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NEC VALUESTAR E VE53H/35B iモードとの連係機能も装備した 新VALUESTAR TEXT：清水理史　Masashi Shimizu

本機はPS/2マウス／キーボード端子を持たないため、本体背面はすっきりしている	スリムな筐体ながら、本体前面にはUSB端子とPCカードスロットを搭載する

　NECの省スペースデスクトップPC「VALUESTAR」シリーズのラインナップが一新された。その中から今回紹介するのは、15インチCRTディスプレイと各種アプリケーションが付属して、実売110,000円前後という低価格が魅力の「VALUESTAR E VE53H/35B」である。

　本機は、スリムケースを採用したスタンダードモデル「 VALUESTAR E」シリーズのエントリークラスに位置し、高い評価を得ていた従来機VALUESTAR NXのデザインをほぼそのまま継承している。ただしカラーはホワイトのみで、人気の高かったシルバー系は今回のモデルでは採用されていない。また、この筐体は機能的にも優れており、フロント部にUSB端子を持つだけでなく、開閉式のフタの中に2組のPCカードスロットを備えているので、MP3プレイヤーやデジカメなどとの連係をスムーズに行なうことが可能だ。

　VE53H/35Bに搭載されているCPUはCeleron 533MHzで、チップセットにはグラフィックス機能を内蔵したIntel 810Eを採用している。また、標準で64MBのメモリと15GBのHDDを搭載し、最大40倍速のCD-ROMドライブが装備される。スペック面はこの価格帯において標準的なものと言えるが、これからPCを使い始めようとしている初心者には十分なレベルと言えるだろう。

本体内には2本のPCIスロットを備えるが、出荷状態では1本がモデムカードに占有される

　当然モデム機能も内蔵しているが、キーボード上にはワンタッチでインターネットに接続したり、メーラーを呼び出したりするショートカットキー、メール着信を知らせるランプなどが配置されている。こういった機能は、インターネットの使用を中心に考えているユーザーにとって非常に便利なものだろう。また、スリムな筐体でありながら、2本のPCIスロットが用意されているため、機能の拡張も比較的容易に行なえる仕様となっている。

　VE53H/35Bはソフトウェア面においてもいくつかの特徴を持っている。とくに注目したいのは携帯電話との連係で、デジタルカメラで撮影した画像や、お気に入りのキャラクターの画像などをiモード端末用に変換することや、携帯電話の着信音、メモリを編集することが可能だ。画像の変換は「ThumbsStudio Ver2.0/i」と呼ばれるソフトによって行なう。このソフトは、「iモード画像」機能を選ぶだけで、iモード端末に適したサイズ、および階調に変換してくれるもので、変換できる階調は、モノクロ2階調、4階調、および256色のカラーに対応する。変換後の画像は、これをホームページなどにアップロードし、iモード端末でダウンロードするという手順を取る。

ThumbsStudio Ver2.0/iでは簡単な手順で、iモード端末用の画像を作成できる。ただ、バンドルされてはいるが、インストール作業はユーザーが行なう必要がある

　また、オプションの携帯電話接続ケーブルPC-VS-K10（標準価格7,800円）などを使用すれば、「携快電話2001N」によって着信音、メモリ編集を行なうこともできる。このソフトでは、PCで作成した文章を携帯電話のメールに送信できたり、逆に携帯電話に送られてきたメールをPC上に保存したりすることができる。また、電話番号の追加、削除、並べ換え、短縮番号の設定が可能なほか、CSV形式のファイルを使ってOutlook Expressに登録した電話番号を取り込むことも可能だ。

　そのほかのバンドルソフトは、ワープロやハガキ作成、画像管理などの機能が統合された「ジャストホーム」、定番キャラクターメーラー「PostPet」、家計簿ソフト「てきぱき家計簿マム2Plus」、インターネット経由で楽曲をダウンロード可能なカラオケソフト「インターネットカラオケキング」などをはじめとして実用アプリケーションからゲームまで、多数用意されている。

　VE53H/35Bは単に低価格なだけでなく、デザイン性に優れ、実用アプリケーションも搭載されている点で付加価値の高いPCと言える。初心者はもちろん、OSがインストールされただけのPCではちょっと物足りないという方にも最適だろう。