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WORLD PC EXPO 2000会場レポート【自作パーツ編】

Pentium 4/AMD-760/デュアルIntel 815マザーボードが展示

会期:10月17日~21日(17日は特別招待日)
   10:30~18:00 (10月21日は17:00まで)

会場:東京ビッグサイト 東1~6ホール 西3ホール

入場料:1,500円


 WORLD PC EXPO 2000では、パーソナルパーク(東ホール)内に自作PCのエリアが用意されており、いくつかのマザーボードベンダが最新マザーボードの展示を行なっている。その中でも注目の製品などを取り上げてみよう。


●最新チップセット、Intel 850、AMD-760搭載マザーボードが展示

AOpenのPentium 4マザーボードであるAX4T。チップセットにはIntel 850を利用し、4つのRIMMスロット、AGP Proスロットなどが用意されている

 今回IntelのPentium 4用チップセットIntel 850や、AMDのDDR SDRAMをサポートしたAthlon Duron用チップセットAMD-760は、いずれも発表前であるため展示が見送られるかと思ったが、実際のところいくつかのベンダではこれらの最新チップセットを搭載したマザーボードを展示していた。

 AOpenでは、Intel 850を搭載したAX4Tと、AMD-760を搭載したMK7Aの2製品を展示していた。既に後藤氏がコラムでお伝えしているように、AX4Tは4つのRIMMスロットを持ち、AGP Pro(AGP 4X対応)が1つ、PCIスロット×5、CNRスロットという構成になったスタンダードな製品だ。Intel 850はサウスブリッジICH2(FW82801BA)が原因となるAGP周りのトラブルで、出荷延期という事態になっており、その推移が心配されていた。

 しかし、台湾では大手マザーボードベンダを中心に対応が進みつつあり、11月中と言われているPentium 4の発表にあわせて投入されるという。注目の価格だが、OEMメーカー筋の情報によればIntel 850のリストプライスは75ドルと言われており、Intel 815/815Eなどに比べて倍近い価格となっている。さらに、PCB(基板)もIntel 815/815Eなどが、コストの安い4層基板を利用しているのに対して、Intel 850などでは6層基板を利用しているため、ここでもコストアップとなる。また、最初は流通量も少ないだろうから、大量生産によるスケールメリットもあまり期待できなそうだ。これらの理由から、当初のマザーボードコストはかなり高いものとなりそうだ。

AOpenのAMD-760チップセット搭載マザーボードのMK7A。DDR SDRAMを標準でサポートする
 AMD-760を搭載したマザーボードMK7Aは、microATXフォームファクタのSocket Aマザーボードで、266MHzのシステムバス(従来は200MHz)、DDR SDRAMのメモリスロット×2、AGPスロット(AGP 4X)、PCI×3という構成になっている。9月に開催されたVIA Technology Forum(VTF2000)では、ASUSTeK COMPUTERのA7M266、GIGA-BYTE TechnologyのGA-7DXという2製品が既に展示されており、実際に動作デモが行なわれていた。MK7Aは、AMD-760マザーボードとしては3つ目で、徐々に正式発表に向けて準備段階に入っていることは間違いない。

 さらに、アイ・オー・データ機器、メルコといったメモリモジュールベンダのブースにはDDR SDRAMのメモリモジュールが展示されていた。アイ・オー・データ機器ではDR200Rという、200MHzのDDR SDRAMを搭載したPC-1600モジュールが展示されていた。メルコはさらに充実しており、200MHzのPC-1600だけでなく、266MHzのPC-2100も展示されていた。このほか、先日規格が策定されたばかりのSO-DIMMのDDR SDRAMメモリモジュールも展示されているなど、DDR SDRAMにかなり本腰を入れて取り組んでいるのが伺える。

アイ・オー・データ機器のDDR SDRAMのメモリモジュール。PC200(200MHzのDDR SDRAMチップ)を搭載したPC-1,600のメモリモジュール メルコのDDR SDRAM搭載メモリモジュール。こちらはPC266(266MHzのDDR SDRAMチップ)を搭載したPC-2100のメモリモジュール

 AMD-760やDDR SDRAMのメモリモジュール(PC-1600/PC-2100)などが出揃ってきたことで、まもなくDDR SDRAM環境が整うのは間違いない。なお、OEMメーカー情報筋によれば、今月中にも266MHzのシステムバスに対応したAthlonプロセッサ(1.2GHz/1.13GHz/1GHz)とAMD-760の発表が行なわれると見られており、Athlonユーザーには注目の発表となることは間違いないだろう。


●KT133A、Intel 810E2、KL133など気になるチップセットを搭載したマザーボードも続々

 Intel 850/AMD-760という最新チップセット以外にも、既にリリースされているチップセットの改良版を搭載したマザーボードが展示されていた。

 MSI(Micro-Star International)は、VIA TechnologiesのApollo KT133A(VT8363A)を搭載したマザーボードK7T Turboの展示を行なった。既に6月のフルスピードキャッシュ内蔵版AthlonおよびDuronの発表と同時にリリースされたVIAのKT133チップセットは、システムバスとして200MHz(実際には100MHzのDDR)のみをサポートしている。しかし、このKT133Aは、KT133の新バージョンで266MHz(実際には133MHzのDDR)のシステムバスをサポートしており、AMD-760と同タイミングで発表されると見られる、システムバス266MHzに対応したAthlon(1.2GHz/1.13GHz/1GHz)にも対応することが可能になる。ただし、そのほかのスペックは従来のKT133と同等になる。

VIA TechnologiesのKT133の新バージョンであるKT133A。266MHzのシステムバスに対応している MSIのKT133A搭載マザーボードのK7T Turbo。システムバスが266MHzのAthlonにも対応することができる

MSIのIntel 810E2チップセット搭載のMS-6364
 また、同じくMSIではIntelが2001年の第1四半期に投入を予定しているIntel 810E2チップセットを搭載したマザーボードMS-6364を展示していた。Intel 810E2は、実は特に新しいチップセットというわけではなく、Intel 810Eのノースブリッジ(GMCH)であるFW82810Eに、ICH2(FW82801BA)を組み合わせたものだ。

 これまでのIntel 810EではICH(FW82801AA)との組み合わせになっており、IDEインターフェイスがUltra ATA/66のみに対応、Ethernetコントローラを内蔵していないなど最新のICH2に比べると見落とりしていた。それでは、そうした組み合わせをすぐ出せばよいと思うかもしれないが、Intel 850ではICH2が原因でAGP周りにトラブルが発生したことからもわかるように、組み合わせた後で互換性の検証など、いわゆるバリデーションチェックに時間がかかるのだ。バリデーションチェックが終わるのは、2001年の第1四半期であり、その後投入という予定になっている。このIntel 810E2が登場することにより、PCメーカーなどはIntel 810Eを利用したローエンドPCでもUltra ATA/100に対応させたり、イーサネットコントローラを安価に追加できるメリットがある。

VIAのKL133チップセット(VT8364)。AMDがDuronでOEMメーカーに食い込むための武器となるか? なお、サンプルのためかマーキングはProSavage KM133(VT8365)になっている
 さらに、MSIブースではVTF2000で発表されたS3のSavage4コアを統合したVIA Technologiesの統合型チップセットProSavage KM133のローコスト版KL133が展示されていた。KM133は内蔵グラフィックスか外部AGPスロットを排他的に利用できるようになっている。しかし、KL133では外部AGPスロットの機能が省略されている。NECや富士通といった大手のPCメーカーは、実はIntel 815やKM133などが持っている外部AGP機能はあまり必要としていない。統合型チップセットを搭載した、いわゆるバリューPCを購入するユーザー層は、自分でビデオカードを追加したりすることのないユーザーが中心になっているからだ。

 このため、AGPスロットがあればコストアップの原因となるだけで、特に必要とはされていない(Intel 810E2が追加されたのもこれと同じ理由だ)。そういう意味では自作ユーザーにはあまり関係のない製品ではあるが、今後AMDが大手のPCメーカーに食い込む際などに大きな武器となる重要なチップセットではある。


●注目はEPoXのIntel 815Eデュアル対応マザーボード

EPoX COMPUTERのEP-D3SA。Intel 815Eを利用していながらデュアルプロセッサというのだから驚きだ
 さらに、マザーボード関係で今回最も注目を集めていたと言っていい製品がEPoX COMPUTERのEP-D3SAだ。EP-D3SAはIntel 815Eを搭載したATXマザーボードなのだが、なんとCPUソケット(PGA370)が2つ用意されている。なぜこれが驚きかといえばIntel 815Eは標準ではデュアルCPUをサポートしていないからだ。EPoXの説明員によれば、「できるかと思って作ってみたらできた」ということらしく、残念ながらエンジニアが不在にだったため詳細に関してはわからなかったものの、EPoXではWindows NTなどでの動作を確認中という。

【10月20日追記】EPoXによれば、現時点ではデュアルでの動作については検証中であり、鋭意努力中としている。

 既に、Pentium IIIの主力はシステムバスが100MHzから、133MHzのものへと移りつつあり、これまでデュアルプロセッサのマザーボードで主に利用されていた440BXがほとんど消えようとしている今、Intel 815Eでデュアルプロセッサが実現できるこの製品は大変魅力的だと言える。現時点では日本市場に投入される時期なども未定となっているが、ぜひとも早期に投入して欲しい製品ではある。

□WORLD PC EXPO 2000のホームページ
http://wpc.nikkeibp.co.jp/wpc/

(2000年10月18日)

[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]


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