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★ ゲームソフトインプレッション ★

HONDA、YAMAHAの実在するバイクで荒野を突っ走れ
Motocross Madness 2


スクリーンショット

  • ジャンル:スポーツ
  • 発売元:マイクロソフト株式会社(開発元:Rainbow Studios
  • 価格:オープンプライス(推定小売価格:6,800円)
  • 対応OS:Windows 95/98/2000
  • 発売日:7月14日発売予定
 
【ゲームの内容】
     エンデューロ、スタント、スーパークロスなど6種類のレースイベント、70以上のレースが楽しめるモトクロスレースゲーム。HONDA、YAMAHA、KTMの実在する11台のバイクを含む21台のバイクを収録。スーパークロス イースト 125cc クラスの優勝者、Stephane Roncada(ステファン・ロンカダ)がコースデザインに協力している。
【動作環境】
  • CPU:Pentium II 300MHz以上
  • メモリ:64MB以上
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上
  • ビデオカード:メモリ8MB以上搭載した3Dグラフィックアクセラレータ

マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
「Motocross Madness 2」の製品情報
http://www.microsoft.com/japan/games/motocross2/default.htm
Rainbow Studiosのホームページ(英文)
http://www.rainbowstudios.com/
「Motocross Madness 2」英語版デモのダウンロードページ(和文)
http://www.microsoft.com/japan/games/motocross2/trial.htm



 マイクロソフトのレースゲームはジャンルのチョイスがシブい。一般のサーキットを走るレースではなく、モンスタートラックでオフロードを蹂躙する「MONSTERTRACK MADNESS」や市街地を舞台にした「MIDTOWN MADNESS」、それに、オフロードバイクを題材にした「MOTOCROSS MADNESS」と、他社とは明らかに一線を画したラインナップで、しかもそれがシリーズ化されているのだから恐れ入ってしまう。

 「MTOCROSS MADNESS2」は、そんな「MADNESS」シリーズの最新作。山あり谷ありの、自然が生み出した厳しいコースを疾走するバハレースから、空中でのアクロバティックな姿勢を競うスタント、屋内に人工的に作られたコースでのレースとなるスーパークロスなどなど。モトクロスといってもさまざまな競技があるが、それらをこの1本に収録した贅沢な作りのソフトだ。

遠景まで描き込まれたグラフィックは秀逸 ライバルの数も3~10人までの範囲で変更できる。多い方がレースはハデになるけれど、処理は重くなるしレースも厳しくなるので、マシン環境や技量にあわせて変更しよう この大ジャンプがモトクロスの醍醐味。こんなに飛ぶかっていうくらいよく飛ぶ。調子に乗りすぎて着地に失敗しないように


● 荒野や雪山など、変化に富んだコースが満載

トラックを飛び越す大ジャンプ……ならよかったんだけど、思いっきり跳ねられました。宙高く舞い上がっているバイクがポイント
 ゲームのレースモードは大別して5つ。先述のバハ、スタント、スーパークロスと、車や列車などの人工的な障害もコースに組み込んだエンデューロ、それに、屋外に造られたコースを走る屋外版スーパークロスのナショナルだ。

 バハとエンデューロは特に決められたコースはなく、マップ内に設置されたチェックポイント(ゲート)を順に通ることで周回レースを行なう。次のチェックポイントの方向は画面内の矢印に示されるが、必ずしも矢印に向かって最短距離を走ればいいというものではない。マップ上に配置された立木などには当たり判定があるので、うっかり林に進入してしまうと脱出に手間取ってしまうからだ。また、最短距離だと思っていたら大きな崖にあたってしまうこともある。多少迂回しても平坦なコースをたどった方が速い場合も多いので、繰り返し走って自分なりのコースを見つけだすことが求められるだろう。
 また、エンデューロでは突然対向車が現れたり、列車が線路をふさいだりというアクシデントも少なくない。大ジャンプをカッコよく決めたのに、着地寸前に列車にはねられた、なんていうマンガみたいな展開もあるし、バハに比べると高低差の激しいコースが多いので難易度は高いといえるだろう。まずはバハで操作の感覚や着地のタイミングなどを把握し、それからエンデューロに挑戦することをおすすめしたい。ちなみに、初心者向けには立木などの当たり判定をカットすることもできるが、自然の障害の中を走るというモトクロスの性格を考えると、できればおすすめしたくない。バハとエンデューロ、それぞれに15のレース(マップ)が用意されている。

スタントモードでは規定時間内に決めたスタントの総合得点で順位を競う。マップによって難易度が大きく変化するのが特徴だ
 スタントには、コースもチェックポイントもない。プレーヤーはマップの中を自由に走り回り、規定時間内に様々なスタントを決めていく。ジョイスティック(またはキーボード)の8方向と2つのボタンの組み合わせで16種類のスタントが選べ、滞空時間などに応じて得点が加算されていくシステムだ。着地に失敗して転倒すると得点は得られないので、どこでジャンプするかも重要な選択になる。スタントには10種類のマップが用意され、それぞれに起伏や気象などのコンディションが異なる。雪山で、スキーのジャンプ台を使っての大ジャンプ、なんていうことも可能なので、マップの隅々まで走破して、自分なりのポイントを探してみるのも楽しいのではないだろうか。
 スタントのマップの中で個人的に大ヒットなのが“ROSWELL”というマップだ。そう、あのロズウェルだ。普通に走っている分にはただの荒野でしかないが、怪しい飛行物体が突然目の前を横切ったり、建物の上に浮いていたりするのだ。レースそっちのけでUFO追跡に専念する、なんていう遊び方もアリだろう。オフロードバイクでUFOを追う……どこかのドラマかドキュメンタリー番組のような1シーンをそのまま再現できるに違いない。一度は体験してほしいマップだ。

 ナショナルレースとスーパークロスは、オフロードサーキットを周回するレース。コースから外れた場合、規定時間内に復帰しなければならない。自然を相手にするバハやエンデューロと違い、人工的に作られたコースを走るため、両者の性格は大きく異なっているが、コースの全貌を見渡すことができ、レースが一望できるという点、また集客力の面では、特にスーパークロスはモトクロスの花形といっても差し支えないかもしれない。大ジャンプ中にスタントを決めると客席から歓声が上がり、カメラのストロボが一斉にたかれるなど、スーパークロスならではの醍醐味も多い。ただ、コース幅が狭くテクニカルなコースが多いので、初心者がいきなり挑戦するには敷居が高い。他のレースモードで腕を磨いた上で挑戦する最終到達点といってもいいだろう。

旧式の輸送機が放置されたままになっている滑走路。目指すチェックポイントは、奥に見える建物の裏庭に隠されるように設置されていた ジャンプ中のスタントは方向キーとボタンの簡単な組み合わせ。スタントモード以外では無意味だけど、パフォーマンスとして決められるようになりたいく ついに撮影された謎の円盤。この後、音もなく跳び去ってしまい、必死の捜索にも関わらず我々の前に姿を現すことはなかった


● プロサーキットでトータルポイントでの優勝を目指せ!

プロサーキットモード、最初はこんな恰好でスタートする。いかにも貧乏くさいけど、ライバルもみんな似たような恰好なのでおあいこだ
 もう1つのプレイモード、それがプロサーキットだ。プレーヤーは、サンデードライバーならぬサンデーライダーからスタートし、各種のレースを転戦してキャリアを積んでいく。最初はジーンズにラフなシャツ、バイクも簡素なオフローダーから始まるが、レースで上位入賞を果たして賞金を得れば、レーシングスーツやバイクを新調していくことができる。また、レース結果はライダーのポイントとして蓄積され、上位にランキングされるようになればスポンサーが資金提供を名乗り出てくれるようになる。
 ただし、このプレイモード独自の要素として、転倒するごとにバイクの修理費やライダーの治療費が加算されていくので、いくらレース結果がよくても転倒ばかりしていると赤字に転落してしまう可能性があるので注意が必要だ。バイクの破損やライダーの負傷によるリタイアやバイクトラブルという概念はないので、レース自体は最後まで走りきることができる。ただし、資金が底をつけばその時点でゲームオーバーになってしまうので、しっかりと技術を磨いて転倒や激突は極力避けられるようになってから挑戦するようにしたい。もちろん、このモードでの最終目標はスーパークロスへの出場と、トータルポイントでの優勝ということになる。

 プロサーキットでは障害物への当たり判定をなくすことはできないので、転倒や衝突などのアクシデントは(設定の変更によって)避けて通ることはできない。さらに、シングルレースでは可能な周回数の変更もできない。このため自然と、1レースあたりにかかる時間も固定されてくることとなる。プレーヤーの集中力の持続が求められるし、あらゆる面で難易度は高いといえるだろう。最初に、自分の分身となるライダーを登録する時点で難易度変更は可能だが、これはライバルのスキルに影響しているようで、プレーヤーの着地時や障害物への接触時の転倒判定には無関係と思われる。、イージーモードでもラップタイムが短くなることはない。歯ごたえはあるが、いきなり挑戦するには厳しいプレイモードだ。

ナショナルレースやスーパークロスでは、画面の右上にコースが表示される。現在地を見失うとレースにならなくなるので注意が必要だ 複雑な地形の連なるスーパークロス。ただジャンプすればいいというものではない。アクセルワークを駆使して優勝を目指そう プロサーキットではコースも選ぶことはできないので、事前情報をよく把握してからレースに臨もう。練習走行もできるので、あらかじめルートを確認しておくといいだろう


● 控えめの演出だがゲームの出来は○

スーツの色やバイクの種類、ナンバープレートなどを変更できる。よりこだわりたい方はギア比などのセッティングも変更可能だ
 レースは、すべて記録しておくことができる。記録しておけばいつでも気に入ったレースを再現することができ、さまざまな視点から鑑賞することが可能になる。たとえば、自分以外のライダーに視点をおくようにすれば、そのライダーがどんなコース取りをするか確認できるので、負けてしまったレースでも、記録して次回への教訓にすることができるなど、利用目的は多い。もちろん、自分が優勝したレースを記録して、余韻に浸るのもいいだろう。スタントやスーパークロスなどジャンプを多用するハデなレースは、あとで見返しても十分に楽しめるはずだ。
 ただ、カメラポジションが固定されていて、ズームや回転ができないのは気になるところ。全体的にロング気味に設定されているので、今ひとつ迫力に欠けるという印象を受けた。カメラアングルを自由に変更でき、シーンごとに自由に編集してビデオライブラリとして保存……そんな機能があれば、よりいっそう楽しめたと思うのだが。

 全体的に、良くできたゲームだと思う。マップ上には枯れ草や低木などを含め数多くのオブジェクトが配置され、コースデザインにはスーパークロス イースト 125cc クラスのプロライダー、Stephane Roncada氏(ステファン・ロンカダ)が協力、YAMAHAやHONDAなどのバイクが実名で登場、インターネットやLANを介しての対戦もOKと、重要なポイントは確実に押さえてある。
 ただ、全体的に演出不足というか、物足りなさを感じるのも事実。レースに優勝しても、ゴールに入った瞬間、画面の下に「おめでとう、優勝です」と表示されるだけで、ウィニングランどころかゴールを駆け抜けることすらできないのでは、あまりに味気ない。ゲームとして楽しみたい方すべてにお勧め、というわけには、残念ながらいかないようだ。もちろん純粋にモトクロスのみを楽しみたい方であれば、文句なくお勧めできるタイトルである。

The KTM Trademarks are used by Microsoft with the express withen permission of KTM Sport Motorcycles USA of the US. The names, shapes, and design in this game are licensed by HONDA MOTOR CO., LTD.to the extent HONDA has the right of disposal. The Yamaha Trademarks are used by Microsoft with the express withen permission of the Yamaha Morter Co., Ltd. of Japan. (c)&(P) 1998-2000 Microsoft Corporation. All rights reserved. (c) Copyright 1998-2000 by Rainbow Multimedia Groupe, Inc. All rights reserved.

【筆者紹介】
  • 名前:山城 宏
  • プロフィール: 本紙ゲームソフトインプレッションの、もうひとりの担当者である駒沢丈治氏が、実は私の人生の転機となった方ではないかという仮説が急浮上。まだご本人に直接伺ったことはないのですが、これが事実なら人生というのは実に奇なものです。とか書いても、おそらく当の駒沢氏には何のことだかさっぱりわからないと思いますが、さて、真実や如何に?
レビューハード環境】
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機(Pentium III 650MHz、メモリ 128MB、HDD 20GB + 20GB RAID0、CREATIVE 3D BLASTER GeForce256Pro、CREATIVE SOUND BLASTER LIVE! VALUE)

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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp