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日本IBM Aptiva X Series 2179-50JIBMからオールインワンの
液晶一体型機がついに登場
TEXT:中嶋敦司 Atsushi Nakajima |
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本体前面に位置する四つのボタンのうち、左端の一つを押すと、ディスプレイ下部に格納されたドライブベイが現われる仕組になっている |
低価格モデルや、テレビチューナー付きモデルの登場で活気付いている液晶ディスプレイ一体型PC市場に、日本IBMの新モデル「Aptiva X Series 2179-50J」(以下、Aptiva X)が登場した。そのコンセプトは「スタイルと高機能の両立」で、斬新なデザインを採用しつつ、基本機能やバンドルソフトウェアの充実も図られている。
本機の筐体の配色は、Aptiva Eに採用されているホワイトとブルーのツートンカラーとは異なり、同社のノートPC、ThinkPad iシリーズを意識させる新色「プラチナ・メタリック」だ。このカラーを基調とした本体は「スペース・セービング・デザイン」と呼ばれる省スペース設計にもとづき、台座部を後方に配置し、アームによって15インチTFT液晶ディスプレイ部が前面にせり出す形となっている。これにより、前方から本機を見た際にはディスプレイ以外の部分が目立たなくなり、非常にシンプルな印象を受ける。さらに、キーボードを使用しないときには、ディスプレイ下部の空間に置くことで卓上のスペースを有効活用できるよう配慮されているのもおもしろい点だ。
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ディスプレイ部が前面に伸びる形になっているため、奥行きは意外に大きい |
本体各部には、優れたデザインを活かしつつ、さまざまな機能が搭載されている。まず、台座部の前面にはスピーカーが内蔵され、外部スピーカーを増設することなく音楽を楽しむことが可能だ。また、この台座部には電源ユニットが内蔵されているほか、背面には三つのUSBポートも用意されている。さらに、ディスプレイ右側面には二つのUSBポートとLINE IN、LINE OUT、マイクの各端子が並び、右下部には10BASE-T/100BASE-TX対応のLANポートとPS/2端子も用意されている。注目されるのは、ディスプレイ正面下部に格納されている最大24倍速のCD-ROMドライブとFDDが装備されたドライブベイで、本体前面のボタンを押すことによってベイが下方に向かって開き、ドライブが姿を現わす仕組となっている。
本機は液晶ディスプレイの背面に、マザーボードを収めた一体型機でありながら、2本のPCIスロットを備えている。このスロットにはLow Profile仕様のPCIカードが搭載可能であり、そのうち1本に56kbpsモデムカードが搭載されている。このPCIスロットと、先に挙げた各種の端子により、多彩なデバイスの装着が可能となる。とくにUSBは先に挙げた五つのほか、キーボードに2ポートのUSBハブも設けられているので、ポート数に悩む必要もなく、抜き差しする頻度とデバイスに応じて利用するポートを選択することができる。
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ディプレイ部の左後方下部には、Low Profile準拠のPCIカードを装着することも可能だ |
基本スペックは、CPUにCeleron 600MHz、チップセットにビデオ機能を統合したSiS630が採用され、HDDの容量も15GBとインターネットの利用やビジネスアプリケーションを利用する上では十分な容量が確保されている。メインメモリは標準で64MBが装備されているが、合計2本のDIMMスロットのうち1本は空きスロットとなっており、最大512MBまでの増設が可能だ。
バンドルされるアプリケーションは、音声認識ソフト「ViaVoice Pro ミレニアム」やキャラクターメーラー「PostPet for Windows ver.2.0jp」、ハガキ作成ソフト「筆ぐるめVer.7.0」など人気の高いものに絞り込まれているが、何よりもうれしい点は、Word 2000、Excel 2000などを含むオフィスソフト「Microsoft Office 2000 Personal」も添付される点だろう。
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PCIスロットの反対側には、LANとPS/2ポートが備えられている。ただし、付属のキーボードおよびマウスはUSB接続である |
以上の構成で、実売価格は210,000円前後だが、この価格帯で15インチTFT液晶とOffice 2000を装備したモデルは少なく、CPU性能も高いので、コストパフォーマンスも優れている。ただ、メインメモリのうち8MBがビデオメモリとして使用されるため、ExcelやIE5.0を同時に使用する際のスワップがやや気になることがある。しかし、この点を考慮しても全体的なバランスは非常に優秀で、インターネットの利用やインテリア性を重視するビギナーから、省スペースで実用性の高いマシンを求めるビジネスユーザーまで満足のゆく1台に仕上がっている。
製品名:Aptiva X Series 2179-50J
標準価格:219,000円(IBM PC Direct価格)
メーカー:日本IBM株式会社
問い合わせ先:0120-04-1992
URL:http://www.ibm.co.jp/
CPU:Celeron 600MHz
チップセット:SiS630
メモリ(最大):64MB(512MB)
HDD:15GB(Ultra ATA/66)
FDD:3モード
CD-ROMドライブ:最大24倍速
ビデオチップ:SiS630内蔵
ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリのうち8MBを使用
ディスプレイ:15″TFT液晶ディスプレイ
最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
サウンドチップ:SiS630内蔵
モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
キーボード:109キー(USB接続)
拡張スロット(空き):Low Profile PCI×2(1)
インターフェース:USB×5、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1
マイク×1、IrDA×1、モデム(RJ-11)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
本体サイズ(W×D×H):413×261×414mm
重量:10kg
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□製品情報
http://www.ibm.co.jp/pc/aptiva/apxs04/apxs04a.html
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【4月26日】IBM、プラチナ・メタリックの液晶一体型「Aptiva X」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000426/ibm.htm
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp