Pentium III 800MHzとCeleron 533MHzがデビュー |
Pentium III 800MHz |
Celeron 533MHz |
●両製品とも従来製品の高クロック版
現在秋葉原で発売が確認されているのは、FSBクロックが133MHzのPentium III 800EB MHzのバルク版、FSBのクロックが100MHzのPentium III 750MHzのリテールパッケージとなっている。形状はいずれもSlot 1マザーボードで利用できるSECC2パッケージとなっており、PGA370(Socket 370)マザーボードで利用できるFC-PGAパッケージの製品は発売されていない。現時点でFC-PGAは750MHzまでが発表されており、800MHzは製品化されていない(なお、秋葉原では600MHz以上のFC-PGAパッケージのPentium III出荷は確認されていない)。
Pentium III 800EB MHz、750MHzは10月24日にIntelが発表した製造プロセスルールが0.18μmで作られているCoppermineコアに基づいた製品で、そうした意味では従来製品の高クロックバージョンと言える。Celeron 533MHzも製造プロセスルールが0.25μmのMendocinoコアを元に作られた従来製品の高クロック版で、従来のCeleron 500MHzと大きな変化はない。FSB(CPUバス)のクロックは相変わらず66MHzのままで、Pentium IIIが対応しているインターネット・ストリーミングSIMD拡張命令(SSE)にも対応していない。昨年の12月時点のIntelのロードマップによると、Intelは2月に次世代Celeronを投入する。これは、これまでCoppermine-128kのコードネームで呼ばれてきた製品で、CoppermineのL2キャッシュの半分を無効にしたもの(CoppermineのL2キャッシュは256KBだが、Celeronは128KB)になる。Coppermineがベースになっているため、当然の事ながらSSEに対応する。
●現時点ではPentium III 800MHzが最速!
今回もCPUのレビュー時に行なっている複数のベンチマークテストを行なった。なお、3DMark99 MAXはすでに最新バージョン(3DMark2000)が登場しているが、前回までの結果を生かすため、あえて旧バージョンを利用した。テスト環境は表2だ。
結論から言えば、Pentium III 800EB MHzは3D CPUMarkを除くすべてのベンチマークでトップのスコアを出した。今回はライバルであるAMDのAthlon 800MHzがまだ登場していないこともあり、クロックが最も高いPentium III 800EB MHzがほかのCPUを引き離す結果を出したというのは順当な結果と言える。こうした結果から現時点での秋葉原で入手できるCPUのうち最高パフォーマンスのCPUはPentium III 800EB MHzだと言えるだろう。Celeron 533MHzに関しても、従来のCeleron 500MHzの高クロック版という位置づけの通り、Celeron 500MHzよりも若干上回るといった結果を残した。こちらも特に大きな変化はないといってよい。
Business Winstone 99 | High-End Winstone 99 |
●テキスト版グラフ | ●テキスト版グラフ |
CPUmark 99 | FPU WinMark 99 |
●テキスト版グラフ | ●テキスト版グラフ |
3DMark99 Max | 3D CPUMark | MultimediaMark 99 |
●テキスト版グラフ | ●テキスト版グラフ | ●テキスト版グラフ |
今回もベンチマークのスコアを、秋葉原で販売されているCPUの平均価格に、バルクの場合はCPUクーラーの価格、マザーボード、メモリの値段を足した総合価格で割り、10,000をかけることで1万円あたりのスコアを出してみた。計算式は以下のようになる。
1万円あたりの Business Winstone 99 |
1万円あたりの High-End Winstone 99 |
●テキスト版グラフ | ●テキスト版グラフ |
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1万円あたりの FPU WinMark99 |
1万円あたりの 3D CPUMark99 |
●テキスト版グラフ | ●テキスト版グラフ |
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なお、CPU平均価格、メモリの平均価格は1月22日付けAKIBA PC Hotline!のデータ(CPU最安値情報、メモリ最安値情報)を採用し、CPUクーラーの価格は一律2,000円、マザーボードの価格は筆者が秋葉原で調べた平均的な価格を採用した。1万円あたりのスコアはCPUのコストパフォーマンスを図る時の指標として便利だが、これを見る限り、4部門中2部門でトップにたったCeleron 466MHzないしはK6-2/450MHzが現時点では最もコストパフォーマンスのよいCPUだと言えるだろう。
グラフ CPU00-01.XLS
【表2:テスト環境】
★マザーボード
Pentium III(Direct RDRAM)800~750:GIGA-BYTE GA-6CX
Pentium III(Direct RDRAM)733~533:AOpen AX6C(Intel 820)
Pentium III(SDRAM):SOLTEK Computer SL-67KV(Apollo Pro 133A)
Pentium III、Celeron:ABIT Computer BE6(440BX)
Athlon 750MHz:GIGA-BYTE GA-7IX
Athlon 700MHz:AMD FESTER(AMD-750)
Athlon 500~650MHz:MSI MS-6167(AMD-750)
K6-2、K6-III:FREEWAY FW-TI5VGF(Apollo MVP3)
★メモリ(容量はいずれも128MB)
Pentium III(Direct RDRAM):PC800
Pentium III(SDRAM):PC133 SDRAM
Pentium III、Celeron、Athlon、K6-2、K6-III:PC100 SDRAM(Celeronは66MHzで動作)
★ビデオカード
カノープス SPECTRA5400 Premium Edition(RIVA TNT2、32MBs)
★ハードディスク
Winstoneのみ:WesternDigital WDAC29100
Winstone以外:WesternDigital WDAC14300
★OS
Winstoneのみ:Windows NT 4.0英語版+ServicePack4
Winstone以外:Windows 98 Second Edition 日本語版+DirectX 7.0
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http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20000108/piii800.html
[Text by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]