SSEに対応した0.18μmの新世代Celeron登場!(速報編) |
米Intelから製造プロセスルールが0.18μmであるCPUコアを採用した新世代Celeronが発表された。この0.18μmのCeleronは、「Coppermine-128k」というコードネームからもわかるように、現在Pentium IIIで利用されているCoppermineコアのL2キャッシュ容量を半分の128KBに制限したもので、L2キャッシュの容量以外はほぼCoppermineと同等になっている。このため、これまでPentium IIIだけが対応していたマルチメディア向けの拡張命令セットであるインターネット・ストリーミングSIMD拡張命令(SSE)にも対応しており、コストパフォーマンス重視のユーザーには注目の製品と言える。今回のレポートでは速報としていくつかのベンチマーク結果をお届けしする。
●Flexible PGA370対応のマザーボードが必要
このため、利用できるマザーボードは、FC-PGAに対応したPGA370(いわゆるSocket 370)マザーボードが必要になる。FC-PGAのPentium IIIが登場した時にも説明したように、FC-PGAのPentium III(と今回の0.18μmのCeleron)は従来のPPGA版Celeronのみに対応しているPGA370(IntelではLegacy PGA370と呼んでいる)に基づいたPGA370マザーボードでは利用することができない。利用できるのはFlexible PGA370という新世代のPGA370に対応したマザーボードになる。
しかし、マザーボードがLegacy PGA370なのかFlexible PGA370であるのかは、外見だけではわからない。このためマザーボードメーカーは、製品の箱に「FC-PGA対応」などのシールを貼っているので、そうした表示がない場合は使うことができないと考えればいいだろう。なお、これはSC242(いわゆるSlot 1)をPGA370に変換するアダプタでも同様で、利用できるのはFC-PGAに対応したと明記されているアダプタのみなので注意したい。
●SSE対応のアプリケーションで大きな性能のブーストアップ
今回は入手してから時間が少なかったこともあり、必要最低限のベンチマークだけを行なった。より詳細なベンチマーク結果とレポートは明日掲載の予定だ。テストしたのはCeleron 533A MHzとCeleron 600MHzで、比較として従来のCeleron 533MHz、Pentium III 600MHz、600B MHz、600E MHz、600EB MHzを用意し、同クロックの旧CeleronやPentium IIIとの差を明らかにすることを目的とした。
今回行なったベンチマークはZiff-Davis,Inc.のWinBench99 Version1.1に含まれるCPUmark99とFPU WinMarkとMadOnion.comの3DMark99 MAXの3つのテストだ。結論から言えば、通常のビジネスアプリケーションにおける整数演算性能を計測するCPUmark99と、SSEなどの拡張命令セットに対応していない浮動小数点演算性能を計測するFPU WinMarkでは、新Celeronは従来の旧Celeronとほとんど差がない。
しかし、SSEに対応している3DMark99 MAXでは、大きな性能向上を確認することができた。このことから、旧Celeronと比較してSSEに対応していないアプリケーションではほぼ同等であり、SSEに対応したアプリケーションで大きな差があるという、ちょうどPentium IIとPentium IIIのような関係であると言っていいだろう。
600MHzの各Pentium IIIとの比較だが、CPUmark99、3DMark99 MAXの結果では、KatmaiコアであるPentium III 600MHzや600B MHzにも及ばないという結果になった。L2キャッシュ容量が128KBしかなく、KatmaiコアのPentium IIIの1/4、CoppermineコアPentium IIIの半分しかないことや、66MHzというプロセッサバスのクロックがボトルネックとなっていると考えられるだろう。このテストの結果から見ると新しいCeleronとPentium IIIとの性能差は厳然として存在すると言える。
CPU | Celeron 533 | Celeron 533A (0.18) | Celeron 600 (0.18) | Pentium III 600 | Pentium III 600B | Pentium III 600E | Pentium III 600EB CPUmark 99 | 37.4 | 37.4 | 40.2 | 44.2 | 44.2 | 54.9 | 55.7
| FPU WinMark | 2,850 | 2,840 | 3,120 | 3,040 | 3,030 | 3,220 | 3,210
| 3DMark99 Max | 3,839 | 4,385 | 4,636 | 5,672 | 5,657 | 5,846 | 5,912
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ベンチマーク環境
○マザーボード:
ABIT Computer BF6(440BX、Celeron 533A、600、Celeron 533、プロセッサバス100MHzのPentium III)
SOLTEK COMPUTER SL-67KV(ApolloPro133A、プロセッサバスが133MHzのPentium III)
○メモリ:
PC133 SDRAM(プロセッサバスが133MHzのPentium III)
PC100 SDRAM(それ以外、Celeronでは66MHzで駆動)
○HDD:
WesternDigital AC14300(4.3GB)
○ビデオカード:
カノープス SPECTRA5400 Premium Edition(RIVA TNT2 Ultra、32MB)
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【3月29日】米Intel、Coppermine-128kことCeleron 600/566MHz発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000329/intel.htm
(2000年3月30日)
[Text by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]
・この記事中の内容は筆者の環境でテストした結果であり、記事中の結果を筆者およびPC Watch編集部が保証するものではありません。 ・筆者およびPC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。 |