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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
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松下電器産業 Let's note CF-B5Rトラックボールを再び採用した
B5版Let's note
TEXT:一ヶ谷 兼乃 Kenno Ichigaya |
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根強い人気のトラックボールを採用した点が本機最大の特徴と言える。マウスに近い操作感のため、初心者にも扱いやすいポインティングデバイスだ |
近年のPC人気を引っ張っているものの一つが、ノートPCであることは間違いないが、そのノートPCのポインティングデバイスはキーボードとともに直接操作するものだけに、こだわりを持つユーザーも多い。現在、もっとも多く採用されているのがタッチパッドで、次点がスティック系ポインティングデバイス、さらに現行機種ではほとんど見ることがなくなったトラックボールが続く。
トラックボールはDECのDigital Hi Noteや、松下電器産業のLet's noteシリーズを中心に採用され、根強い人気を持っていたが、ボールの直径が本体の厚さに反映されることから、薄型ノートPCが登場してからはしばらくこれを採用したモデルが発売されていなかった。しかし、トラックボールを熱く支持するユーザーの声がメーカーを動かし、ついに実現したのがB5ファイルサイズのサブノートPC「Let's note CF-B5R」である。
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本体左側面(上)にはPCカードスロットとネットワーク関連の端子、本体背面(下)にはUSB、シリアルなどの汎用インターフェースが並ぶ |
CF-B5Rは、シルバーとブルーの2色がベースのボディで、本体を開くと本機の大きな特徴とも言えるトラックボールを強調した個性的なデザインになっている。採用されている直径16mmのトラックボールは光学式で反応がよい上に、ホコリやヨゴレなどにも強い。操作性もきわめて良好だ。10.4インチ、XGA対応のポリシリコン液晶パネルは、視認性もよく、表示速度も速い。キーボードの上部には左右にスピーカーが一つずつ配置されステレオサウンドの再生ができる。CPUのモバイルPentium III 600MHzはSpeedStepに対応し、バッテリ駆動時間の向上に貢献しているほか、画像やデータベース処理もなんなくこなし、サブノートPCとして十分なパワーを持つ。搭載メモリは標準で64MB、最大192MBまで拡張することが可能だ。トラックボールを採用したがために、厚さは33.4mmとやや厚めになってはいるが、その半面内部空間に余裕ができ、20GBという大容量HDDや大容量バッテリを搭載することが可能になり、総じて性能は高くなっている。
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プライベートキーと専用コネクタ。キーは約3gと軽量で常時携帯しても気にならない |
また、本体前面にはプライベートキーと呼ばれる鍵が入るコネクタが存在する。これにより、電源投入時やスクリーンセーバーからデスクトップ画面への復旧時の制御、暗号化されたファイルへのアクセス時などには、キーがなければ処理を行なえないように設定することが可能となる。家庭やオフィスなどで、プライベートなデータを効果的に保護することができるだろう。
サブノートPCながら、シリアルポート、パラレルポート、外部ディスプレイ、二つのUSBポート、赤外線ポート、二つのPCカードスロットといった充実した拡張性を備えている。これに加え、モデムや10BASE-T/100BASE-TX対応ネットワーク、ワイヤレスコムポートといったネットワークインターフェースも内蔵している。ワイヤレスコムポートにはオプションの専用ケーブルを利用することで、携帯電話やPHSを接続し、通信を行なうことが可能だ。モバイル環境で利用する機会の多いサブノートPCユーザーには、重宝される機能と言える。
このように、各種コネクタが豊富に装備されているが、プライベートキーやマイク、ヘッドホン端子以外は、すべてカバーが装着される。また、PCカードスロットにいたっては、1スロットずつのシャッターが装備されている。最近の安価なサブノートPCではコネクタがむき出しのものが増えてきているが、CF-B5Rの細かな部分の作り込みは評価に値するものだ。これならば、頻繁に携帯するビジネス環境などでのハードな使用にも耐えられることだろう。なにかとトラックボールが注目されがちな本機だが、全体的な仕上がりもよく、ノートPCにこだわりのあるユーザーも満足できるサブノートPCである。
製品名:Let's note CF-B5R
標準価格:オープン(実売270,000円前後)
メーカー:松下電器産業株式会社
問い合わせ先:0120-87-3029
URL:http://www.pc.panasonic.co.jp/pc/
CPU:モバイルPentium III 600MHz
チップセット:Intel 440MX
メモリ(最大):64MB(192MB)
HDD:20GB
FDD:3モード
ビデオチップ:NeoMagic NM2200
ビデオメモリ:2.5MB
ディスプレイ:10.4″ポリシリコンTFTカラー液晶
最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
サウンドチップ:AC '97 CODEC
キーボード:86キー
インターフェース:USB×2、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)
×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、IrDA×1、ワイヤレスコムポート(PDC、PHS対応)×1、プライベートキー専用コネクタ×1、PCMCIA Type II×2(Type III×1、CardBus対応)
電源:リチウムイオンバッテリまたはACアダプタ
バッテリ駆動時間:約3.5時間
本体サイズ(W×D×H):255×206×33.4mm
重量:約1.53kg
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□松下電器産業のホームページ
http://www.pc.panasonic.co.jp/pc/
□製品情報
http://www.pc.panasonic.co.jp/pc/products/b5/index.html
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【5月23日】松下、復活トラックボールのB5ノートなど「Let's Note」シリーズ一新
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000523/pana.htm
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp