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NEW PRODUCTS TESTREPORT


ジャストシステム
MegaVi DigitalVideo

低価格、多機能が魅力の
新DV編集ソフト

TEXT:天野 司 Tsukasa Amano



MegaVi DV。個々のウィンドウはそれぞれ独立していて自由に配置できる
 ジャストシステムの「MegaVi DigitalVideo」(通称MegaVi DV:メガビ・ディーブイ)は、DVキャプチャやビデオファイルの加工を行なう「ノンリニアビデオ編集ソフト」だ。ビデオ編集ソフトにも、価格帯や対象者によってさまざまな製品が存在するが、MegaVi DVの場合は9,800円という安価な価格設定でありながら、初心者はもちろんのこと、より上級のユーザーにとってもおもしろい機能が備わっている点が特徴だ。

 本製品のメインウィンドウは、それぞれが独立しており、画面の広さに応じて自由にリサイズしたり、配置を変更したりすることが可能だ。しかも、キャプチャ中には、必要のない編集ウィンドウが自動的に閉じるといった具合に、その時々の操作に応じてウィンドウの表示、非表示を切り換える機能もある。こうした機能により、800×600ドットのような狭い画面で利用する場合でも、操作性はなかなかよい。


メイン画面。右端のボタンでキャプチャモードと編集モードの切り換えができる
 動作モードには、キャプチャモードと編集モードという二つのモードが用意されている。キャプチャモードとはその名のとおり、ビデオ機器から実際に映像をキャプチャするモードだ。このモードでは、一般的な手動キャプチャができるのはもちろんのこと、IEEE1394経由でDV機器を接続した場合には、あらかじめキャプチャ位置を指定しておいて一括キャプチャできる「バッチキャプチャ」機能も利用できる。

 バッチキャプチャの位置指定は、ほかのビデオ編集ソフトのようにイン点(キャプチャ開始位置)・アウト点(キャプチャ終了位置)を別々のボタンで指定する方式ではなく、「PGM(プログラマブル)」ボタンを押すごとにイン点(録画開始位置)・アウト点(録画終了位置)の指定が順に指定される方法だ。ビデオ編集機器などでよく見られる方法を模したもので、そうした機器に慣れた人はもちろん、ビデオ編集は初めてという方でも違和感なく使えるだろう。


キャプチャ開始、終了位置を事前に登録し、自動キャプチャを行なうバッチキャプチャも可能
 キャプチャしたビデオクリップをつなぎ合わせたり加工したりするのが、編集モードだ。このモードでは、自動的にタイムライン方式による編集ウィンドウが表示される。初心者向けビデオ編集ソフトの場合、ストーリーボード方式と呼ばれる、各カットの一部を静止画でプレビュー表示して、これを参考に各種エフェクトを指定してゆくといった編集画面が多い。一方、タイムライン方式は時間の流れが巻物のように表わされ、この上に素材を配置し、同様の方法でエフェクトをかける範囲を指定するもので、編集の自由度は前者よりずっと高い。しかもMegaVi DVは複数のタイムラインを同時に持つことができるユニークなシステムを持つ。シーンごとにタイムラインを分け、シーン、カットというビデオ作品の階層構造に合わせた編集が可能になるのだ。


シーンごとにタイムラインを作成することも可能。エフェクトの適用やレンダリングなどがすべて自動で行なわれるなど、機能的にも優れている
 編集機能で注目したいのが、自動レンダリング機能だ。タイムライン上で二つのビデオクリップを重ねた場合、MegaVi DVは重なった部分に自動的にトランジションエフェクト(カット切り換え時の画像エフェクト)を適用する。しかも、エフェクトを指定した場合、レンダリング(エフェクト処理の計算)がバックグラウンドで自動的に行なわれるのである。ユーザーが意識しない間にレンダリングが終了しているので、プレビューなどもすぐに表示され、まるでリアルタイム編集システムのように見えてしまうのは、なかなかおもしろい点と言える。


 サウンド関連の機能としては、WAVファイルやMP3ファイルが素材として扱えるだけでなく、オーディオCDから直接デジタルデータを取り出す機能も持っている。また、QuickTimeムービー、MPEG1ファイルを直接編集/出力することや、Video CDを作成することも可能など、機能的にも充実している。これならば、初心者はもちろんのこと、中級者以上にとっても実用的なビデオ編集ソフトと言うことができそうだ。


  • 製品名:MegaVi DigitalVideo
  • 標準価格:9,800円
  • メーカー:株式会社ジャストシステム
  • 問い合わせ先:03-5412-3939
  • URL:http://www.justsystem.co.jp/
  • 対応OS:Windows 98SE/2000
  • 動作環境
     ・CPU(推奨):PentiumII 400MHz
     ・(PentiumIII 500MHz以上)
     ・メモリ(推奨):64MB(128MB以上)
     ・表示モード:800×600ドット/65,536色以上
     ・DV入力出力端子:OHCIに準拠したIEEE1394カード
     ・サウンド:上記のOSで使用可能なサウンドカード
     ・HDD:130MB以上

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □株式会社ジャストシステムのホームページ
    http://www.justsystem.co.jp/
    □製品情報
    http://www.justsystem.co.jp/software/dt/megavi/index.html
    □関連記事
    【5月30日】ジャストシステム、DV編集ソフト「MegaVi DV」を発売
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000530/just.htm


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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp