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エプソンダイレクト Endeavor Pro-700L 1GHzモデルで17万円台を実現した
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu |
一般的なATXケースを採用しているため、前面、背面ともに標準的な構成だ。しかしその拡張性は高い |
もともと、日本国内において、Athlonは自作ユーザーを中心に盛り上がりを見せてきたCPUだが、今年に入って大手メーカー製PCで採用され始めたこともあり、着実にシェアを拡大している。Intel製のCPUと同等以上の性能を発揮するにもかかわらず、価格が低いという特徴もあり、今回のPro-700Lに対する注目度もそうとうに高い。
さて肝心のCPUだが、本機に採用されているものはAMDから6月に発表された、いわゆるThunderbirdコアのSlotA版Athlonとなる。L2キャッシュをオンダイ化し、これをCPUと同クロックで動作させることによって、従来タイプからさらなる高速化を実現しているCPUだ。今回の評価機には、この新Athlonの1GHz版が搭載されていたが、同社のほかの製品同様、BTOによるカスタマイズが可能で、800MHz版、900MHz版を選択することもできる。
本機のマザーボードは、ASUSTeKのK7V-T。KX133搭載ボードとしては唯一Thunderbirdに対応した製品だ |
このほかの構成は、BTOによる組み合わせしだいとなるが、試用機ではメインメモリに128MBのPC133対応SDRAM、HDDに7,200rpm、容量30GBのQuantum Fireball plus LM、8倍速DVD-ROMドライブ、Sound Blaster Audio PCIが装着されていた。また、ビデオカードは、今回のモデルから新たにnVIDIA GeForce2 GTSを採用したELSA GLADIAC 32MBが選択可能となっており、評価機にもこのカードが装着されていた。このほかにも、CD-R/RWドライブやネットワークカードなどをオプションとして選択することもできる。
筐体は、ほかのProシリーズと共通のミドルタワーケースで、メンテナンス性および拡張性は比較的高い。また、外部5インチベイには二つ、3.5インチベイには外部一つ、内部一つの空きがあるだけでなく、内部のレイアウトもスッキリとしているのでHDDやメモリの増設を行ないやすい。このクラスのPCは、拡張を前提としたベースマシンとして購入されることも多いだろうが、こういった観点から見た出来も申し分ないと言える。
さて、気になる価格だが、最小構成(Athlon 800MHz、メモリ64MB、HDD 7.5GB、ERAZOR X2)で112,500円、これをAthlon 1GHzに変更した際には151,500円となる。1GHzのPCがこの価格で手に入るのは、非常に魅力的だ。ただし、同社では、ほぼ同じ構成でPentium III 1GHzを搭載したPro-600シリーズを、150,000円を切る価格からラインナップしており、こちらとの選択が悩ましいところとなる。CPU自体の性能はそれぞれ得手不得手があり、一概にどちらが優れているとは言い難いが、ゲームやマルチメディア処理など、Pentium IIIのSSEに対応したソフト以外では、Athlonのほうが高速に動作することが多いので、ビジネスソフトやAMD独自の拡張命令3D Now!対応ゲームなどの利用を前提とする場合には本機の能力が遺憾なく発揮されるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□エプソンダイレクトのホームページ
http://www.epsondirect.co.jp/
□製品情報
http://www.epsondirect.co.jp/pro-700l/index.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000807/epsond.htm