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「MTOCROSS MADNESS2」は、そんな「MADNESS」シリーズの最新作。山あり谷ありの、自然が生み出した厳しいコースを疾走するバハレースから、空中でのアクロバティックな姿勢を競うスタント、屋内に人工的に作られたコースでのレースとなるスーパークロスなどなど。モトクロスといってもさまざまな競技があるが、それらをこの1本に収録した贅沢な作りのソフトだ。
遠景まで描き込まれたグラフィックは秀逸 | ライバルの数も3~10人までの範囲で変更できる。多い方がレースはハデになるけれど、処理は重くなるしレースも厳しくなるので、マシン環境や技量にあわせて変更しよう | この大ジャンプがモトクロスの醍醐味。こんなに飛ぶかっていうくらいよく飛ぶ。調子に乗りすぎて着地に失敗しないように |
● 荒野や雪山など、変化に富んだコースが満載
トラックを飛び越す大ジャンプ……ならよかったんだけど、思いっきり跳ねられました。宙高く舞い上がっているバイクがポイント |
バハとエンデューロは特に決められたコースはなく、マップ内に設置されたチェックポイント(ゲート)を順に通ることで周回レースを行なう。次のチェックポイントの方向は画面内の矢印に示されるが、必ずしも矢印に向かって最短距離を走ればいいというものではない。マップ上に配置された立木などには当たり判定があるので、うっかり林に進入してしまうと脱出に手間取ってしまうからだ。また、最短距離だと思っていたら大きな崖にあたってしまうこともある。多少迂回しても平坦なコースをたどった方が速い場合も多いので、繰り返し走って自分なりのコースを見つけだすことが求められるだろう。
また、エンデューロでは突然対向車が現れたり、列車が線路をふさいだりというアクシデントも少なくない。大ジャンプをカッコよく決めたのに、着地寸前に列車にはねられた、なんていうマンガみたいな展開もあるし、バハに比べると高低差の激しいコースが多いので難易度は高いといえるだろう。まずはバハで操作の感覚や着地のタイミングなどを把握し、それからエンデューロに挑戦することをおすすめしたい。ちなみに、初心者向けには立木などの当たり判定をカットすることもできるが、自然の障害の中を走るというモトクロスの性格を考えると、できればおすすめしたくない。バハとエンデューロ、それぞれに15のレース(マップ)が用意されている。
スタントモードでは規定時間内に決めたスタントの総合得点で順位を競う。マップによって難易度が大きく変化するのが特徴だ |
ナショナルレースとスーパークロスは、オフロードサーキットを周回するレース。コースから外れた場合、規定時間内に復帰しなければならない。自然を相手にするバハやエンデューロと違い、人工的に作られたコースを走るため、両者の性格は大きく異なっているが、コースの全貌を見渡すことができ、レースが一望できるという点、また集客力の面では、特にスーパークロスはモトクロスの花形といっても差し支えないかもしれない。大ジャンプ中にスタントを決めると客席から歓声が上がり、カメラのストロボが一斉にたかれるなど、スーパークロスならではの醍醐味も多い。ただ、コース幅が狭くテクニカルなコースが多いので、初心者がいきなり挑戦するには敷居が高い。他のレースモードで腕を磨いた上で挑戦する最終到達点といってもいいだろう。
旧式の輸送機が放置されたままになっている滑走路。目指すチェックポイントは、奥に見える建物の裏庭に隠されるように設置されていた | ジャンプ中のスタントは方向キーとボタンの簡単な組み合わせ。スタントモード以外では無意味だけど、パフォーマンスとして決められるようになりたいく | ついに撮影された謎の円盤。この後、音もなく跳び去ってしまい、必死の捜索にも関わらず我々の前に姿を現すことはなかった |
● プロサーキットでトータルポイントでの優勝を目指せ!
プロサーキットモード、最初はこんな恰好でスタートする。いかにも貧乏くさいけど、ライバルもみんな似たような恰好なのでおあいこだ |
プロサーキットでは障害物への当たり判定をなくすことはできないので、転倒や衝突などのアクシデントは(設定の変更によって)避けて通ることはできない。さらに、シングルレースでは可能な周回数の変更もできない。このため自然と、1レースあたりにかかる時間も固定されてくることとなる。プレーヤーの集中力の持続が求められるし、あらゆる面で難易度は高いといえるだろう。最初に、自分の分身となるライダーを登録する時点で難易度変更は可能だが、これはライバルのスキルに影響しているようで、プレーヤーの着地時や障害物への接触時の転倒判定には無関係と思われる。、イージーモードでもラップタイムが短くなることはない。歯ごたえはあるが、いきなり挑戦するには厳しいプレイモードだ。
ナショナルレースやスーパークロスでは、画面の右上にコースが表示される。現在地を見失うとレースにならなくなるので注意が必要だ | 複雑な地形の連なるスーパークロス。ただジャンプすればいいというものではない。アクセルワークを駆使して優勝を目指そう | プロサーキットではコースも選ぶことはできないので、事前情報をよく把握してからレースに臨もう。練習走行もできるので、あらかじめルートを確認しておくといいだろう |
● 控えめの演出だがゲームの出来は○
スーツの色やバイクの種類、ナンバープレートなどを変更できる。よりこだわりたい方はギア比などのセッティングも変更可能だ |
全体的に、良くできたゲームだと思う。マップ上には枯れ草や低木などを含め数多くのオブジェクトが配置され、コースデザインにはスーパークロス イースト 125cc クラスのプロライダー、Stephane Roncada氏(ステファン・ロンカダ)が協力、YAMAHAやHONDAなどのバイクが実名で登場、インターネットやLANを介しての対戦もOKと、重要なポイントは確実に押さえてある。
ただ、全体的に演出不足というか、物足りなさを感じるのも事実。レースに優勝しても、ゴールに入った瞬間、画面の下に「おめでとう、優勝です」と表示されるだけで、ウィニングランどころかゴールを駆け抜けることすらできないのでは、あまりに味気ない。ゲームとして楽しみたい方すべてにお勧め、というわけには、残念ながらいかないようだ。もちろん純粋にモトクロスのみを楽しみたい方であれば、文句なくお勧めできるタイトルである。
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