CeBIT 2009レポート【Intelマザーボード編】 P55マザーボードが計7製品。X58も新製品登場
会期:3月3日~3月8日(現地時間) 会場:ドイツ共和国 ハノーバー市 ハノーバーメッセ ●Nehalem世代のメインストリーム向けチップセット「Intel P55 Express」 マザーボード展示で注目されているのは、Intel 5シリーズチップセット(コードネーム:Ibexpeak)を搭載した製品だ。言い換えれば、チップセットではほかに新製品は無く、ややネタに乏しい印象も受ける。また、デスクトップ向けIntel 5シリーズには5つのバリエーションがあると見られているが、中でも2009年中に登場するのはIntel P55 Expressのみという状況だ。 Intel P55 Expressはメインストリーム向けのチップセットとなるが、シンプルな製品から比較的ハイエンド向けの製品までがラインアップされるようだ。会場ではASUSTeK、GIGABYTE、MSI、BIOSTAR、Jetwayが製品を展示していた。なお、Intelブースで展示されていた製品のほか、バリエーションモデルも存在し、計7製品を見つけることができた。 既にスペックも予想されているが、CPUソケットはLGA1156、シングルチップの製品となる。メモリはデュアルチャネルのDDR3となり、BIOSTARの「TPOWER I55」の仕様を見ると、チップセットでサポートされるのがDDR3-1333まで、それ以上はIntel XMPまたはオーバークロックでの運用となるようだ。最大搭載容量は16GBとされる。 今回の展示機の中では、ASUSTeKの「P7U」のみPCI Express x16スロット1基であるが、その他の6製品では2本以上のスロットを搭載している。マルチGPUへの対応は、CrossFireXが表明されているほか、MSIの「G9P55-DC」のようにNVIDIA nForce 200チップを追加することで3-way SLIをサポートする製品もある。nForce 200を追加搭載できる点は、Intel X58 Expressにも近いが、チップセット単体でNVIDIAの認証によるSLI対応をとれるのかは不透明だ。現時点では、nForce 200を追加搭載せずSLIサポートを表明しているGIGABYTE「GA-IBX」もあるが、果たして誤植なのか正式対応してくるのかは今後に注目したい。 以下、Intel P55チップセットを搭載する製品を写真で紹介する。
●その他のIntelチップセットマザーボード新製品 従来のIntelチップセット搭載製品でも新製品が多数展示されている。とくに、ローエンドでは引き続きCore 2プロセッサが利用される見込みで、G43やG31マザーボードをリビジョンアップしたりより廉価な構成で投入する例が多く見られる。また、X58チップセットでは第2世代というべき新たな製品が登場する。
MSIの「Eclipse PLUS」はEclipse SLIにnForce 200を追加搭載した製品。PCI Express x16スロットは4本となり、3-way SLIやQuad CrossFireXに対応する。また、MSIのハイエンドモデルでは、マザーボードの一番下、オンボードスイッチの隣にオーバークロック用のボリュームスイッチが追加されている。Windows上のソフトウェアと連携し、ハードウェアスイッチによってオーバークロックが可能になるとのことだ。
ASUSTeKからはmicroATXサイズのX58マザーボード「RAMPAGE II GENE」が展示されている。microATXというと拡張性でATXに劣るため、普通の感覚ではゲーマー向けの「Rampage」ブランドには疑問がわく。しかし欧米で盛んなLAN Partyでは携帯できるゲームPCが求められ、2本までのマルチGPUに対応するこうした製品も一定のニーズがあるようだ。RAMPAGE II GENEのほか、P45+ICH10Rを組み合わせたCore 2プロセッサ向けmicroATXマザーボード「MAXIMUS II GENE」もラインアップされている。 なお、LANPARTY向けX58 microATXマザーボードとしては既に発売中のDFI「LANPARTY JR X58-T3H6」もある。一方でゲームとは関係無く省スペースと拡張スロットの柔軟性という観点からOEM向けにこうしたX58 microATXマザーボードを計画していると明かすメーカーもある。
そのほか、コンセプト製品として注目を集めているのがASUSTeKの「MARINE COOL」。セラミックと金属の双方を用いた冷却機構と、マザーボード裏面をUPS(無停電電源装置)として利用している。外見はさながら戦車の装甲といったイメージで、岩石砂漠のジオラマとともに展示されていた。実際に製品となって世に出るのかは不明だが、自作PCユーザーのみならずミリタリーマニアも要チェック。ちなみにCPUソケットはLGA775である。 □CeBITのホームページ(英文) (2009年3月5日) [Reported by 石川ひさよし]
【PC Watchホームページ】
|