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★ ゲームソフトインプレッション ★

ついに登場、定番フライトシミュレータの最新作!!
Flight Simulator 2000


スクリーンショット

  • ジャンル:フライトシミュレータ
  • 発売元:マイクロソフト株式会社
  • 価格:オープンプライス
    (推定小売価格9,800円)
    Flight Simulator 2000 Professional Edition(推定小売価格 11,800円)
  • 対応OS:Windows 95/98/NT 4.0
  • 発売日:発売中
 
【ゲームの内容】
     本格的フライトシミュレータとして人気の高い、Microsoft Flight Simulatorの最新作。コンコルドやボーイング777など新しい機体が追加されたほか、既存機のデータも一新されて、よりリアルな操縦感と美しい映像が楽しめるようになった。初心者でも一人で学べるレッスンモードや、様々なイベントをクリアするアドベンチャーモードも搭載。
【動作環境】
  • CPU:Pentium II 266MHz(Pentium II 450MHz以上推奨)
  • メモリ:64MB以上
  • HDD:850MB以上(Professional Edition 900MB以上)
    実行時にさらに200MB以上の空きが必要
  • ビデオカード:DirectX6.1に対応したビデオカード
  • CD-ROMドライブ:8倍速以上のCD-ROMドライブ(16倍速以上を推奨)

マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
「Flight Simulator 2000」の製品情報
http://www.microsoft.com/japan/games/fs2000/default.htm
「Flight Simulator 2000」の製品情報(英文)
http://www.microsoft.com/games/fs2000/



パッケージは2種類。おススメはProfessional Edition

 これまでのバージョンと違って、「Flight Simulator 2000」は2種類のパッケージで供給されている。スタンダード版となる「Flight Simulator 2000」と、その拡張版「Flight Simulator 2000 Professional Edition」だ。

 詳細は機能比較表(文末に添付)を見ていただくとして、両者の最大の違いは、パッケージに含まれる機体と都市のデータに差があること。機能的にはどちらもほとんど変らないのだが、「Flight Simulator 2000」には東京の都市データ(建造物や地表の詳細なデータ)が含まれていない。せっかくの最新版なのに、新宿やお台場周辺の「見所」が旧版並みのグラフィックでは、楽しさも半減してしまう。実売価格で2,000円程度の差であることを考えれば、やはりここは「Flight Simulator 2000 Professional Edition」を選んだほうが賢明だろう。

 商品の差別化そのものは(ユーザーの選択肢が広がるという点で)好ましいことではあるのだが、日本語版なのに東京の都市データがオプション扱いになっているのは、少々酷ではないかと思う。価格の安い「Flight Simulator 2000」をエントリーユーザー向けのパッケージと位置づけるなら、「とりあえずフライトシミュレータを試してみたい」という初心者こそ、親しみやすいデータが必要なはずだ。次作ではぜひ標準で含まれるよう、マイクロソフトに願いたい。……というか、ちょっとだけ太っ腹なところを期待したい。


Flight Simulator 2000 Flight Simulator 2000 Flight Simulator 2000
Bell 206B JetRanger IIIに乗って、西新宿の高層ビル群を空中散歩 東京タワーの大展望室スレスレで急旋回!! Cessna Skylane 182R RGのコクピットからベイブリッジを望む

コンコルドやボーイング777のデータが追加
既存機や地表のデザインも一新された

Flight Simulator 2000
新しく追加されたボーイング777-300
 続いて、前バージョン(Flight Simulator 98)との違いについて。
 「Flight Simulator 2000」には、これまで用意されていた機体に加えて、コンコルドとボーイング777のデータが新たに追加されている。どちらも個性豊かなデザインで、操縦系にも特徴があることで知られる機体。ポリゴンの作り込みも良く、まずこれが一番の目玉だ。

 既存機のデザインや、各都市の地表データも一新された。高層ビルにはそれらしいテクスチャが貼られ、スタジアムや橋、タワーなどランドマークとなる建造物もリアルに再現されている。地表の風景は65,536色で描かれ、上空からの眺めも格段に自然になった。気象状況や季節、時間、飛行場の選択も、これまでよりずっと簡単に設定できるよう改善されている。

 その一方で、機体の操縦方法やコントローラーの使い方はほとんど変っていない。計器類のデザインに若干変更が加えられているものの、旧版の操作に親しんだプレーヤーならマニュアルなしでも飛ぶことができるだろう。

 天候については格段の進歩を遂げている。昨年発売されたフライトシミュレータ「Fly!」にも搭載されていたが、インターネットに接続した環境下であれば、「気象データのダウンロード」ボタンを押すだけで現在のフライト地域の気象情報を取り込み、現実世界とフライトシミュレータ内で自分が飛んでいる天候がリンクするようになっている。また一歩、現実世界に近づいたと言える。

Flight Simulator 2000 Flight Simulator 2000 Flight Simulator 2000
新しく追加された“怪鳥”コンコルド。フォルムの美しさは絶品 離陸直後のコンコルド。ディテールまで美しい 機体に描かれたマークまで再現。サウンドも迫力がある


超美麗なグラフィック、機体のモデリングも絶品!!

Flight Simulator 2000
複葉機Sopwith Camelでロンドンブリッジの間をくぐる
 同時発色数が増え、都市データも精細になったこともあり、画面の美しさは格段に違う。とりわけ印象的なのが、建造物の細かさだ。上空から見降ろした時の街並みがリアルなだけでなく、近くに寄って眺めたときの雰囲気が旧版とはまるで違う。ビルひとつひとつのテクスチャが微妙に異なり、たとえば西新宿の高層ビル群なども見事に再現されていた。

 機体のデザインも見事としかいいようがない。丸みを帯びた機首や胴体が美しくモデリングされ、主翼や尾翼のペインティングも自然な色合いで描かれている。高解像度の画面で表示すると、まるで航空雑誌のグラビアページを見ているかのようだ。ソフトそのものの操作性も良好で、気持ちよくフライトを楽しむことができた。

 ただし、動作について2~3気になる点があったので、ちょっとだけ補足しておきたい。スペック上では「64MBのメモリが必要」ということになっているが、事実上、これは最小限の要求だ。64MB程度のシステムではHDDへのスワップアウトが頻発し、せっかくのフライトに水を注されてしまう。できれば128MBか、それ以上のシステムを用意したほうがいいだろう。対してCPUは、今回K6-2 400MHzを使用したが、とくに不満は感じなかった。

 操縦はキーボードとマウスだけでも可能だが、やはりいまひとつリアリティに欠ける。できれば、何か適当なジョイスティックを用意したほうが楽しめるはず。また「Flight Simulator 2000」は、インストール時に半ば強引にDirectX 7を組み込むため、ビデオカード用のドライバもDirectX 7対応のものを用意すること。

Flight Simulator 2000 Flight Simulator 2000 Flight Simulator 2000
充実したレッスンモード。初心者でも少しずつ操縦を覚えることができる 季節や時刻を自由に設定することが可能 新宿上空。コクピットから見降ろす夜景が美しい


初心者でも楽しく操縦を学べる。レッスンモードがうれしい

Flight Simulator 2000
初級アドベンチャー「危険な着艦」。セスナで空母に降りる
 操縦方法を基礎から学べる「レッスン」モードが充実しているというのも、「Flight Simulator 2000」の魅力だ。このソフトに限らず、フライトシミュレータというのは操作が難しい。飛行のための「手続き」を楽しむためのソフトなのだから、当たり前といえば当たり前なのだが、ズラリと並んだ計器パネルを前に何をすればいいのか見当もつかない……という人も多いに違いない。

 「Flight Simulator 2000」の「レッスン」モードは、エンジンの起動から計器飛行のやり方まで、カリキュラムを区切りながら少しずつ学んでいくことができる。やらなければならないことを音声とメッセージで指示してくれるので、まったくの初心者でも無理なくステップアップしていくことができるはずだ。

 また「Flight Simulator 2000」には「アドベンチャー」というモードもあり、こちらもなかなか楽しい。空母への着艦や、モクスワ「赤の広場」への強行着陸など、様々なシチュエーションでフライトを楽しむことができる。ある程度腕に自信がついたら、アクションゲーム感覚でトライしてみるのもいいだろう。

【機能比較表】

  Flight Simulator 2000 Flight Simulator 2000 Professional Edition
新3Dシーナリーシステム採用。65,536色で風景を再現
世界の民間空港の大部分にあたる2,000箇所の空港データを収録
詳細な都市データ 高解像度の都市データが収録されていない場合、地表のテクスチャは65,536色で再現され、オブジェクト表示はFlight Simulator 98と同等レベルになる
ロンドン、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ
東京、ボストン、ワシントンDC、シアトル、ベルリン、ローマ ×
追加された航空機 コンコルド
ボーイング777-300
ムーニーブラボー(単発ターボ6気筒エンジン) ×
キングエア350(双発ターボプロップ)
前バージョンまでの航空機もリニューアル
ビル、タワー、スタジアム等の建造物など、多彩な3Dオブジェクトを収録
IFR(管制官の指示に従い計器飛行するルール)トレーニングパネル ×
エアクラフトエディタ(機体特性の調整、サウンド、計器パネルなどの編集が可能) ×
現在位置や飛行コースなどをリアルタイムに表示する、GPS計器のシミュレーション
空港、滑走路などを表示するマップを利用したフライトプランナー
現地の気象データをWebからリアルタイムにダウンロード
雨、ヒョウ、雪などを表現
マニュアルのページ数 230ページ 324ページ
英語の音声ファイルを収録 ×
CD-ROMのディスク枚数 2枚 3枚

(C) Microsoft Corporation. All rights reserved.

【筆者紹介】
  • 名前:駒沢丈治(こまざわじょうじ)
  • プロフィール:パソコンからコンシュマーまで、あらゆるゲームを愛する中年ゲーマー。「Flight Simulator 2000」はたしかに楽しいけど、だからといってホンモノの旅客機をハイジャックしたり、操縦席に乱入してはいけないよ。オジサンとの約束だ!!
レビューハード環境】
  • 使用ハード:自作PC/AT互換機(K6-2/400、メモリ 128MB、HDD 6.4GB、24倍速CD-ROM、Diamond Viper V550、ESONIQ PCI Audio、Microsoft SideWinder Force Feedback Pro)

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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp