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P＆A Jasc Media Center Plus 3J 50種以上のファイル形式と 150機種のデジカメに対応した マルチメディアファイル管理ツール TEXT：山田貞幸　Sadayuki Yamada

アルバム画面ではファイルを一覧表示し、コメントなどを付けることもできる。異なるフォルダに置かれたファイルも登録可能

　インターネットにより、さまざまな環境が接続された現在では、実に多用なファイル形式と出会う。メール交換程度ならともかく、FTPサイトやニュースグループなどを頻繁に利用するような方ならば、見たこともない拡張子を持ったファイルにとまどったこともあるだろう。また、新たに共同作業をすることになった相手から未知の形式でデータが送られてきた、といった経験をした方もいるかもしれない。とくに、画像や音声ファイルは多用な形式が存在し、それらを閲覧可能なアプリケーションを入手するだけでも一苦労させられる。

　このようなときに頼りになるのが、複数形式のファイル内容を表示することができる「マルチビューア」（ビューア：ファイルの内容を閲覧するソフト）と呼ばれるアプリケーションだ。今回紹介する「Jasc Media Center Plus 3J」（以下JMC 3J）は、さまざまな形式の静止画、動画、音声ファイルに対応したマルチメディアビューアとして高い性能を持っているほか、同時にフォーマットの変換機能も持っている。加えてファイルの移動やファイル名変更といったファイル管理機能も持ち、「マルチメディアファイル管理ツール」と呼べる仕上がりになっている。

JMC 3Jにより、HTMLに変換されたアルバム。JAVAスクリプトによるスライドショーにも対応する

　JMC 3Jが持つビューア機能は、画像データ約30種類の表示および保存、音声データ3種類の再生、動画データ5種類の再生、ベクトルデータ13種類の表示と保存（一部のみ）だ。とくに画像データに関してはBMPやJPGはもちろんAdobeのアプリケーションで利用されるEPSやPSD、WordPerfectで利用されるWPGといった形式までもがカバーされている。

　これに加えて、多くのサブフォーマットに対応している点も頼もしい。たとえば、同じ「JPG」、「EPS」といった拡張子でも、作成したアプリケーションや、そのバージョンによって微妙にフォーマットが異なり、ビューアによって開けるものと開けないものがあったりする。豊富なサブフォーマットに対応していれば、それだけ「対応している拡張子のはずなのに開くことができない」といったようなトラブルが減るわけだ。

ファイルの情報は、容量やサイズといった基本的な事項から、圧縮の有無、バージョンまで詳細に表示される

　さらに、約150機種のデジカメから直接データを取り込むことができる点も大きな特徴である。国内主要メーカーのほとんどの製品に正式対応しているが、これら以外にもTWAIN32に対応したデジカメやスキャナであれば扱うことが可能だ。

　取り込んだ画像を本格的に加工したいときには、付属の「Paint Shop Pro 4J」が役立つ。Paint Shop Proは最新バージョンこそ「6J」となっているが、このバージョンでも一通りの色調補正やペイント機能を備えており、写真の合成やロゴと組み合わせた画像の作成などもできる。

付属のPaintShop Pro 4Jでは、本格的なフォトレタッチが可能だ

　ファイルのプレビューを一覧表示する「アルバム」の作成にあたっては、対象ファイルが保存されているメディアのボリュームラベルも同時に記録する。このため、オリジナル画像がリムーバブルメディアに保存されていても、HDD上にアルバムを作成しておけば、そのメディアがなくともサムネイルをいつでも確認できるだけでなく、オリジナル画像を表示するためには、どのメディアが必要かを教えてくれる。アルバムをコメントなどと合わせて印刷することも可能で、紙の上での画像管理も簡単になる。また、簡単な操作により、サムネイルからオリジナル画像にリンクするHTMLファイルを自動生成してくれる機能も持つ。

　マルチメディアビューアの定番機能である「スライドショー」機能ももちろん実装している。スライドショーの関連機能には、BGMの設定やスクリーンセーバー化、JavaScriptを使ったHTMLでのスライドショーなど、多彩なオプションが用意されており、簡単なデモであればすぐに作成することができるだろう。

　本製品ワンパッケージで、多彩なファイル管理機能とレタッチ機能が揃い、簡易な画像加工の統合環境を構築することができると言ってもよい。デジカメやスキャナで作成した画像を管理する際に重宝するソフトとなることは間違いない。