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富士通 FMV-DESKPOWER K4/66 IEEE1394端子を装備した 液晶ディスプレイ一体型モデル TEXT：天野 司　Tsukasa Amano

本体右側面にはDVD-ROMドライブが装備されているほか、左側面には新たにIEEE1394端子が搭載された

　富士通のFMV-DESKPOWER K4/66は、従来機K3/50の後継となる15インチTFT液晶ディスプレイ一体型の省スペースPCだ。ちょっと見ただけでは単なる液晶ディスプレイにしか見えないほどコンパクトな筐体だが、一般的なデスクトップマシンに勝るとも劣らない多彩なマルチメディア機能を搭載している点が特徴となる。

　まず本体に装備された各種ドライブ、インターフェース類を見てみよう。液晶パネル部左側面には従来機と同様に3.5インチFDDとPCカードスロットが内蔵されているだけでなく、新たに4ピンのIEEE1394端子が搭載され、DV編集などが可能となった。また右側面にはスロットインタイプの6倍速DVD-ROMドライブが用意されており、DVD-Videoを楽しむことも可能だ。さらに台座部は、背面に四つのUSB端子とLINE IN、LINE OUT端子、モデム端子、右側面にはヘッドホンとS/P DIF光デジタル出力の兼用端子、およびマイク端子が配置されている。従来モデルに装備されていたシリアル、パラレルポートは廃止されたものの、これだけのインターフェースが揃っていれば非常に多くの機器が利用可能だ。

背面にはUSBポートが四つ備えられており、拡張性は高い。できればこのうちの一つでも前面に欲しかったところ

　内部デバイスに目を向けると、CPUはPentium III 667MHz、チップセットはi810Eで、この両者を結ぶFSBのクロックは133MHzとなっている。メモリには液晶ディスプレイ裏側上方の小さなフタを外すだけで容易にアクセスでき、2本のスロットのうち一つに64MBのPC100対応DIMMが装着されている。HDDの容量は従来機から約10GBも増加して、30GBとなった。これによりDV編集時には余裕を持って大規模な作業、保存領域を確保できる。また　これだけのパーツを凝縮してあると、さすがにファンレスでの動作は難しかったようで、本体上面には小型の冷却ファンが装備されている。さらに、AC電源がファンレスタイプのアダプタとなっているにもかかわらず、HDDの回転音をはじめとした各種動作音はやや大きめで、気になるところだ。

　DVD-Videoの再生はプリインストールされるWinDVD 2000によるソフトウェア再生だ。本機に搭載されたTFT液晶パネルは、チップセットとデジタル接続されているため表示も鮮明だが、全画面再生時などに映像が暗く感じられる場合は、ブライトネスつまみで明るめに設定してやることで避けることもできる。CPU性能には余裕があるためフレーム落ちを感じる場面もほとんどなく、高品質な再生を楽しめる。また、WinDVD 2000はS/P DIFからのDolby Digital 5.1ch出力にも対応しているのだが、i810Eに内蔵されたオーディオコントローラがこれに対応しておらず、S/P DIF、アナログともに2チャンネルまでの出力となる。

MotionDV Studioの画面。DV編集用バンドルソフトとしてはあまり見かけないものだが、使い方は分かりやすく高機能だ

　また、IEEE1394端子にDVデッキ、DVカメラを接続することで、ノンリニア編集も可能になっている。編集ソフトは、富士通のほかのモデルでも採用されているPanasonicのMotionDV Studioだ。このソフトは分かりやすいインターフェースを持っているため、使い勝手のよいことが最大のメリットだろう。また、PCカードなどを利用してIEEE1394端子を増設し、2台のDV機器を接続すれば、PCのHDDを経由することなく編集できるリニア編集機能も利用できる。とはいえ、HDD容量には余裕があるので、ノンリニア編集だけでも十分に楽しめるはずだ。

　そのほか、「広辞苑」や「現代用語の基礎知識」といった各種辞書が含まれる辞書ソフト「スーパー統合辞書2000」や、ハガキ作成ソフト「筆ぐるめVer.7.0」、MP3エンコードソフト「RealJukebox」をはじめとして数多くのアプリケーションがバンドルされている点も魅力となるだろう。

　コンパクトなボディとマルチメディア機能に加え、豊富なソフトを備えたK4/66は、省スペース性を重視したい方や、DV編集やDVD再生を気軽に楽しみたい方にオススメの1台と言える。