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NEW PRODUCTS TESTREPORT


日立製作所
FLORA Prius 300P 3004ST45P

DVD-ROMドライブを搭載した
低価格液晶ディスプレイ一体機

TEXT:水島伸行 Nobuyuki Mizushima



本機の左側面。Low Profile PCIスロットのブラケットが中央部に位置するほか、フタの内側にはCRT端子やネットワーク端子、二つのUSBポートが存在する
 日立から、液晶ディスプレイ一体型の新モデル「FLORA Prius 300P」シリーズ(以下、300P)が発売された。従来、同社のラインナップには310Nという普及型モデルが存在していたが、この300Pは、310Nから一層の低価格化を図っている点が特徴だ。310Nでは最下位のモデルで実売240,000円前後であったが、300Pでは今回紹介するOffice 2000 Personal搭載モデル「3004ST45P」が210,000円前後、ジャストホーム搭載モデルの「3004ST45PJ」が190,000円前後となっている。CPUこそ310NのCeleron 500MHzからK6-2+ 450MHzへと変わっているが、コストパフォーマンスは格段に向上したと言えよう。

 300Pの筐体は、これまでのPriusシリーズとは異なり、メタリックなシルバーカラーを基調とした新しいデザインとなっている。従来のPriusはどちらかと言えば直線的でスマートなイメージであったが、300Pは曲線を多用することで柔らかな雰囲気が前面に打ち出されており、女性にも受け入れられやすいだろう。サイズは幅394mm、奥行き210mm、高さ405mmというコンパクトさで、上部に用意された折りたたみ式の取っ手によって、持ち運びも容易に行なえる。

 300Pを含む、この夏のPriusシリーズの特徴はディスプレイに日立独自の「スーパーピュアカラー液晶」を採用している点だ。これはコントラスト比200:1、視野角160゜の性能を持つ液晶パネルで、300Pでは解像度1,024×768ドットの表示に対応した14.1インチタイプが採用されている。ビデオ機能を持つチップセットのSiS540にデジタル接続されたディスプレイの表示は、ノイズの非常に少ない鮮明なもので、小さな文字までクリアに再現される。


両サイドのスピーカーに挟まれる形でDVD-ROMドライブが配置される
折りたたみ式の取っ手により、持ち運びも比較的手軽に行なえる
 また、価格を重視したマシンでありながらDVD-ROMドライブを搭載している点も本機の特徴と言える。その性能も、DVD-ROM読み出し最大6倍速、CD-ROM読み出し最大24倍速と十分なもので、プリインストールされるWinDVD 2000を使ってDVD-Videoを再生することも可能だ。再生品質の高さでは一、二を争うこのソフトと、本機のディスプレイの相性は良好で、卓上でDVDタイトルを楽しむには十分なスペックと言える。

 メモリは310Nと同様で、容量64MBのSDRAMだ。複数のアプリケーションを同時に動作させようとすると、このメモリ容量では少々つらいがExcelやWord 、IEなどを単体で動作させる際には問題ない。また、SiS540はMPEG2の再生支援機能をサポートしているため、DVD再生時のCPU負荷も軽減される。HDDの容量は10.2GBで、本機の価格を考えるとやや物足りない気もするが、インターネットの利用やDVDの鑑賞を中心とした使用であれば問題ないだろう。なお、FDDは備えられておらず、ほかのユーザーとのデータのやり取りは基本的にネットワーク経由で行なうか、外付けのリムーバブルデバイスを増設して利用することになる。

 コンパクトな筐体ながら、Low Profile PCIスロットの採用によって拡張性が確保されている点も評価したい。従来機のように通常タイプのPCIではないのだが、2本から3本へと増加しており、このうち1本にモデムカードが装着される。空きスロットにはSCSIカードや周辺機器メーカーから登場が予定されているIEEE1394カード、ビデオカードなどを取り付けることが可能だ。なお、本機はシリアル、パラレルポートを持たないが、USBコネクタを四つ備えるため、プリンタやMP3プレイヤーなどはこちらに接続することになる。


プリインストールされるInterVideoのWinDVD 2000。従来バージョンからインターレース処理や操作性といった面での機能強化が図られた最新版だ
 今後、低価格液晶一体機がコンシューマPC市場のトレンドの一つとなることは確かだ。300Pはこの分野で求められる、コンパクトで多機能という条件を満たしているだけでなく、拡張性をも備えている点が大きな魅力だ。加えて、日常での使い勝手を左右する液晶の表示品質も優れている。独特のデザインは好みの分かれるところだが、価格と機能を重視する際には注目したい製品だ。

  • 製品名:FLORA Prius 300P 3004ST45P
  • 標準価格:オープン(日立ダイレクト価格209,800円)
  • メーカー:株式会社日立製作所
  • 問い合わせ先:0120-8855-96
  • URL:http://floracity.hitachi.co.jp/
  • CPU:AMD-K6-2+ 450MHz
  • チップセット:SiS540
  • メモリ(最大):64MB(256MB)
  • HDD:10.2GB
  • DVD-ROMドライブ:最大6倍速(CD-ROM最大24倍速)
  • ビデオチップ:SiS540内蔵
  • ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を使用(標準8MB)
  • ディスプレイ:14.1″スーパーピュアカラー液晶
  • 最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:SiS540内蔵
  • モデム機能:56kbps(V.90、K56flex対応)
  • キーボード:109キー(USB接続)
  • 拡張スロット(空き):Low Profile PCI×3(2)
  • インターフェース:USB×4、CRT(Dsub 15ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
  • 本体サイズ(W×D×H):394×210×405mm
  • 重量:約8.5kg

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □日立製作所のホームページ
    http://www.hitachi.co.jp/
    □製品情報
    http://floracity.hitachi.co.jp/go/prius/pc/2000may/top300.html
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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp