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ソニー VAIO MX PCV-MX3GK MDレコーダとテレビ録画機能を備えた
TEXT:中嶋敦司 Atsushi Nakajima |
本体前面部は液晶パネル、背面はアンプの端子が目立つPCV-MX3GK。非常に多くの機能を持つAVマシンだ |
本機のテレビ録画機能を実現しているのは、今年の春に発表されたVAIOから採用されている第二世代MPEG2リアルタイムエンコーダーボードをベースにしたもので、最大解像度720×480ドット/30fpsの録画機能を持ち、新たにCATVの受信、録画に対応している。その表示はインターレース補間フィルタと3次元デジタルノイズリダクションにより、なめらかでノイズの少ないものだ。
録画機能をコントロールするアプリケーション「Giga Pocket Ver.4.0」では、インターネット番組表iEPGを使った録画予約をはじめ、録画中でも好みの場面まで巻き戻して再生可能なスリップ再生機能や、一定時間ごとの場面をプレビュー表示するフィルムロールによって、希望のシーンをすぐに呼び出すことも可能である。また、この秋発表された「Giga Pocketサーバー」機能も備え、ネットワーク上のほかのマシンから録画予約を行なったり、本機に保存された録画ファイルを再生したりすることも可能となった。これにより、家庭内LAN環境などで、異なる部屋にいるユーザーが本機の録画再生機能を利用できるわけだ。
インターネット番組表によるワンタッチ録画予約や、タイムシフト再生などにも対応しており、流行のテレビ録画PCとしても最新の機能を備えていると言える |
サウンド回りの機能に大きな変更点はなく、信号の伝送経路を可能な限りデジタル化してノイズの低減を図った設計や、10cmフルレンジユニットと木製キャビネットを組み合わせた本格的な外付けスピーカーなどは健在だ。もちろん、Windowsが起動していない状態でも付属のリモコンからCD、MD、FMチューナーを操作することができるほか、本体中央の液晶パネルによって再生状態の確認や、FM文字放送の表示が可能となっているなど、ミニコンポ相当の機能も受け継いでいる。
加えて、Windows上からはHDDに保存された約73,000枚のCD情報をもとに曲名検索が行なえ、これを使ってMDへの曲名登録もできる。HDD上に存在しない曲情報は、インターネット上のデータベース、CDNOW JAPANでの検索が行なわれるため、新譜への対応も早い。このほか、ATRAC3による音声圧縮を利用した「OpenMG Jukebox Ver.1.3」により、CDから変換されたり、ネット配信されたりした楽曲をHDDに保存してジュークボックスのように扱うことも可能だ。
PCとしての基本性能は、マザーボードにi815を搭載したASUSTeKのCUSL-LXにPentium III 866MHz、128MB SDRAM、16MBのビデオメモリを搭載したGeForce2 MX搭載カード、容量40GBのHDDなどが組み合わされている。外観こそ従来機と変わらないものの、大幅な機能強化が図られていると言えよう。
これまで音楽環境に特化したマシンとされてきたMXシリーズだが、今回のモデルチェンジにより、映像も高度に扱えるマシンへと進化した。オーディオもビデオもインターネットもすべて1台のPCで楽しみたいというユーザーは要注目だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ソニーマーケティングのホームページ
http://www.vaio.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/PCOM/PCV-MX3GK/
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―15インチタブレット液晶モデルが登場など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000908/sony2.htm