第35回 : いよいよ登場したWindows 2000 |
■ 黒板消しスキャナ
LK-RS300 |
と、ここで思い出したのがヒューレット・パッカードの、やはり黒板消しのようにスキャン可能でフラッシュメモリ内蔵のスキャナ。米国でデモを見て、あまりの操作感の良さにその場で買ってしまいそうになったのがCapShare 920 Portable E-Copierだ。
コイツのいいところは本体でスキャンしてフラッシュメモリに蓄積しておけることと、黒板消しスキャンが可能なこと。そして赤外線による通信をサポートしていることだ。赤外線インターフェイスを通じ、ワイヤレスでPCに転送することができる。
日本未発売のため、まだ入手していないのだが、カタログデータによるとPDF形式もしくはTIF形式で転送することが可能だという。直接PDFになるところなど、なかなか使いやすそうだ。
受信側はPCだけではなく、H/PCや赤外線インターフェイスを持ったプリンタがサポートされているという。その中にはキヤノンBJC-80/50といった、日本でもお馴染みのモバイルプリンタがある。果たして僕が愛用している日本語版のBJC-50でも使えるか、という疑問はあるものの、プリントできればPCに転送することなく印刷もできてしまう。
しかし、良い製品が少し高価なのは世の常。こりゃいい、と思うのと同じぐらいになかなかいい値段が付いている(オンライン直販で499ドル)。LK-RS300の約2倍の価格というところが頭を悩ませるのだが、おそらく次の米国出張の時に買ってしまうことになりそう。実物を入手した時点で、その機能や使い勝手などをレポートしたい。
■ いよいよ出来上がった製品版
さて、話を本題へと進めよう。Windows 2000日本語版が2月18日に発売“予定”とアナウンスされたのは昨年のこと。なにしろ、年の単位で延期されてきたWindows 2000のことだ。“予定”の部分に敏感に反応し「本当に出るの?」「もうバグはなくなったのかね?」と少々皮肉な声も聞こえてくる。
しかし、昨年12月にマイクロソフトが発表したWindows 2000日本語版のリリース「Windows 2000日本語版の開発を完了。予定通り2月18日に発売」を読んだ人も多いはず。そしてとうとう、パッケージこそまだ到着していないが、製品版CDのサンプルが我が家に届いた。
製品版ではメモリに対する要求が最適化で多少下がっているのでは? という淡い期待を抱いていたのだが、さすがにRC2以降の重さはあまり変わっていない。β3よりは多少、メモリへの要求が減っているかもしれないが、RC2とはほとんど同じと考えていい(64MバイトのPCにインストールしたときに多少感じる程度だが)。
ARMADA M300が64MB、Let's NOTE/S21が96MBのメモリ構成でインストールしたが、体感的な速度は同等か、MMX Pentium/200MHzのLets's NOTEの方が若干高速に感じられたのは、やはりメモリ不足によるスワップが頻発するためだろう。これまた繰り返しこの連載で取り上げてきたように、128MB以上のメモリが欲しいところだ。
個人的にはこれからモバイル向け周辺機器の動作を確認していくことだ。現在のところ、動作しないのは独自PCカード接続のCD-ROMドライブKX-808ANだけ。Paldio 611S、ThinkPad内蔵のWinModem、各種メモリカード、3com EtherLink III/TDK LANXシリーズ/メルコLPC-TなどのイーサネットPCカードは問題なく動作している。
本当に必要なのか? と言われれば、必ずしもそうではない。しかしメモリサイズの条件をクリアできるなら、トライしてみる価値は充分にあると思う。Windows 2000のインストーラは、Windows 98やWindows NTからアップデートする際、インストールされているハードウェアとソフトウェアがWindwos 2000で動作するかどうかをチェックし、もし利用できないならばアドバイスを表示する機能を持っている(新規インストール時にはチェックできない)。
これまで何度もβ版、RC版をインストールしてきたが、Windows 98やWindows NT 4.0をアップデートしたときが、もっとも動く確率が高いと感じている。Windows 95/98へのアップグレードでは、クリーンインストールを行なうことが前提だったが、Windows 2000では普段使っている環境への上書きでインストールしてみるといい。余分なトラブルを防ぐことができるはずだ。
[Text by 本田雅一]