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NEC SmartVoice Ver4.0 i 声の登録なしでも使用可能な
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu |
SmartVoice4では、インストール時に音声登録の有無を決定できる。とりあえず使ってみたい場合などには、登録を行なわなくてもすむ |
SmartVoice4iは、インストール時の音声学習作業が不要な音声認識ソフトだ。通常、音声認識ソフトを利用する場合は、インストール時にあらかじめ用意された文章を読み上げることで、ユーザーの発声のクセを学習させる必要があるが、今回のSmartVoiceでは名前と性別を登録するだけで、すぐに音声認識を開始することができる。
音声入力によってE-mailを作成することも可能となっている |
とはいえ、やはり学習させないままでは誤認識する確率が高くなる。このような場合、本来導入時に行なう学習を後から実行することでも問題を解消できるが、SmartVoice4iでは実際に文章を声で入力しながら、同時に学習を行なうこともできる。使い始めは誤認識が気になることもあるが、使い込むほどに解消されていくので、数時間も使い込めばほぼ思いどおりに認識されるようになる。
SmartJukebox。音声によって操作できるため、PCで音楽を楽しむことがより身近になった |
SmartVoice4iでは、標準で独自のブラウザ、およびメールソフト「みんなでメール」が利用でき、これらも音声で操作することが可能となっている。とくにメールでは、「しみずにめーる」などと発音するだけで、あらかじめ登録しておいた相手のアドレスが自動的に挿入されたり、届いたメールを読み上げることもできる。読み上げ機能も前バージョンから大幅に強化(辞書の拡張、およびサンプリング周波数が11kHzから22kHz化)されており、非常に聞きやすかった。
一方、SmartJukeboxは音声での操作ができるのが最大の特徴だ。新しいSmartVoiceと組み合わせることで、音楽の再生や曲の選択、ボリュームの調整、リッピングなどが音声で操作できる。しかも、この音声での操作は、SmartJukeboxがバックグラウンドで動作しているときでも可能だ。操作時にわざわざプレイヤーをフォアグラウンドに変更する必要がないため、音楽を聞きながらPCで別の作業をする場合などに便利だろう。対応するファイル形式はAAC、MP3、WMAとなる。AAC(Advanced Audio Cording)は、MP3と同じbitレートでも同等以上の音質となるため、多くの曲をHDDに保存しても容量を節約できる。
以上のようにSmartVoice Ver4.0 i、SmartJukeboxは、非常に完成度の高いソフトだ。唯一の難点はパフォーマンスで、Celeron 466MHz、メモリ256MBのPCの環境では反応が今一つ。発声してから文字になるまで、またコマンドを発音してから実際に実行されるまでにタイムラグがあった。快適に利用するためにはPentium III 600MHz程度は必要になるだろう。
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■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□製品情報
http://121ware.com/
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