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★ ゲームソフトインプレッション ★

巨大なドラゴンと共に戦う女剣士の物語
ドラカン オーダー オブ ザ フレイム
~炎の騎士団~ 完全日本語版


スクリーンショット

  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • 発売元:イマジニア株式会社(開発元:Psygnosis
  • 価格:9,800円
  • 対応OS:Windows 95/98
  • 発売日:3月17日発売予定
 
【ゲームの内容】
     モンスターの襲撃を受け、村を焼き払われたうえに弟も連れさらわれた女剣士リンの冒険を描くアクションアドベンチャー。ドラゴンの背にまたがっての3Dシューティングや3人称視点のアクションアドベンチャーなど多彩なゲーム性を持つ。また、8人までのネットワーク対戦にも対応。
【動作環境】
  • CPU:Pentium 166MHz(Pentium II 233MHz以上を推奨)
  • メモリ:32MB以上(64MB以上推奨)
  • HDD:320MB以上(400MB以上推奨)
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上(8倍速以上推奨)
  • ビデオカード:Direct3D対応ビデオカード(メモリ8MB以上推奨)

イマジニアのホームページ
http://www.imagineer.co.jp/
「ドラカン」の製品情報
http://www.imagineer.co.jp/pc/products/drakan/index.html
Psygnosisのホームページ(英文)
http://www.psygnosis.com/
「Drakan Order of the Flame」のページ(英文)
http://www.drakan-game.com/
「Drakan Order of the Flame」のデモ版ダウンロードページ(英文)
http://www.drakan-game.com/demo_old.html



● 高い技術力で3D世界を表現

 「ドラカン(DRAKAN)」。カタカナで書くと、どこかで聞いたお菓子の名前のような名前が、今回のレビュー作品のタイトルだ。古くからのゲームユーザーには、似たタイトルの3Dロールプレイングゲームが思い浮かぶかもしれないが、あちらは「ドラッケン(DRAKKHEN)」。内容的にも、3Dであることを別にすれば全く異なったものなので、お間違いなきよう。

 制作は英Psygnosys。古くから高い3D技術力を持つことで評価を受けているメーカーなので、ご存じの方も多いだろう。その技術力は本作でもいかんなく発揮され、現在では低スペックなPentium 166MHz以上、Direct3D対応でメモリが4MB以上のビデオカードという動作環境(推奨環境でもPentium II 233MHzとメモリ8MB以上のDirect3D対応ビデオカード)で、炎のゆらめきなど光の効果や、さまざまな3D表現を駆使した緻密な描写を美しく再現している。キャラクタの影のON/OFFなどのオプションも豊富で、使用機種による速度の差も十分に吸収してくれる。遅いマシンでも快適に、速いマシンでは、より緻密な描写を楽しめるように考慮されているというわけだ。
 ちなみに、レビュー用のハードにインストールして実行したところ、やたらと速度が遅くて「むむ、看板に偽りあり」と思ったのだけれど、実はこれはビデオカードのドライバの問題だった。筆者と同じ3D BLASTER GeForce(Pro)を使用されている方は、ぜひドライバを最新のものにアップデートすることをお薦めする。現在リリースされている最新版は英語版ではあるけれど動作に問題はないし、他のアプリケーションで発生していたトラブルも解消されるようだ。

● ストーリーは、弟を取り返す冒険の旅……

 遠い昔、ドラゴン族と魂の契約を結び闇の組織“ダークユニオン”と戦ったとされる“炎の騎士団”。激しい戦いの末、歴史の中に消え去り、ただの伝説、またはおとぎ話となってしまった平和な時代に、突如としてダークユニオンが復活した。主人公である女剣士リンは、弟デロンとの帰宅途中にダークユニオンに襲撃されてしまう。剣を振るい、何匹かのモンスターを倒したリンだが、不意をつかれて気絶させられてしまい、その間にデロンはいずこかへ連れ去られてしまう。意識を取り戻し、村に戻ったリンの目の前に広がっていたのは、ダークユニオンによって殺戮と略奪の限りを尽くされ、廃墟となった村の姿だった。見せしめに、磔にされた村の司祭アティマーは、リンに炎の騎士団の騎竜であったアーロックを探し出すよう伝え、絶命してしまう。リンは、弟を捜し出すための最後の望みを伝説の中の存在と信じていた赤竜アーロックに託すことになる……。

ヒロインの女戦士リンと、その弟デロン。この後、リンはモンスターの攻撃に気絶。その間に村は破壊し尽くされ、デロンも連れ去られてしまう 見せしめのため、槍で貫かれたまま生かされた村の司祭アティマー。彼の遺言に従い、リンは炎の騎士団の奉られている祭壇へ向かうこととなる


● 複雑な操作系。コンフィグ変更必至

水の中を泳ぐこともできる。水面に広がる波紋の表現が美しい
 ゲームシステムは、アクション要素の強いアドベンチャーゲーム。系統としては「トゥームレイダー」に近いと考えてもらえばいいだろう。3Dフィールドの中を移動し、敵と戦い、アイテムを手に入れていく。水の中を泳ぐこともできるが、酸素ゲージが尽きると息が続かなくなり溺れてしまうし、流れに負けて流されてしまうこともあるのでうかつに飛び込むのは危険だ。ただ、その一方で川に入らなければ手に入らない武器やアイテムなどもあるので、武器を取るか、安全を取るかの選択はプレースタイル次第といったところだ。

 操作は、デフォルトではマウスとキーボードを併用する。が、これが結構クセモノだ。キーボードの矢印キーで前後左右への移動、マウスで振り向きや視点移動、攻撃などの動作を行なうところまではいいとしよう。問題は“T”でジャンプ、“G”でしゃがみを行なうという点だ。壊れた橋を飛び越えるためには矢印キーの上と“T”、移動しながらの攻撃にはマウスと矢印キー、しゃがみ攻撃は“G”を押しながらマウス操作を行なう。それぞれに手の置き方が全く異なることにお気づきだろうか? 特に、移動しながらしゃがみ攻撃をするのはかなり大変。敵も同じ場所で待ってくれているわけではないので、スムーズに戦えるようになるまではかなり苦労するだろう。たいていのゲームはデフォルトでプレイする筆者も、さすがにキーコンフィグを変更した。フォースフィードバックなどのコントローラにも対応しているので、可能ならこれらのデバイスを使用した方がいいだろう。

アイテムの所持数はサイズに応じて変化する。「DIABLO」などでおなじみのシステムだ
 アイテムは、倒した敵から手に入れたり、廃墟となった家の中や神殿、フィールド上の樽の中など、さまざまな場所で見つけることができる。樽は、壊すとバラバラになり、木を絞めている枠が転がったり、破片の一つ一つにも当たり判定があって、蹴ると転がっていったりと芸が細かい。ただ、中には爆発する樽もあり、これに巻き込まれると即死してしまうので、注意する必要はあるだろう。
 アイテムの所持数には制限があり、8×3のアイテム欄の中に収まる範囲でなければならない。薬なら1×1、剣なら1×2、鎧は2×2というようにサイズが決まっているので、時には取捨選択を迫られることもあるだろう。装備を変更すると画面上のグラフィックも変化するので、これを見ているだけでも楽しい。また、武器や鎧には耐久度があり、使いすぎれば壊れてしまう。適当な段階で新しいものと取り替えていくのが、効率的に冒険を進めるためのポイントだ。

 前述の爆発する樽に限らず、このゲームには即死要素が多い。高いところからの転落、川に流されて岩に激突、様々なトラップ等々、昔ながらの洋ゲーといった作りだ。極端に難しいアクションを求められることは少ないが、死んだらセーブしたところからやり直しになるので、こまめなセーブが求められる。幸い、このゲームにはクイックセーブ機能が搭載されているので、これを有効に活用するといいだろう。ただ、クイックセーブばかりに頼っていると回復薬が足りなくなり抜き差しならない状況に追い込まれたりもするので、折りに触れてきちんとセーブファイルを残していくことを忘れないようにしたい。

ゆっくりと振れる巨大なギロチン。当たっても即死ではないが、大ダメージは免れない 樽を壊すと、中からアイテムがでてくることもある。細かいことだが、壊れた樽の破片1つ1つにも当たり判定があり、蹴ると転がっていく ただし、中には爆発するものもあるので要注意。見た目からして違うので、区別はできると思うが、知らないと1度ぐらいは引っかかるかもしれない


● ネットワーク対戦も用意されている

敵はモンスターのみならず、巨大な昆虫のようなものもいる。まき散らされた体液がキタナイ
 ストーリーが進むとリンは赤竜“アーロック”と出会い、両者はかつて炎の騎士団がしたように魂の契約を結ぶ。この契約により、リンはアーロックの助力を得られるようになり、アーロックに乗っての移動が可能になる。アーロックのドラゴンブレスは遠くの敵を攻撃することができ、これによってシューティングゲームの要素が追加されることになる。また、アーロックのブレスは新たなクリスタルを手に入れることで、さまざまに変化する。あちこちに隠されたクリスタルを見つけていくことも、戦いを有利にするために不可欠な要因だといえるだろう。
 アーロックの入れないような狭い場所や家の中へは、リンがアーロックから降りて入っていくことができるので、ここからは陸・水・空へと冒険の場が広がっていくというわけだ。敵を倒し、アイテムを手に入れ、出会った人物の依頼を受け、謎を解きながらデロンの行方を追う冒険の舞台は、廃墟の村から炎の騎士団を奉る神殿、アーロックの眠る洞窟、雨に煙るウォートックの渓谷など、次々に変化していく。リンは、デロンとの再会を果たすことができるのだろうか。そして、炎の騎士団と闇の連盟との戦いに、今度こそ終止符が打たれるのか。全ての答えは、この冒険の結末に用意されている。

 最近のゲームではもはや当然ともいえるネットワークにも対応。この「ドラカン」でも、3種類のネットワーク対戦が可能になっている。リンを操作し、ライバルを倒す“デスマッチ”、アーロックに乗ったリンを操作してライバルと戦う“ドラゴンズデュエル”、そして、マップ上に1匹だけいるアーロックを見つけたプレーヤーだけが、これに乗ることのできる“ドラゴンマスター”。このモードでは、アーロックに乗ることのできたプレーヤーが圧倒的に有利になるので、ライバルへの攻撃だけでなくアーロックをいかに探すかが勝敗を決するカギになるだろう。どのモードも最大8人までのプレイが可能で、制限時間の設定やチーム分けも可能。LANだけでなくインターネットを介しての接続や、mplayer.comを使用した見知らぬユーザーとの戦闘も可能なので、広く楽しむことができる。バトルフィールドも複数用意されているので、マップに習熟したプレーヤーほど優位に立つことができるだろう。

 “完全日本語版”のタイトルが示すとおり、テキストや音声によるメッセージは全て日本語化されているので、誰でも自然にプレイすることが可能。ただ、レビューに使用した評価版では、マップ画面での表示が英語のままだった。ここには、次に何をすればいいかが示されるので、行き詰まったときなどには重要なヒントになる。難しい単語は使われていないので、感覚的に理解することはできると思うが、製品版では、ここを含めて完全日本語化されていることに期待したい。
 国産のゲームに慣れていると敷居が高く感じるかもしれないが、本来は間口の広いゲームなのだという印象を受けた。最初はとまどうかもしれないが、一度システムに慣れてしまえば、びっくりするぐらいスムーズに進めることができるはず。美しく緻密なグラフィックを堪能しつつ、竜との冒険を楽しもう。


2つの月が輝くウォートックの渓谷。このどこかにアーロックがいるのだろうか? 条件をクリアすることで、新たな道が開ける。その先に待っているものは…… マップを開くと、現在地と目的が表示されるようになっている。クリアした目的には打ち消し線が入るので、次に何をすべきかは容易に判断できるだろう


(c)1999 Psygnosis Ltd. Developed by Surreal Software, Inc. Drakan Order of the Flame, Psygnosis and the Psygnosis logo are TM or (R) of Psygnosis Ltd. All rights reserved. Licensed in conjunction with JPI, Inc.

【筆者紹介】
  • 名前:山城 宏
  • プロフィール:前回のGeForce導入に気をよくし、今度はRAIDシステムに手を出した自称モノ書き。一杯だったHDDにも余裕ができて幸せを感じつつも、〆切3本と確定申告の同時進行に目も回る忙しさ。なんで、これで儲からないかなぁ……と、涙。あ、全部マシンにつぎ込んでるからか。
レビューハード環境】
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機(Pentium II 400MHz、メモリ 256MB、HDD 60GB、2倍速DVD-ROM、3D BLASTER GeForce256 PRO、SOUND BLASTER Live!、IF-SEGA/ISA+セガサターンパッド)

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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp