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富士通 FMV-BIBLO NJ4/45C デザインとソフトウェア構成が光る
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto |
ディスプレイ下部には、スピーカーが搭載されているほか、キーボードの上部には、バッテリ残量などを示す液晶パネルが存在する |
本機を見てまず目立つのは、その本体デザインだろう。「バイオレットブルー」と名付けられたディスプレイ周辺および背面部の配色と、本体部のシルバーによって作り出されるツートンカラーは、少し控えめながらもしっかりと自己主張している。色に関しては個人の好みが分かれるが、よい意味でPCらしくなく、おもしろいカラーリングと言えるだろう。また、サイズをあえて大柄にし、余裕ある筐体設計にすることで、キータッチやパームレストの広さといった操作性にも配慮されている。
基本スペックは、最近のノートPCとしての十分なレベルを確保していると言える。CPUはモバイルCeleron 450MHz、チップセットはIntelの440MXというベーシックな構成で、HDDは10GBのものが搭載されている。メインメモリに関しても64MBをオンボードで搭載し、144ピンSO-DIMMソケットにより192MBまでの拡張が可能だ。
本機はシリアル、パラレルポートを持たない点も一つの特徴だ。ハードウェアの拡張は基本的にUSBポート、またはPCカードスロットを使用する |
対してサウンド機能に関しては、このクラスのノートPCとしては非常に充実している。サウンドコントローラこそ440MX内蔵の機能を使用しているが、ノートPCには少ない光デジタル音声出力端子を備えている。ヘッドホン端子の品質も高く、パーソナルな使い方において不満は感じられない。また、音楽CDのワンタッチ再生ボタンが搭載されているほか、MP3など、さまざまな音楽ファイルの再生に対応したプレイヤーソフト「Jet-Audio Player」がプリインストールされており、サウンドまわりは隙のない印象を受ける。
音楽CDのコントロールボタンは、左側に位置する切り換えスイッチにより、ほかの機能のショートカットキーとしても使用できる |
プリインストールされているソフトウェアも非常に特徴的だ。本機には、前述したJet-Audio Playerのほかにも、サンリオキャラクターがデスクトップを飾る「サンリオアクセサリー」辞書ソフト「学研統合電子辞書」など、エンターテイメントやツール系を中心とした50タイトルを超えるソフトがプリインストールされている。しかし、表計算やワープロといった、いわゆるオフィスアプリケーションはまったくインストールされていない。モバイル向けの小型ノートはともかくとして、大手メーカー製のA4ファイルサイズモデルでこうした仕様になっている製品は少ない。おそらく、「インターネット端末的な使用を想定した、家庭用PCには、ビジネスソフトをバンドルするよりも価格を下げるべき」という主張なのではなかろうか。
一見したところ、いかにも富士通らしい印象を受ける本機だが、その実は、さりげないところにキラリと光るものを持った小粋な製品と言える。低価格なこともあり、カジュアルな使用に向けてお勧めしたい製品だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□富士通のホームページ
http://www.fujitsu.co.jp/
□製品情報
http://www.fmworld.net/product/hard/bi/nj_series.html
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