● drummania(ドラムマニア)
● ステッピング セレクション
● I.Q REMIX +
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ドラムユニットには、ヤマハのサイレントドラム同様、感圧式のパッドが採用されている。バスドラム用のフットペダルは「ダンスダンスレヴォリューション」の専用コントローラを小さく切り取ったような感じで、ドラム部が「叩いている」感触が返ってくるのに対してフットペダルには「踏む」感触が薄いのは残念。もうひとつ欲を言えば、スタンドの高さが調節できないので、それにあわせた椅子を用意しなければいけないのも気になったポイントではある。ちなみに、ユニットを直接床や膝の上に置いて手で叩いたら面白いかな、と思って試してみたのだけれど、手で叩いた程度では反応が鈍く、ゲームにならなかった。やはり、最低でもスティックは使わなければならないようだ。
ゲームの方はアーケードでもおなじみだと思うけれど、上から流れてくるポインタにあわせてドラムを叩いていく「ビーマニ」シリーズを踏襲したシステムになっている。が、両手と足を別々に使うドラムのシステムを取り込んでいるため、ゲーム性は全くといっていいほど異なっている。もちろん得手不得手の差もあるだろうが、シリーズの中では難易度は高い方だといって差し支えないと思う。ゲームレベルを最低ランクに下げても、そう簡単にはクリアできないので覚悟しておいた方がいい。もっとも、自宅で手軽にプレイすることができるので、じっくりと練習してからゲーセンデビュー、というのもいいかもしれない。
プレイした曲は、トレーニングやフリープレイモードで自由に練習することができる。特にトレーニングモードでは、ミスの多かったポイントを表示してくれる上、曲の中の特定のポイントを指定して集中的に練習することができるので、苦手な曲の克服にはうってつけだ。一度プレイしていれば、その曲の途中でゲームオーバーになっても選択することができるようになるなど、ユーザーフレンドリーかつ家庭用であることを十分に意識した作りになっているので、興味を持ってプレイすることさえできれば、違和感なくゲームになじむことができるだろう。
ギターパートとのセッションも可能で、最大3人までの同時プレイも可能だ。ギターパートの操作はプレイステーション用ソフトとしてすでに発売されている「ギターフリークス」の専用コントローラーにも対応しているので、友人を集めてちょっとしたバンド気分を味わうこともできるだろう。セッションは、パートごとに人間が操作するかコンピュータに任せるかを選択できるので、ひとりでギターパートだけを楽しむこともできる。ただ、1つの画面に最大3パートを表示するので、どうしても画面が狭くなってしまうのが弱点かもしれない。こればかりはシステム上仕方のない部分なので、セッションプレイはできるだけ大画面のTVを使って楽しむようにしたい。
アーケード版では手も足も出なかった方、興味はあるけど今ひとつふんぎりのつかなかった方、家に本物のドラムユニットを置く余裕のない方にもお勧めしたい。確かに専用コントローラーは大きいけれど、それでも本物よりはずっとコンパクトなのだから。
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ムービーがゲームの背景に流されるのはアーケード版のまま。もちろん画像はMPEG-2で、PS2のハードウェアデコーディングを直接ゲームに反映している。特筆すべきは、このムービーのみを鑑賞するモードが用意されていることで、ゲームをしなくても気に入った曲のプロモーションビデオとして楽しむことができるのは面白い。ただ、ゲームのプレイタイムにあわせて収録されているので、途中で切れてしまう曲も多く、多少不満も残る。CD-ROM 2枚組という容量の問題もあると思うが、音楽をモチーフにしているのだから、こうした部分には気を配って欲しかった。
難易度は低めに設定されていて、イージーならクリアはそう難しくない。難易度を上げていくと高度なステップを求められるようになるので、低いレベルから順にクリアしていくのが上達のポイントといえるだろう。また、選択した曲をクリアできたかどうかは、その曲が終了した段階で判定される。曲の途中で強制的にゲームオーバーにはならないので、とりあえずヘタでも曲の最後まで踊ることができるのはユーザーにとって嬉しい配慮だと思う。
このゲームの場合、専用コントローラは別売り(6,800円)なので、パッドでの操作にも触れておこう。このゲームはもともと6つのフットパネルを使用するため、パッド操作でのデフォルトは方向キーの左、下と○、×、それにL1とR1を使用する。方向キーの上と△のかわりにL1、R1を使う理由は簡単で、方向キーの上と下を同時に押すことができないためだ。また、画面上のゲージには専用コントローラーに対応した色の足のマークが流れてくるだけで、パッドのどのボタンに対応しているのか瞬間に把握するのは難しく、事前にマニュアルを見て色とボタンの関係を頭に入れておく必要がある。もちろん専用コントローラを使用すれば、そんなトラブルにはあわなくてすむのだけれど、多少不満を感じた部分ではある。
ゲームモードは、アーケード同等の「スタンダード」のほか、プレーヤーの技量を判定して難易度が変化する「チャレンジ」、難易度や曲を、その都度選択できる「オールミュージック」などが用意されている。条件を満たさないとプレイできないモードも存在ずるので、腕を(あるいは脚を)磨いてチャレンジしていくようにしたい。
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ゲームは大きく分けて2種類。次々に現れるキューブを消し続けていく「I.Q REMIX+」と、全100問が用意された難問集「100ATTACK」だ。「I.Q REMIX+」では、これまでと同様にゲームを進めていくが、定期的に新しい要素である「フォービドゥンメイズ」と「フォービドゥンウォール」が登場する。「フォービドゥンメイズ」は、黒いフォービドゥンキューブで構成された迷路を脱出するモード。キューブは奥から順に流れてくるので、必然的に時間制限が発生する。また、道をふさぐようにノーマルキューブが設置されている場所もあるので、これは必要に応じて消していく必要がある。カメラ位置が通常よりもズームされ、全体が見えないのも手伝って、脱出はなかなかにスリリングだ。そして、さらにスリリングな1発勝負が「フォービドゥンウォール」。フォービドゥンキューブで構成された巨大な壁が倒れてくる中、数カ所にあけられた穴の位置にキャラクタを移動させる。倒れてきた壁につぶされなければクリアだ。これらの要素が追加されたことで単調なプレイにアクセントがつけられ、集中力が持続するように考慮されているというわけだ。ゲームオーバーになると、プレイスコアに応じた評価が“IQ”として表示されるのも前作までと同じ。データをセーブしておけば、最後に通過したチェックポイントからの再開が可能になるので、繰り返しプレイしていけば全ステージクリアも夢ではないだろう。
「100ATTACK」では、用意された全100問を自由に選択し、解いていくことができる。設定された最低手順でクリアできれば「PERFECT」、それ以下なら「EXCELLENT」となり、問題選択画面にクリアマークが色分けされて表示される。最低手順を越えても、フォービドゥンキューブ以外を全て消すことができればクリア条件は満たすが、どうせなら全ての面で「EXCELLENT」を出せるまで頑張ってみたい。
2人同時プレイは、前作までは対戦だったが、今回は協力プレイとなった。協力すれば2つのキューブを同時に消していけるので有利になると思われがちだが、アドバンテージキューブを消すタイミングが難しく、なかなか思ったようにいかない。協力プレイのつもりが、互いの足を引っぱりあうだけにもなりがちなので、声をかけながらプレイしていくようにするといいだろう。
PS2ならではのビデオエフェクトも追加されていて、画面の背景やステージクリア時などに効果的に使われている。シュールな世界観を持つ「I.Q」シリーズのイメージにあったビデオ処理が演出されてはいるが、プレイ中はとてもそこまで目が届かないのが残念なところ。逆に、気を取られるとミスの元になってしまうなど、プレーヤーにとっては障害の1つといえるかもしれない。パズルそのものの難易度も上がっているので、初めてプレイされる方にはベスト版の「I.Q」から入ることをお勧めしたい。近年まれにみる秀逸なパズルシリーズなので、ぜひ多くの方にプレイしてほしい作品ではある。
【総評】
今回の3本はそれぞれにゲーム性も異なるので総評らしい総評を書くのは難しいが、個性的なタイトルが顔をそろえたのではないかと思う。なにかとジャンルの偏りがちなコンシューマー系のゲームの中で、こうして様々なタイプのゲームがリリースされるのは歓迎すべきことだと思う。今後も、メーカー各社がそれぞれに趣向を凝らし、オリジナリティあふれる作品を積極的にリリースしてくれることに期待したい。
【筆者紹介】
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