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E3 2000会場レポート コンシューマハードウェア編

米国版「PlayStation 2」や任天堂次世代機「DOLPHIN」
Microsoft「X-Box」など話題のハードウェアは残念ながら展示されず

会期:5月11日~13日(現地時間)
会場:Los Angeles Theater



■米国版「PlayStation 2」発表されるも、会場のデモ機は全て日本仕様

Sony Computer Entertainment Americaブース。「PlayStation 2」の巨大なロゴを掲げ、常に黒山の人だかりを築いていた
 E3開幕前日の5月10日(現地時間)に発表された米国版PlayStation 2(PS2)。さすがに米国でも期待度は非常に高いようで、Sony Computer Entertainment Americaブースは常に大勢の来場者で埋め尽くされていた。

 ブースでは、すでに日本で発売されているものも含め、多数のPS2用ゲームソフトのデモやDVDソフトの再生デモなどが行なわれており、ゲームソフトの多くは実際にプレイできるようになっていた。しかし、デモ用に使われていたPS2は全て日本版のPS2で、米国版PS2は会場に展示されていなかった。
 CPUである「Emotion Engine」に0.18ミクロンプロセスの最新モデルが採用されていたり、3.5インチハードディスクやネットワーク機能を追加するための拡張ベイが用意されるなど、日本版PS2と若干仕様が異なっていることはすでにお伝えしたとおり。そのため、実際に米国版PS2をその目で確かめようと思っていた来場者もいたと思うが、やや肩すかしをくらった格好だ。


 もちろん、本体デザインやサイズは日本版とほとんど同じで、性能的にもほとんど違いがないため、デモ用の実機に日本版PS2が使われていたとしても違和感を感じることはなく、ほとんどの来場者はPS2の性能の高さや可能性を十分に感じ取っていたようだ。

鉄拳TAG TOURNAMENTなど、すでに日本で発売されているソフトや、日本未発表のソフトなど多数のPS2用ソフトが展示されている ゲームやDVDビデオの再生デモに使用されていたPS2。米国版と見た目の違いがほとんどないためすぐにはわからないが、日本版PS2が使用されている デモ機の裏面。手前にPCカードスロットが見えることからもわかるように、やはり日本版PS2が利用されている

□Sony Computer Entertainment America(SCEA)のホームページ(英文)
http://www.playstation.com/playstation.asp
□関連記事
【5月10日】北米仕様のプレステ2は3.5インチHDDなどが搭載可能に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000511/ps2.htm


■任天堂ブースでも次世代機の展示はなし

  今からちょうど1年前、'99年のE3開幕直前に次世代機「DOLPHIN」とGAMEBOYの次世代機「GAMEBOY ADVANCE」を発表し、関係者やユーザーに衝撃を与えた任天堂。今年のE3ではこれら2つの次世代機に関しての製品仕様などに関するより詳しい発表が行なわれるのでは、と期待されていた。しかし、こちらも昨日ロサンゼルスのダウンタウン中心に位置するLos Angeles Theaterで行なわれたプライベート・プレビューショーで、これまでに発表されていたもの以上のことはほとんど何も発表されなかったこともあり、Nintendo of Americaのブースではこれら次世代機に関する展示は一切行なわれていなかった。

 米国でのポケモン人気や、「The Legend of Zelda:Majora's Mask」などの話題のソフトが展示されていることなどもあり、ブース自体は非常に盛況だ。特にポケモン関連ソフトには多数の来場者が群がっており、米国でのポケモン人気の高さを再認識した。

Nintendo of America, Inc.ブース。今年もやはりポケモン関連の展示がブースの大部分を占めている 米国初公開となる「The Legend of Zelda:Majora's Mask」(ゼルダの伝説~ムジュラの仮面)。こちらも人気シリーズで多数の来場者を集めていた

 その中で、新カラーリングのNINTENDO 64が多数展示されていた点が目に付いた。これは「NINTENDO 64 FUNTASTIC COLOR SERIES」というもので、ボディおよびコントローラがトランスルーセントボディとなり、Grape(紫)Jungle(緑)Smoke(グレー)Fire(オレンジ)Ice(青)Watermelon(赤)の全6色がラインナップされている。ボディカラー以外の仕様は従来のNINTENDO 64と同じで、販売価格は99.95ドルとなっており、米国では3月から発売が開始されている。

 日本では「クリアブルー」と「クリアレッド」という2色のトランスルーセントボディのNINTENDO 64が昨年末に発売されているが、FUNTASTIC COLOR SERIESはカラーバリエーションが多く、本体やコントローラ全体がトランスルーセントとなっている点など、日本のクリアカラーモデルとは異なる部分がいくつか確認できる。また、会場で盛んに行なわれていた新作ゲームソフトのデモ用として、このFUNTASTIC COLOR SERIESのNINTENDO 64が多数利用されていた。

トランスルーセントボディが鮮やかな「NINTENDO 64 FUNTASTIC COLOR SERIES」。日本で発売されているクリアカラーモデルと違い、本体およびコントローラ全体が同一のトランスルーセントカラーとなっている Nintendo of America, Inc.ブース。今年もやはりポケモン関連の展示がブースの大部分を占めている 「NINTENDO 64 FUNTASTIC COLOR SERIES」のパッケージデザイン。実際のカラーにあわせて6種類のパッケージが用意されている

□NINTENDO OF AMERICAホームページ
http://www.nintendo.com/
□関連記事
【5月11日】E3開幕直前! 任天堂の米国法人によるプライベート・プレビューショー
「DOLPHIN」と「GAMEBOY ADVANCE」は米国で2001年に登場予定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000511/e3_03.htm


■セガはDreamcast用DVDプレーヤーを参考出展

 米国でのDreamcastの販売が好調なセガの米国法人Sega of Americaのブースでは、もちろんDreamcast用の新作ゲームソフトを多数展示し、こちらもSONYや任天堂に負けない多数の来場者を集めていた。そのSega of Americaブースで面白い周辺機器が展示されていた。それは、Dreamcast用のDVDプレーヤーである。

 このDVDプレーヤーは、説明書きに書かれている内容を読む限りでは、Dreamcastの拡張スロット(モデムポート)に接続することで、ソフト用のストレージスペースの増量と、DVDビデオの再生を可能とするようだ。しかし、このDVDプレーヤーは参考出展されてはいるものの、製品仕様や、このDVDプレーヤーを利用してどういったことをやるのか、といったことは全く決まっていないそうだ。もちろん、発売するかどうかも全くの未定。実際、展示されていたDVDプレーヤーは、DVDとDreamcast、Segaのそれぞれのロゴが付いてはいるものの、一目でモックアップとわかるようなものであった。

 どうやら、「セガはこういうことにも取り組んでいますよ」というアピールのためにこのDVDプレーヤーを展示したようである。ただ、ユーザーにとっては気になる周辺機器といっていいだろう。今後の展開に注目したい。

Sega of Americaブース。米国での好調な売れ行きと完成度の高いゲームが多数展示されていることもあり、SONYや任天堂に負けず多数の来場者が訪れていた ブースの奥にひっそりと展示されていた、Dreamcast用DVDプレーヤー。残念ながら製品仕様や発売時期などは全くの未定となっている 注意書きには、「接続は拡張スロット(モデムポート)、ソフト用のストレージスペースの増量とDVDビデオの再生を可能とする」とあるが、しっかりと「参考出展で発売は未定」と書かれている

□Sega of Americaのホームページ
http://www.sega.com/


■Microsoftブースでは「X-Box」のデモムービーを公開

 3月に発表された、Microsoftのコンシューマゲーム機「X-Box」。X-BoxはPlayStation 2を上回るパフォーマンスを備えていることなどから、米国でもかなり話題になっている。E3のMicrosoftブースには、X-Boxのデモ機でおなじみの「X」をモチーフとした巨大なオブジェが用意されており、来場者の目を引いていた。

 ただし、その展示内容は、巨大なX型のオブジェ内に用意されているミニシアターで、これまでの発表時に使用されたデモムービーを公開するだけにとどまっていた。それでも、そのムービーを見るために常に長蛇の列ができており、関心の高さが十分に伝わってくる光景であった。

Microsoftブースには、X-Boxのデモ機でもおなじみの「X」型をした大きなオブジェが飾られている。この中はミニシアターとなっている X-Boxのデモムービーを鑑賞するための長蛇の列ができているだけでなく、X型のオブジェの周りにもたくさんの来場者が集まっていた

□米マイクロソフトのホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/
□X-Boxのページ(英文)
http://www.xbox.com/

□E3のホームページ(英文)
http://www.e3expo.com/

(2000年5月12日)

[Reported by 平澤寿康@ユービック・コンピューティング]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp