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NEW PRODUCTS TESTREPORT


日本IBM
ThinkPad i Series 1200 1161-234

14万円を切った
ThinkPadの新モデル

TEXT:一ヶ谷兼乃 Kenno Ichigaya



キーボードは89キー。キータッチが良好であるだけでなく、パームレストのデザインもユーザーを疲れさせにくいものとなっている
 今年5月、日本IBMのノートPC「ThinkPad」の個人向けのラインナップが「i Series」に統一されたが、このシリーズのA4タイプ i Series 1200に、優れたコストパフォーマンスを持ったモデルが追加になった。それがThinkPad i Series 1200 1161-234(以下1161-234)だ。

 そのハードウェア構成は、CPUにモバイルCeleron 500MHz、メモリ64MB、24倍速内蔵CD-ROMドライブ、CardBus対応PCカードスロット、二つのUSBポートなど、ノートPCとしての標準的なスペックを守るものとなっている。その半面、使用される機会が少なかったIrDAポートを廃止したり、ディスプレイにHPA液晶を採用したりすることでコストを抑え、実売14万円以下という低価格を実現した。

 採用されている13.0インチのHPA液晶パネルは、最大解像度800×600ドット、1,677万色での表示が可能だ。最近のノートPCで採用されているTFT型液晶に比べて、鮮やかさなどは若干劣るものの、実際の使用には十分な明るさや鮮やかさが確保されている。また、液晶画面の下には、左右に一つずつスピーカーが内蔵され、ステレオサウンドに対応している。


本体右側面にはCD-ROMドライブ
左側面にはUSBポートとPCカードスロットが搭載されている
背面部にはPS/2、パラレル、外部ディスプレイ、モデムなどの各端子が配置されているが、シリアルポートは持たない。しかしUSBポートの存在を考えれば、あまり問題にならないだろう
 もちろん、定評のあるThinkPadシリーズのキーボードは本機でも健在だ。キートップの広さはデスクトップ並みのサイズで、ストロークも十分に確保され操作性は高い。さらに、四つのEZボタンを使えばワンタッチでメーラーを起動したり、検索サイトへアクセスしたりすることが可能となる。ポインティングデバイスはIBM独自のトラックポイントを採用し、ホームポジションからほとんど手を動かすことなく、カーソルを操作できる。

 内蔵HDDの容量は6GBと必要十分なものだが、FDDは内蔵されておらず、オプションのUSB接続FDD用意する必要がある。LAN機能は持たないが、インターネットアクセスに必要となるモデムはV.90対応のものが内蔵されている。

 1161-234は、個人がターゲットになっているi Seriesに属するために、付属ソフトの数も多い。ワープロ・表計算ができる「ロータススーパーオフィス」をはじめ、ホームページ作成ツール「ホームページビルダー2001」、はがき作成「筆ぐるめ」、といった定番ソフトや、インターネットを使った麻雀ゲームや将棋ソフトまで幅広いジャンルが用意されている。

 ただ、これらの付属ソフトがすべてプリインストールされているわけではなく、実際にインストールされているソフトウェアはIE5.0やOutlook Express、音声入力システムのViaVoice関連だけであり、このほかのアプリケーションはHDDの中や付属のCD-ROMからインストール作業を行なう必要がある。ただ、必要のないアプリケーションをアンインストールする手間を考えると、普段使用するアプリケーションを決めているような中級者以上にはありがたい仕様である。


 筆者が試用してみたところでは、500MHz動作のモバイルCeleronと64MBのメモリによってWindowsの操作、インターネットアクセス、付属アプリケーションの動作などは快適に行なうことができた。もちろん、E-mail、オンライントレードといった使い方であれば、十分にこなすことができる。画面の解像度が800×600ドットであることが気にならないのであれば、十分な基本性能を持つ、非常にコストパフォーマンスのよいノートPCと言えよう。

 ThinkPadというブランドイメージ、必要十分なハードウェア仕様、豊富な付属ソフトといったPCの購入予定者が検討する重要なポイントをクリアしつつも、実売14万円以下の低価格を実現した1161-234は、これからPCに触れるという初心者から、2台目用のPCの買い増しを考えているユーザーにとって、魅力的な選択肢の一つになるであろう。


  • 製品名:ThinkPad i Series 1200 1161-234
  • 標準価格:139,800円(IBM PC Direct価格)
  • メーカー:日本IBM株式会社
  • 問い合わせ先:0120-04-1992
  • URL:http://www.jp.ibm.com/
  • CPU:モバイルCeleron 500MHz
  • チップセット:Intel 440MX
  • メモリ(最大):64MB(192MB)
  • HDD:6GB
  • CD-ROMドライブ:最大24倍速
  • ビデオチップ:SMI LynxEM4+
  • ビデオメモリ:4MB
  • ディスプレイ:13.0″HPA液晶
  • 最大解像度:800×600ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:AC '97 CODEC
  • モデム:56kbps(V.90対応)
  • キーボード:89キー
  • インターフェース:USB×2、キーボード/マウス(PS/2)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1,ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、PCMCIA Type II/III(CardBus、ZVポート対応)×1
  • 電源:ニッケル水素バッテリまたはAC電源
  • バッテリ駆動時間:2.4時間
  • 本体サイズ(W×D×H):313×252×36mm
  • 重量:2.81kg

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □日本IBMのホームページ
    http://www.jp.ibm.com/
    □製品情報
    http://www.ibm.co.jp/pc/thinkpad/tpi12006/tpi12006a.html
    □関連記事
    【6月12日】IBM、14万円を切るThinkPad iシリーズ
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000612/ibm.htm


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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp