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キングソフト、無料の翻訳機能付き英日/日英辞書ソフト
~Google中国と共同開発

キングソフト辞書

3月26日 提供開始

価格:無料



 キングソフト株式会社は26日、翻訳機能付き英日/日英辞書ソフト「キングソフト辞書」の提供を開始した。同社のホームページより無料でダウンロードできる。

 ウイルス対策ソフトとオフィススイートに次ぐ、日本でリリースするソフトウェア製品の第3弾。'97年に同社中国法人が発売した英中/中英辞書ソフト「金山詞覇」をベースとし、Google中国と共同開発した「Google-Kingsoft Ciba」の日本語版という位置づけになっている。

 オフライン辞書として、旺文社の「ポケットコンプリヘンシブ英和/和英辞典」、「国語辞書」、そしてフリーの「EDICT」を搭載。一方、インターネットに接続している環境では三省堂の「デイリーコンサイス英和/和英辞典」、「同国語辞典」も検索可能になっている。

 単語検索は、メイン画面の検索ボックスから入力することで自動的に絞り込み表示をしていく。検索はハテナ(?)やアスタリスク(*)も利用可能で、綴りをすべて正しく入力する必要はない。また、画面上の任意の単語にマウスオーバーすることでポップアップウィンドウで翻訳を表示する「マウスオン」機能、入力した単語が含まれる例文を検索できる「例文検索」機能を搭載する。

 検索した単語の発音機能も搭載。よく使われる数万語の音声はネイティブ音声で発音可能で、それ以外の単語はOS標準のテキストトゥスピーチエンジンを利用する。このエンジンは設定で変更可能であり、仕様もオープンにされているため、対応する他社のエンジンをインストールすればそれも利用可能としている。

 翻訳機能は、Googleの翻訳機能を利用しており、インターネットの接続が必要。メイン画面の翻訳文テキストボックスに文字列を入力することで翻訳が行なえるほか、URLを入力することでサイト全体の翻訳を行なう「ホームページ翻訳」機能、ハイライト選択した文字列のみを翻訳する「ハイライト翻訳」機能を搭載する。

 特徴的な機能として、学生の英語学習を支援する「単語帳」と「ラーニングバー」を搭載。前者は覚えたい単語を単語帳に追加することで一括閲覧を可能とする機能で、後者は内蔵のTOEFLなどの試験対策単語集を常にデスクトップに表示する機能。

メイン画面 辞書検索画面 例文検索画面
マウスオーバーによる翻訳 Googleによる翻訳機能 ラーニングバー

 なお現時点では、ウイルス対策ソフト「Kingsoft InternetSecurity free」のように広告をポップアップすることはない。主に他言語や、専門用語の追加辞書コンテンツによる収益モデルを取るという。

●ネットブックの波に乗った製品

同社代表取締役社長 沈海寅氏

 同日に東京都内で開かれた製品発表会では、同社代表取締役社長の沈海寅氏が、製品リリースの背景や市場の展開について説明した。

 同氏によれば、現在辞書ソフトは市販されているものはあるものの価格が高く、ネットブックを代表とするPC本体の低価格化とは相反していると指摘。一方で無料の辞書検索サイトもあり、翻訳サービスのニーズも多いが、検索するためにはWebブラウザを立ち上げてからサイトにアクセス、それから調べたい単語を入力する3ステップの手間があると指摘した。

 沈氏は、「我々の今回のソフトは無料で提供するものであり、ネットブックなどの低価格PCを利用しているユーザーでも価格に躊躇することなく気軽に利用できる。その一方でマウスオン翻訳など、簡単な操作を実現しており、市場とユーザーのニーズにマッチした製品であると自負している」と話した。

現在の辞書ソフトのトレンド 辞書サービスに対するニーズは映画に続いて音楽とほぼ同等
キングソフト辞書は中国でNo.1シェアを誇る「金山詞覇」をベースに開発 iPhone版も現在開発中

 また、今後については、iPhone版のキングソフト辞書も開発中で、英語辞書以外の言語やWikipediaの検索機能、キーワード連動情報なども追加していく予定とした。

 なお同日、セキュリティソフトの新バージョン「InternetSecurity U Service Pack 1」とオフィススイートの新バージョン「Office 2010」も発表した。対応OSはいずれもWindows 2000/XP/Vista。

 前者は新たにWindows Live Messengerの通信暗号化機能を追加し(相手にも同ソフトが必要となる)、スキャン速度の高速化、CPU使用率の低減などを図った。ダウンロード提供は広告付き完全無料版のほか、980円の1年間ライセンス、1,980円の無期限ライセンスを用意する。店頭パッケージは4月下旬の発売で、価格はオープンプライス。

 一方後者は新たにマイクロソフトOffice 2007のOpen XML形式のファイルの読み込みに対応し(書き出しは不可)、表計算では新たに25の関数を追加するなど互換性を高めた。

 ダウンロード提供はワープロ/表計算/プレゼンテーション搭載の「Standard」が4,980円、それにVBA対応を加えた「同VBA対応版」が5,480円、ワープロ/表計算のみの「Personal」が3,480円。ワープロ/表計算/プレゼンテーションソフトの単体は1,980円。店頭パッケージは4月24日発売で、価格はオープンプライス。なお、2007を既に所持しているユーザーはソフトウェアの自動アップデートでアップグレードされる。

InternetSecurity U Service Pack 1 Office 2010

□キングソフトのホームページ
http://www.kingsoft.jp/
□ニュースリリース
http://www.kingsoft.jp/company/090326_dictionary.html
□製品情報
http://www.kingsoft.jp/dictionary/
http://www.kingsoft.jp/is/
http://www.kingsoft.jp/office/
□関連記事
【2007年7月19日】キングソフト、広告付きで完全無料のセキュリティソフト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0719/king.htm
【2006年9月21日】キングソフト、マイクロソフト オフィスそっくりの「Kingsoft Office 2007」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0921/kingsoft.htm
【2005年9月15日】キングソフト、中国発のセキュリティソフト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0915/kingsoft.htm
【2005年8月10日】キングソフト、セキュリティソフトで日本市場に参入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0810/kingsoft.htm

(2009年3月26日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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