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メルコ MOU-640R アルミ筐体採用の ハイセンスなMOドライブ TEXT：水島伸行　Nobuyuki Mizushima

イルミネーションパーツは6種類、パステル調で統一されている。背面にはUSB端子を備えるほか、電源コネクタが不意に抜けないようにケーブルを引っかける突起がある

　メルコが発売したMOU-640Rは、同社が打ち出した新デザインコンセプト「D3」（ディスリー）にもとづいたUSB接続の外付けMOドライブだ。D3とはGood Design、High Developed、Easy Deviceという三つのポイントを意識したもので、本機にはこれらを実現するためのさまざまなアイディアが盛り込まれている。

　まず、ひときわ目立つのが、やはりそのケースデザインだろう。幅37mmのスリムなボディはアルミ製で、樹脂製ケースと比較して高い剛性と高級感、放熱性能を備えている。さらに、表面には非常に細かな凹凸が付けられており、単純な平面よりも表面積を増加させることで放熱効果の向上を図っている。これにより排気ファンなしでの動作が可能となり、静粛性も高い。

本機に搭載されているIDE-USB変換ユニット（左）と富士通のIDE接続MOドライブMCF3064AP

　また、筐体前面に位置する電源ランプはイルミネーションパーツと呼ばれるカバーに覆われているが、このパーツは標準でレッド、ブルー、オレンジ、グリーン、パープル、グラファイトの6色が同梱され、マシンや部屋のデザインにあわせて変更することが可能だ。近頃はVAIOやiMacに代表されるデザイン重視のマシンが人気を得ているだけに、周辺機器にも優れたデザインを求めるユーザーの声を反映したものと言えよう。

　取り扱いの容易さも本機の特徴の一つで、本機をセットアップする際には、ウィザード形式で写真説明を一つずつ確認しながら進めてゆく「簡単セットアップ」を利用することで、初心者でもつまずくことなく導入できるはずだ。簡単セットアップが完了しマシンを再起動するとドライバが組み込まれ、本機が使用できるようになる。

　ホットプラグにも対応し、OSの動作中でも本機を着脱することが可能だ。電源は、付属のACアダプタによって供給されるが、本機には電源スイッチが装備されておらず、本機とPCがUSBケーブルで接続されると、これに連動して本機も起動する仕組になっている。USBケーブルの抜き差しだけでドライブが使用可能となるため、頻繁にノートPCを持ち歩くユーザーなどにはありがたいポイントだ。対応OSはWindows 98/2000のほかに、MacOS 8.51以降を搭載したMacintoshにも対応しているので、PCとMacの連係作業が何かと多くなるDTPやグラフィックスデザインなどの環境においても重宝されるだろう。

簡単メニューでは、写真入りでケーブルの接続の仕方などを説明してゆくので、初心者でも迷うことなく本機のセットアップを行なえるだろう

　本機に内蔵されているドライブは富士通のIDEモデルMCF3064APで、ケース内のIDE-USB変換基板を用いてUSB化が行なわれている。こう聞くと、多くの読者は、IDEに比べて低速なUSB接続を利用していることのパフォーマンスへの影響が気になるところだろう。そこで今回は、Celeron 566MHzと128MBのメモリを搭載した自作機のUSBポートに本機を、IDEポートにMCF3064APを接続し、それぞれのドライブで500MBのファイルの読み書きを行なって、これに要した時間を計測してみた。結果は、本機の書き込みが14分53秒、読み出しが9分20秒、MCF3064APの書き込みが13分07秒、読み出しが3分42秒となった。書き込みでは1割程度、読み出しでは2倍強、IDE接続が高速という結果となっており、やはりインターフェースの違いが速度差に反映されることが見て取れる。しかし、先に述べているようにUSB接続によるメリットも大きなものであり、同社のラインナップにはより高速なSCSIやIEEE1394接続のモデルも用意されているため、使い勝手やデザインを重視する場合には本機を、速度を重視する場合にはほかのインターフェースのモデルを選択するのがよいだろう。

　MOは、リムーバブルストレージの規格において、比較的歴史が長く、その安定性とFDDライクな使用感から根強い人気と普及率を保っている。本機はこういったMOの特徴を強化するものであるとともに、優れたデザイン性も兼ね備えている。初めてリムーバブルストレージを導入する場合や、本体とのデザインの組み合わせを重視する場合、また、とにかく使いやすい外付けドライブが欲しい場合などにお勧めしたい製品だ。