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NEW PRODUCTS TESTREPORT


ターボリナックス ジャパン
TurboLinux Workstation日本語版6.0

PCエミュレータも付属する
定番Linuxディストリビューション

TEXT:竹内慶人 Yoshito Takeuchi



標準デスクトップ環境としてGNOMEがインストールされるほか、KDEも選択可能だ。これらのウィンドウマネージャによって、近年のLinux環境の操作性は飛躍的に向上している
 分進秒歩の進化を遂げているLinuxだが、日本国内で大きなシェアを持つ、TurboLinuxに最新バージョン「TurboLinux Workstation 日本語版 6.0」が発売された。

 本製品をはじめとした各種Linuxはその主要部分をインターネット上から無償でダウンロードすることが可能だが、実際にダウンロードを行なうと数百MBものデータ転送が必要となり、一般的なダイヤルアップ環境のユーザーでは数十~百数十時間も要してしまう。さらに必要なアプリケーションやユーティリティをインターネット上で探し出し、ダウンロードまでをも行なうとなると、実際にLinuxを使用可能な状態にするまでの労力は飛躍的に大きくなる。それゆえ、これらのデータをCD-ROMに収め、独自のインストーラ、商用アプリケーションやフリーソフトのバンドル、印刷されたマニュアルなどをワンパッケージ化した上に、Web、E-mailによるユーザーサポートがセットになったLinuxディストリビューションはエンドユーザーにとって非常に有用な製品と言える。


ATOK12SEにより、高度な日本語入力にも対応。リョービのTrueTypeフォントも収録されている
X Window上から各種設定を呼び出すTurboCentro
 さて、このTurboLinux WorkStation 6.0もそうしたLinuxディストリビューションの一つで、3年前に発表されたTurboLinux 1.0から着々と進化を続けている。とくに、GUI環境の進歩は目覚ましく、ウィンドウマネージャのGNOMEやKDEが起動した状態における操作性はWindowsに迫るものとなっている。実際、TurboLinux 6.0をインストールしたマシン上でNetscape Navigatorやメーラー、Nmail4を使ってみたが、その動作は快適、かつ安定したものだった。また、日本語入力についても、Windows上で多くのユーザーを持つIME、ATOKのLinux版「ATOK12SE」や古くからLinux環境で使われてきたWnn6がバンドルされているので、Windowsに親しんだユーザーでも違和感なく扱うことができるだろう。

 最新ハードウェアへの対応が遅れがちだったLinuxだが、シェアの増加に伴いハードウェアメーカーの協力も得られるようになってきたためか、この点も徐々に改善されつつある。一例を取ってみると、今回のバージョンに収録されているXFree86-3.3.6では、nVIDIAのRIVA TNT2やMatrox G400、SiS300/630などの比較的新しいビデオチップに対応している。現在所有するハードウェアをTurboLinux 6.0がサポートしているか否かは、ターボリナックスジャパンや、ハードウェアベンダーが動作検証を行なった製品一覧が置かれているhttp://www.turbolinux.co.jp/tech/hardware/を参照にしてみるとよい。


ユーザー登録を行なうと送付されるVMware Express。Linux上で仮想PCが動作する
 このほか、本バージョンの大きな魅力となるのが登録ユーザーに無償配布されるAT互換機エミュレータ「VMware Express」(製品版、99ドル)であろう。Linuxユーザーには同一マシンにWindowsを同居させ必要に応じて使い分けるユーザーが多いが、通常は本製品にも付属しているSystem Commander LiteやLILOなどのマルチブートユーティリティを利用してシステム起動時に必要なOSを選択する手法が採られている。これに対してVMware ExpressはLinux上に複数の仮想PC/AT互換機を構築する。この仮想PCにはWindows 98/95を実機さながらにインストール可能なため、1台のマシンでWindows 98とTurboLinuxを同時に動作しているかのごとき環境を作ることができる。このVMware Expressで構築される仮想PCにはWindows 98/95のみがインストール可能だが、上位バージョンのVMware 2.0 for LinuxではWindows 2000やNT4.0などもインストールすることができるので、Express版が気に入ったら、VMwareのホームページ、http://www.vmware.com/からの購入を検討してみるのもよいだろう。


 同梱されているマニュアルは2冊で、「ユーザーリファレンスガイド」が主にインストール関係、「活用ガイド」が基本コマンドや基本設定について分かりやすく説明している。さらに90日間で3件までの電話、Web、E-mailでのインストールサポート権も付属するため、Linuxは初めてというユーザーにも心強い助けとなるはずだ。


  • 製品名:TurboLinux Workstation 日本語版 6.0
  • 標準価格:12,800円
  • メーカー:ターボリナックス ジャパン株式会社
  • 問い合わせ先:03-5766-1660
  • URL:http://www.turbolinux.co.jp/
  • 動作環境
     ・CPU:Pentium 60MHz以上
     ・メモリ:32MB(64MB以上推奨)
     ・HDD容量:2GB以上推奨
     ・CD-ROM:ATAPI、SCSI
     ・FDD:1.44MB


    □ターボリナックスジャパンのホームページ
    http://www.turbolinux.co.jp/
    □製品情報
    http://www.turbolinux.co.jp/products/turbolinux/6.0/tryturbo.html


    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp