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高木産業 PNIV-PIII850J FC-PGA版 Pentium III 850MHz
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto |
キーボードは従来同様の配置となっている。操作感はとくにクセもなく、可もなく不可もなくといったところ |
その最大の特徴は搭載するCPUで、現在のノートPCでは間違いなく最高速のクロック周波数となる、デスクトップ向けのFC-PGA版Pentium III 850MHzを搭載している。
同社のデスクトップ向けCPUを使用したモデルは、これまでどちらかと言うと『高価なモバイル向けCPUを使わないことで低価格を狙う』という姿勢が強かったのだが、今回は方針を転換したのか、一気にハイエンド仕様の製品に仕上げている。同社も製品リリースに“世界最高速ノートPC”のフレーズを掲げており、従来の同社製品とは一味違った気概を感じさせる。
それだけに、従来機ではCPUを除けばベーシックだった部分にも、数々の改良が加えられている。まず目立つのは、従来機より刷新された新筐体だろう。なかでも、前面に配置されたステレオスピーカーと、中央にある液晶パネルと操作ボタンは、大きく変わった部分だけに、とくに目を引く。こうした配置になっているのは、本体の電源を入れなくとも音楽CDの再生が可能となったためである。ただし液晶パネルは、音楽CDのトラック番号などを表示するだけのシンプルな仕様だ。
本体前面にはショートカットキーが配置され、スライドスイッチによってアプリケーションキーとCDコントロール機能を切り換えることが可能となっている |
そして本機の隠れた特徴と言えるのが、ビデオチップで、ノート用としては現時点で最高クラスと言える、S3の「Savage/IX16」が搭載されている。これは16MBのビデオメモリをチップ内に統合した、IXシリーズの上位版だ。
最近では大手メーカー製品などでも採用が増えてきたIXシリーズだが、ほとんどが8MB版であり、16MB版は非常にめずらしい存在だ。基本的にはメモリ容量の差しかないのだが、最近の3DゲームなどではZバッファやテクスチャ領域として大量のビデオメモリを必要とするものが多いため、8MBと16MBの差は大きく、うれしい改良点と言えるだろう。
キーボードとその裏面にある放熱版を取り除くとFC-PGA版Pentium III 850MHzが姿を現わす |
実際の使用感だが、さすがにこれだけのハイスペックだけあって、Officeアプリケーションなどはまったく苦にならない速度で動作した。3DMark2000 v1.1も測定してみたが、1,024×768ドット/32bitカラーの場合は738 3D marks、16bitカラーの場合は1,255 3D marksという結果となった。これは、ノートPCとして間違いなく高性能な部類に入る。
キータッチなど、細かい部分ではまだ大手メーカー製ノートに劣る部分はあるが、CPU性能を重視するユーザーにとっては魅力的なモデルに仕上がっている。デスクトップ代替機としての使用や、ノートPCにもパワーを求めるユーザーの選択肢として、検討する価値のあるマシンだ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□高木産業株式会社のホームページ
http://www.purpose.co.jp/pc/
□製品情報
http://www.purpose.co.jp/pc/lineup/pn4-piii850j.htm
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【4月21日】高木産業、FC-PGA版Pentium III 850MHz搭載の高速ノート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000421/purpose.htm