1、LINE IN×1、PCMCIA TypeII×1(CardBus対応)
     ・MPEG2リアルタイムエンコーダーボード部:S-VIDEO IN/VIDEO IN共用(ミニDIN 7ピン)×1、S-VIDEO OUT/VIDEO OUT共用(ミニDIN 7ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、アンテナ×1
     ・その他:USB×2、i.LINK(S400、6ピン)×1、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1、DVI-D×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1、マイク×1、GAME/MIDI×1、モデム(RJ-11)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
  • 本体サイズ(W×D×H):203×371×366mm
  • 重量:約12.5kg
  • OS:Windows 2000 Professional

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □ソニーマーケティングのホームページ
    http://www.vaio.sony.co.jp/
    □製品情報
    http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/PCOM/PCV-RX70K/
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    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp