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NEC VALUESTAR E VE800J/55DV 実売17万円を実現した
TEXT:中嶋敦司 Atsushi Nakajima |
本体前面には、従来同様にPCカードスロットとUSBポートが用意されている | 右本機背面。PCIスロットは2本用意されているが、ともに占有されている |
テレビ録画機能は上位機種のVALUESTAR Tシリーズと同等で、オリジナルソフト「SmartVision/TV」によって実現される。録画には、ソフトウェアエンコードによるMPEG2フォーマットが使用され、解像度640×480ドット、bitレート7Mbpsの「高画質」および320×480ドット、6.2Mbpsの「標準画質」の二つのモードが選択できる。このほか、Bitcast放送の受信ソフト「bitcast browser」を使えば、MPEG1形式で録画することも可能だ。保存されるファイルは一般的なM2P形式で、MPEG2コーデックを持ったPCであれば本機以外でも再生可能だ。ただし、本機に編集ソフトは付属しないため、編集作業には市販のソフトなどを使用することになる。
SmartVision/TV。タイムシフトやMPEG2録画、電子番組表による録画予約、表示中の番組名表示や内容説明など、多彩な機能を実現する |
もちろん、放送中の番組を巻き戻したり、そこから追いかけ再生を行なったりするタイムシフト機能も持っているが、ソフトウェアエンコードを行なっているほかの機種よりも早送り、巻き戻しなどの反応が速く、その操作は快適だ。ただ、この機能は表示中の番組を常にHDD上の一次記憶領域に書き込むため負荷が高く、同時にほかのアプリケーションを起動すると動作がかなり重くなってしまう。また、タイムシフト機能はSmartVision/TVの起動と同時に働き始めるが、これを使えなくする設定はないため、同ソフトの起動時には必ず5~10秒程度の準備時間が必要となる。
本機のテレビ機能を実現しているテレビチューナー/キャプチャカード。アンテナ端子のほか、VIDEO INとLINE IN端子も備えている |
チップセットにi810Eを採用しているため、3D性能はあまり期待できず、上位のT、Cシリーズなどと比べると、IEEE1394やS/P DIF端子を持たないものの、現状では比較的需要の少ないこれらの機能を搭載せずに、優れた筐体デザイン、高機能なマシンスペック、テレビ録画機能、実用的なバンドルソフトなどを破格とも言える170,000円でまとめたセンスのよさは高く評価したい。初めてのPC選びに悩む初心者から、実用性を重視するユーザーまで幅広くオススメしたい1台だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□製品情報
http://121ware.com/
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