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E3 2000開幕直前レポート

E3開幕直前! 任天堂の米国法人によるプライベート・プレビューショー
「DOLPHIN」と「GAMEBOY ADVANCE」は米国で2001年に登場予定

会期:5月11日~13日(現地時間)
会場:Los Angeles Theater



■2000年後半のゲームタイトルを披露

 E3の開幕を翌日に控える5月10日(現地時間)、任天堂の米国法人であるNINTENDO OF AMERICA(以下、NOA)は、ダウンタウン中心に位置するLos Angeles Theaterを会場に、「Funtastique」と名付けたプライベート・プレビューショーを開催した。2000年後半のNINTENDO64やGAMEBOY Colorの新作タイトルを紹介する催しだが、来場者はプレスのほかにもセールス&マーケティング関係者やソフトウェア開発者など幅広く、イベント色の強い内容になった。
 オープニング早々には、Perfect Darkの“Joanna Dark”がステージに乱入、これを皮切りにして、NINTENDO64、GAMEBOYの新作タイトルが次々と披露されていった。マリオと並ぶスターに成長したポケモン関連では、米国での発売が10月16日に発売が決まった“Gold”と“Silver”の両バージョンで2001年の3月31日までに、1,000万本の発売を見込むなど強気なマーケティング戦略を披露している。サードパーティのタイトルとしては任天堂と関係の深いRAREWAREから「Banjo-Tooie」など4タイトルが紹介されたほか、初めて3Dキャラクターでゲーム化されるミッキーマウスのレーシングゲームなど、いかにもNINTENDO64らしいビッグタイトルを中心にしたラインナップが揃っている。日本では、すでに発売されている「ゼルダの伝説~ムジュラの仮面」も、米国では11月20日に発売される期待の新作となる。

 昨年、この会場でアナウンスされたのが次世代機「DOLPHIN」の投入。ちょうど一年が経過した今回、より具体的な製品内容の発表も期待されたが、GAMEBOYの次世代機である「GAMEBOY ADVANCE」も含めて、わずかに話題にのぼっただけであった。そのほとんどは既知の情報を整理したものにとどまり、唯一変更された点は米国市場で年内投入を目指していた「DOLPHIN」が2001年の前半、「GAMEBOY ADVANCE」が2001年の第一四半期に発売予定となったこと。なお、これら次世代機の詳細については、8月24日から26日まで幕張メッセで開催される「任天堂スペースワールド2000(仮称)」で明らかにされるという。
 これらの機種の投入スケジュールについては、「DOLPHIN」より先行する形になるPlayStation 2と半年余りの差となるが、マーケット的には影響がでないと明言。「GAMEBOY ADVANCE」についても、GAMEBOYからGAMEBOY Colorへの移行を例に挙げて市場は順調に引き継がれるとの見通しを示した。一方で、マーケットの成長率やタイトルの供給状況などでは、たびたびPlayStationやDreamcastが引き合いにだされるなど、PlayStation 2やX-Boxといった機種の登場で激戦となる市場へのさらなる意欲を垣間見せていた。

例年どおりホスト役は、セールス&マーケティング担当の上級副社長Peter Main氏。オープニング早々に、Perfect Darkで“Joanna Dark”役をつとめた女性とかけ合いを演じるひと幕も ムジュラの仮面?! をかぶってステージに登場した任天堂の宮本茂氏。仮面をとった瞬間に、会場から大きな喝采を浴びた 世代や性別を超えて楽しめるゲームボーイという主旨のスライドのなかで、最後に登場したこのカットで会場は爆笑した。こんな人もゲームボーイのファン?!
ビデオメッセージで登場したNOA社長の荒川氏。内容的には昨年の発表とほぼ同レベルで、特に新しい情報はなかった。イベントのなかで唯一「DOLPHIN」と「GAMEBOY ADVANCE」に関する話題が出たシーンである ビデオメッセージの中で示された「DOLPHIN」に関する情報。CPUの開発元であるIBMサイドの作業はすでに終了し、現在はデベロッパがソフト開発を行なっている段階であることがわかる。米国での発売は2001年の前半という 一方、こちらは「GAMEBOY ADVANCE」に関する情報。やはりデベロッパーによるソフト開発が進行中であることと、32bit RISCプロセッサの採用などが明らかにされた。米国では2001年の第一四半期に発売を予定している

■プロデューサーの宮本氏がゼルダを自らデモンストレーション

 またNOAは、同日の午後3時からロサンゼルスのダウンタウンにあるホテルの小ホールを会場にして、米国のメディア向けに最新タイトルのデモを行なった。紹介されたのは「The Legend of Zelda:Majora's Mask」と、「Banjo-Tooie」の2本。「ムジュラの仮面」は、日本国内ではすでに販売されているが、米国ではこれが初めてのお披露目となる。招待された記者は約100名。こじんまりとした会場には大型のディスプレイ4台とスピーカー4台が設置され、画面やサウンドを来場者すべてが間近で確認できるよう配慮されていた。

 「The Legend of Zelda: Majora's Mask」の説明は、ゼルダシリーズのプロデューサーである任天堂の宮本茂氏自らが行なった。前作「The Legend of Zelda:Ocarina of Time」との関係について一通り紹介した後、ゲームのハイライトシーンを実際に操作。新たに導入された「3日間システム(ゲーム中で3日が過ぎると時間切れになってしまうというもの)」と、時を遡ることによって発生するタイムパラドックスをいかに自然な展開に見せるかについて、特に詳しく説明された。
 続いてRAREWAREのスタッフによる、「Banjo-Tooie」のデモ。こちらも、前作「Banjo-Kazooie」との違いや登場するキャラクターの紹介を中心に、ゲームのハイライトシーンが実演された。コミカルなキャラクターが多数登場するせいもあるためか、集まった米国の記者たちには好評だった。

デモに集まったのは、主に米国のメディア ストーリーとシステムについて自ら説明をする宮本氏 RAREWAREスタッフの説明によると、「Banjo-Tooie」のエンジンは「DonkyKong64」のものを使っているという
「The Legend of Zelda: Majora's Mask」(C)2000 Nintendo of America Inc. 「Banjo-Tooie」 (C)2000 Rare Ltd.

□NINTENDO OF AMERICAホームページ
http://www.nintendo.com/
□The Legend of Zelda: Majora's Maskのホームページ
http://www.nintendopower.com/e3_2k/legendofzeldamajorasmask/index.html
□RAREWAREのホームページ
http://www.rareware.com/
□Banjo-Tooieのホームページ
http://www.nintendo.com/n64/banjotooie/index.html
□参考記事
【'99年5月13日】任天堂が次世代コンシューマ機「DOLPHIN」を発表 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990513/e3_01.htm

(2000年5月11日)

[Reported by 矢作 晃/駒沢丈治]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp