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富士通 FMV-BIBLO NE4/45K K6-III+ 450MHz搭載 Office 2000バンドルで 20万円を切る低コストA4ノートPC TEXT：中嶋敦司　Atsushi Nakajima

K6-III+は本体右裏のフタを外すと現われ、ソケットに取り付けられている

　富士通から世界初のモバイルAMD-K6-III+搭載機「FMV-BIBLO NE4/45K」（以下、NE4/45K）が発売された。このK6-III+は0.25ミクロンプロセスで製造されていたK6-IIIを、0.18ミクロンプロセスで製造することによってモバイル用途向けに省電力化したもので、コア電圧が従来の2.4Vから2.0Vへと引き下げられている。またGeminiと呼ばれていたAMD独自の省電力技術、PowerNow!によってAC電源での駆動時には定格電圧の最高動作周波数で動作し、バッテリ駆動時には低電圧、低クロックで動作することでバッテリ駆動時間を延ばすことができる。さらにAthlonからサポートされたEnhanced 3DNow!の一部のファンクションも装備しており、これに対応したソフトは高速に動作する。そのほか、64KBの1次キャッシュと256KBの2次キャッシュを内蔵している点などに変更はない。

キー配列、キーピッチともに余裕があり、扱いやすいキーボード。本機であればタッチタイピングを行なうこともできるだろう

　今回紹介するNE4/45Kは、この5月に発表された新しいFMV-BIBLOのA4サイズノートモデルにおいて、エントリーモデルに位置付けられ、今年に入って急速に成長してきた低価格ノートPC市場に投入されるものだ。CPUは上記のK6-III+の450MHz版で、チップセットはALiのAladdinVとなっており、その構成はSocket7仕様のデスクトップPCに近い。メインメモリはSDRAMをオンボードで64MB搭載し、1本の空きスロットを利用して192MBまで増設できる。ビデオチップはTridentのCyber9525DVDで、ビデオメモリはこのチップに2.5MBのSGRAMが内蔵されている。ディスプレイは12.1インチのTFT液晶を採用し、解像度は800×600ドットに対応する。なお、HDDの容量はノートPCとしては比較的大容量の12GBを装備している。

　さて、ここまでのスペックを見て実売価格が20万円前後と聞くと少々割高と考えてしまうかもしれない。しかし本製品にはExcel 2000、Word 2000、Outlook 2000、Shogakukan Bookshelf Basic 2.0がワンセットになったOffice 2000 Personalがバンドルされる。このOffice 2000 Personalは4万円程度の実売価格のため、本体のみの価格を考えると16万円台となり、非常にリーズナブルなことが分かるだろう。実際に試用してみると、K6シリーズは整数演算速度が高速なため、上記のようなビジネスソフトも快適に動作する。また、液晶ディスプレイは明るく、視野角も広いため見やすいものだった。ただ、800×600ドットの解像度はユーザーによっては手狭に感じてしまうかもしれない。また、64MBのメモリでは複数のソフトを起動させて作業を行なうとスワップが発生してしまうので、合計128MB程度まで増設したほうがよいだろう。

写真左のスライド式スイッチによりショートカットの機能を切り換えることができる

　CPU以外での従来機からの変更点としては、パームレストの下部にあるスライド式のスイッチによって、ショートカットキーをアプリケーションの起動、音楽CDのコントロール、携帯時のロックの3種類の切り換えが可能となったことが挙げられる。これによりアクセス性の高いショートカットキーを効果的に使い分けることができるわけだ。キーボードはキーピッチ19mm、キーストローク3mmと余裕のあるキー配置であるし、配列にも目立ったクセはないため、多くのユーザーになじみやすいものだ。そのほか、専用の携帯電話アダプタ接続端子を備えており、オプションの携帯電話アダプタ（標準価格5,000円）によって携帯電話と接続することで、屋外での通信にも対応する。

　さて、本機のバッテリ駆動時間は約2時間と、PowerNow!の効果を考えてもやや短い。そのため、本機の用途も安価なデスクトップの代替としての使用に適しているだろう。手頃で実用性の高いノートPCが必要な方にお勧めのマシンだ。