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ソニー VAIO J PCV-J12V5i.LINK装備の低価格機が CD-R/RWドライブを搭載
TEXT:中嶋敦司 Atsushi Nakajima |
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下から2段目のブラケットに、6ピンのi.LINK端子が二つ備えられている |
多彩なラインナップを誇るソニーのVAIOだが、その中でもエントリークラスのデスクトップモデルとして位置付けられているのがVAIO Jシリーズだ。従来よりバランスのよい低価格機として人気の高かった同シリーズだが、新モデルの「VAIO J PCV-J12V5」(以下J12)では従来機のPCV-J11V5と同等となる130,000円前後の価格を維持しながら、OSはWindows Meに更新されるとともに、ハードウェアまわりの強化が図られている。
そのJ12においてもっとも注目されるのが、CD-R/RWドライブを搭載したことだ。採用されたドライブはソニー製のATAPIモデル「CRX140E」で、書き込み最大8倍速、書き換え最大4倍速をサポートする。ライティングソフトとしては、操作の分かりやすさで定評のあるアダプテックジャパンの「Easy CD Creator 4 standard」がバンドルされているので、初心者でも比較的簡単に使いこなせるはずだ。Jシリーズでは、編集したDVファイルや、ビデオクリップ自動作成ソフト「Movie Shaker 1.2」などで出力された動画ファイルをCD-R/RWに保存したいという要望が従来機より多かったため、この変更点は多くのユーザーに喜ばれることだろう。
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CPUの手前に位置する電源ユニットを外すと、上図のようになる。PCIスロットに二つ、DIMMスロットに一つ、内部3.5インチベイに一つの空きがある |
i.LINK端子を装備し、安価なDV編集環境としても活用できるJシリーズだが、この点はJ12においても変わらない。DV編集ソフトも従来どおり充実しており、DVキャプチャ、DVテープへの書き出し、カット編集、静止画キャプチャなどが可能な統合環境、「DVgate Ver.2.2」が付属する。さらに、もう少し本格的な動画編集に挑戦してみたいという場合には、本機のユーザー登録を行なうことで、「Adobe Premiere 5.1 LE 日本語版」が9,800円で優待販売される。
このほか、ソニー独自の音声圧縮コーデック、ATRAC3を利用したアプリケーション「OpenMG Jukebox Ver.1.3J for VAIO」によって、音楽CDから取り込んだり、インターネット配信されたりした楽曲データをHDDに保存して、CDの交換なしで連続再生することも可能だ。
また、J12では各機能をストレスなく扱えるように、CPUが従来機のCeleron 600MHzから700MHzに変更され、HDDの容量は20GBから30GBへと強化された。このため、より大容量、多数の動画や音声ファイルの編集、保存にも余裕を持って対応することが可能となっている。
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本機に採用されているCRX140E |
筐体も従来同様、デザインだけでなくメンテナンス性も重視したもので、ケースのサイドパネルはもちろん、電源や内蔵HDDベイもワンタッチで取り外すことが可能だ。PCIスロットの空きは2本、メモリスロットの空きは1本、内蔵ベイの空きは3.5インチが一つと、拡張性が高いとは言い難いが、デバイスの増設、換装は一般的な自作向けケースよりも簡単に行なうことができるだろう。Jシリーズを購入するビギナーは多いだけに、扱いやすく、末永く使えるように配慮されたこの設計は評価に値する。なお、ほかのデスクトップタイプのVAIOに用意されているケース前面のUSB端子が本機には存在しないが、ディスプレイにはUSBハブが内蔵され、両側面に二つずつのUSBポートが用意されているので、とくに問題はない。
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フロントマスクの裏側の留め金を抜くと、ドライブベイを外せるようになる |
CD-R/RWドライブを装備したことで、クリエイティブな低価格機というイメージが一層強くなったJ12だが、マシンスペックは総じて高いため、家庭でインターネットを楽しんだり、ビジネスワークをこなしたりしたい場合などにも問題なく使用できる。130,000円という価格は、100,000円以下で販売されている他社のエントリーモデルより1ランク上の設定となるが、そのトータルバランスのよさは価格差以上のものと言える。初めてのPC選びに迷っている方や、家族のためにもう1台欲しいという方にとっては注目に値する製品だろう。
製品名:VAIO J PCV-J12V5
標準価格:オープン(実売予想価格130,000円)
メーカー:ソニーマーケティング株式会社
問い合わせ先:03-5454-0700
URL:http://www.vaio.sony.co.jp/
CPU:Celeron 700MHz
チップセット:Intel 810
メモリ(最大):64MB(512MB)
HDD:30GB(Ultra ATA/66)
FDD:3モード
CD-R/RWドライブ:書き込み最大8倍速、書き換え最大4倍速、CD-ROM読み出し最大32倍速
ビデオチップ:Intel 810内蔵
ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を共有(最大13MB)
ディスプレイ:15″FDトリニトロン管
最大解像度:1,280×1,024ドット/1,677万色
サウンドチップ:ヤマハ YMF752-S(AC '97CODEC)
モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
キーボード:109キー(PS/2接続)
拡張スロット(空き):PCI×4(2)
インターフェース:USB×2、i.LINK(S400、6ピン)×2、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1、マイク×1、GAME/MIDI×1、モデム(RJ-11)×1
本体サイズ(W×D×H):170×366×306mm
重量:約8.5kg
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ソニーマーケティングのホームページ
http://www.vaio.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/PCOM/PCV-J12V7/
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―15インチタブレット液晶モデルが登場など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000908/sony2.htm
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp