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NEC VALUESTAR U VU800N/47D 安定性を重視した新Athlon搭載機
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto |
フロント部にはUSB端子を一つ持つため、頻繁に抜き差しする機器はこちらに接続すると便利だ。背面部には、シリアル、パラレルやサウンド関連など、一通りの端子が並ぶ |
NECは、従来より同シリーズでAthlonを採用しているが、本機も基本的には従来モデル「VU700/37D」のCPUをアップグレードした構成となる。CPU形状も従来と同じSlotAタイプだ。クロック周波数は800MHzと、新Athlonの中ではミドルクラスのものが採用されている。
基本構成は前モデルと変わらないだけに、各パーツも動作実績の豊富な、安定した製品となっている。新鮮さという点では若干もの足りないが、安定性を重視した姿勢は評価できるものだろう。
スッキリとまとまった本機の筐体内部。メンテナンス性は高いのだが、空きベイが外部5インチベイ一つのみであるのは非常にもったいないところ |
メモリは64MBのPC100 SDRAMが搭載されるが、やはりCPU性能に見合うように、128MB程度を搭載してほしかったところである。
またVALUESTAR Uシリーズは、4.7GB対応のDVD-RAM搭載モデルが用意されるなど、ストレージデバイスに力が入っており、本機にもソニーの新型CD-R/RWドライブ「CRX140E」が搭載されている。書き込み最大8倍速、書き換え最大4倍速、読み込み最大32倍速のベーシックな性能を持った製品だが、バッファメモリを4MB搭載するなど、書き込み時の安定性にコストをかけた仕様となっている。CDライティングソフトとしてはアダプテックジャパンの「DirectCD」と「Easy CD Creator4 Standard」が採用されているが、後者はCD-ROMでの添付となり、プリインストールはされていない。基本的に扱いの容易なDirectCDとCD-RWの組み合わせで使用し、CD-Rは必要に応じて使用してほしいということだろう。
HDDも大手メーカーとしてはめずらしい、QuantumのFireball Lct15シリーズの30GB版を採用している。スピンドル回転数を毎分4,400回転に落とすことで動作音を低減させたモデルで、静粛性にこだわるNECならではの選択だ。
対して、AV関連機能は若干おとなしい印象を受ける。ビデオカードは前モデルと同様、nVIDIAのVantaとビデオメモリに8MBのSDRAMを搭載したものが採用されている。性能面ではVanta搭載カードらしく目立った点はないが、DFP端子が装備され、デジタル液晶ディスプレイにも対応可能な点が大手メーカー製PCらしい。また、3D性能に関してはあまり高くなく、最新のGeForce2 GTS搭載カードなどと比較すると、いくぶんもの足りなさを感じる。
プリインストールされるソフトウェアに関しては、大手メーカー製PCとしてはシンプルな部類に入る。しかし、前述したCDライティングソフトとMicrosoft Office 2000 Personalがバンドルされているため、実用度は非常に高い。
こうした構成に、シャドウマスク管の17インチCRTディスプレイがセットで、価格は18万円台後半となっている。これは大手メーカー製のAthlon採用機としては標準的なものであるが、安定性を重視した構成や、定評のあるユーザーサポートなど、スペックに出ない面までをも含めた完成度の高さは評価に値する。ビギナーを卒業し、PCを本格的に使い込みたいと思っている方などは、購入の候補に入れておきたい一台だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
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