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高木産業 PNIV-P III 650 Pentium III 650MHzとSavage/IX8で武装した
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto |
キーボードは90キー。キーピッチは広く、文字の入力は容易だ。トラックパッドがホームポジションの中心よりも、やや右側に位置するのは好みの分かれるところ |
パーパスブランドのPCシリーズを擁する高木産業は以前からノートPCに力を入れており、11万円台の低価格機からFC-PGA版Pentium IIIを搭載した機種まで、ほかのメーカーでは見られない多彩なラインナップを取り揃えている。今回紹介する「PNIV-P III 650」は、そうした同社のノートPCの中でもハイエンドに位置するマシンである。
本機はCPUにモバイルPentium III 650MHzを搭載する。これはIntelのモバイル向けCPUとしては最高速のチップだ。さらにSpeedStepテクノロジを搭載しているため、バッテリ駆動時には1.35Vの低電圧、低消費電力モードへと自動的に変化するのもうれしい点である。このCPUはソケットに装着するMicro PGA2タイプであり、CP Uソケットはキーボードの下部に配置されている。当然、CPUの交換を行なうことによってメーカー保証を受けることはできなくなるのだが、Micro PGA2タイプのモバイルPentium IIIはすでにリテール販売されており、将来的により高性能なCPUに交換することも可能になるかもしれない。
本機の大きな特徴の一つが、S3製のビデオチップの「Savage/IX8」だ。これは同社の「Savage4」のモバイル版「Savage/MX」に、ビデオメモリとして8MBのSDRAMを統合したものに相当する。基本的なアーキテクチャはSavage/MXのものを踏襲しており、同社のテクスチャ圧縮技術である「S3TC」やSavageシリーズオリジナルの3D API「MeTaL」などを継承しつつ、大幅な低消費電力化と低発熱化が図られている。さらにビデオチップにメモリを統合したことでビデオメモリのバス幅を128bitへと倍増し、性能面でもSavage/MXを上回るとされる。その結果として、ノートPCで使用されるビデオチップとしては最高速クラスの製品となった。
本機のCPUはMicro PGA2タイプ。ソケットはキーボードを取り外すと現われる放熱版の下に位置している |
液晶パネルにはXGA対応の14.1インチTFT液晶が採用されているので、画面の大きさも必要十分なものとなっている。ただ、A4サイズノートPCでありながら、PCカードスロットがTypeIIが1基だけという点は残念だ。DV編集のような重い作業にも十分耐えられる処理能力を持つマシンだけに、さまざまな拡張機器を取り付けたいところであるが、上記以外のポートを使うとなると、速度的に大きく劣るUSBやシリアル、パラレルインターフェースに頼らざるを得ない。
本体左側面。左から、ACアダプタ端子、VIDEO OUT端子、PS/2コネクタ、PCカードスロット、FDD |
実際の使用感としては、スペックどおりの高速な処理能力が印象的だ。とくにビデオ性能は高く、ほかのノートPCではストレスを感じることも多い32bitカラーモードもスムーズに動作する。3Dゲームにおいても、「MotoRacer」のような軽めのDirect3Dタイトルであれば、特殊効果をすべてONにしても快適にプレイできるレベルに達している。また、PowerDVD 2000によるDVD再生もフレーム落ちを感じることはなかった。今回試用したPentium III 650MHz、64MBのメインメモリ、6GBのHDD、DVD-ROMドライブという構成で289,000円となっており、コストパフォーマンスも決して悪くない。高い水準でバランスの取れたマシンと言えそうだ。
□高木産業のホームページ
http://www.purpose.co.jp/pc/
□製品情報
http://www.purpose.co.jp/pc/lineup/pn4-piii650.htm