東芝の「Qosmio」シリーズは、地デジチューナを搭載するなど、AV機能を重視したノートPCである。Qosimoシリーズは、液晶サイズなどによってGシリーズとFシリーズの2シリーズに大別され、Gシリーズが上位となる。 今回取り上げるQosmio G40W/95DWは、同社の直販サイト「東芝ダイレクトPC」でのみ販売される直販専用モデルだ。店頭モデルのQosmio G40/97Dをベースにした製品だが、CPUが上位のCore 2 Duo T7500(2.2GHz)に強化されているほか、光学ドライブがHD DVD-RドライブからDVDスーパーマルチドライブに変更され、HDD容量が半分になっているなどの違いがある。 ●店頭モデルより1ランク上のCore 2 Duo T7500を搭載 Qosmio G40W/95DW(以下、G40W)は、17型ワイド液晶を搭載した大型ノートである。サイズは440×299.4×38.1~45.3mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約4.7kgもあるため、机の上などでデスクトップPC代わりに使うことが基本となる。天板カラーはラメ入りのブルーで、高級感を演出している。 店頭モデルのQosmio G40/97D(以下、G40)ではCPUとして、Core 2 Duo T7300(2GHz)を搭載していたが、G40Wでは、1ランク上のCore 2 Duo T7500(2.2GHz)が搭載されており、よりパフォーマンスが向上している。クロックの差は1割であり、通常の作業において体感できるほどの差はないだろうが、CPUが高速であることにこしたことはない。 チップセットとしては、Intel PM965 Expressを搭載。SO-DIMMスロットを2基備えているが、標準で1GB SO-DIMM(PC2-5300)が2枚装着されているので、空きスロットはない。HDD容量は160GBだが、店頭モデルのG40では160GB HDDを2台搭載し、合計320GBの大容量を実現している。G40Wも筐体はG40と同じなので、2台目のHDDを搭載するスペースが用意されている。 GPUとしてNVIDIA GeForce 8600M GTを採用。専用ビデオメモリも512MB搭載しており(店頭モデルのG40のビデオメモリは256MB)、高い3D描画性能を実現している。Windows VistaのUIであるAeroはもちろん、3Dゲームも十分楽しめる。 G40は、光学ドライブとしてHD DVD-Rドライブを採用していたが、G40WではLabelflash対応のDVDスーパーマルチドライブ(スロットインタイプ)に変更されている。HD DVD-Rドライブは、HD DVDコンテンツの再生やHD DVD-Rへの記録が可能なことが利点だが、まだ価格が高いことが欠点だ。G40Wは、HD DVD-Rドライブの代わりにDVDスーパーマルチドライブを搭載することで、価格が抑えられている。
●WUXGA表示対応の17型ワイド液晶を搭載 液晶ディスプレイとして、WUXGA表示(1,920×1,200ドット)対応の17型ワイド液晶を搭載する。ノートPCに搭載される液晶としては、サイズ、解像度ともに最高クラスであり、地上デジタル放送もクオリティを落とさずに表示できる。バックライトが2灯式であり、輝度が350cd/平方mと高く、コントラストも高い。表示も鮮やかで、表示品位は満足できる。解像度が高いので、複数のウィンドウを同時に開いても快適に作業が可能だ。 液晶上部には、192万画素CMOSカメラを搭載しており、TV電話などにも利用できる。筐体が大きいのでキーボードにも余裕があり、快適にタイピングが行なえる。ポインティングデバイスとしてタッチパッドを採用。左右クリックボタンの中央に指紋センサーが搭載されているほか、パームレストの左側にはFeliCaポートが内蔵されている。
●ダブル地デジチューナ搭載で、2番組同時録画が可能 Qosmioシリーズは、従来からAV機能を重視しており、TVチューナを搭載していたが、今年の夏モデルでは、ノートPCとして初めて地上デジタルチューナを2基搭載した(従来のモデルは地上デジタルチューナと地上アナログチューナを1基ずつ搭載)。そのため、地上デジタル番組の2番組同時録画や、番組を見ながら別の番組を録画することも可能だ。地上デジタル放送受信用の室内アンテナも付属しており、電波状況が良いところなら、室内アンテナだけでも安定した受信が行なえる。 サウンド機能にもこだわっており、音質に定評のあるharman/kardon製スピーカーを採用。左右のステレオスピーカーに加えて、高音域用スピーカーも2つ搭載し、合計4スピーカーで合計12Wの大出力を実現。1bitデジタルアンプの採用により、高品位かつ迫力のあるサウンドを楽しめるほか、立体音場を再現する「Dolby Home Theater」も搭載している。 キーボード左に大型ボリュームダイヤルを、キーボード右に「Qosmio AVコントローラ」を搭載していることも特徴だ。Qosmio AVコントローラは、中央に決定ボタンが、その外周に二重のリング状にボタンが配置されており、指1本でメニューやコンテンツの選択などが快適に行なえるようになっている。また、赤外線リモコンが付属しており、TVの視聴や再生、録画などの操作を家電感覚で行なえる。キーボード上部に触れるだけで操作が可能な「タッチセンサ式フロントオペレーションパネル」を搭載。イルミネーションLEDの消灯も可能なので、DVDや地上デジタル放送などを集中して視聴したいときには、消しておくとよいだろう。 TV番組の視聴や録画、再生などの操作は独自のAV統合ソフト「Qosmio AV Center」を利用する。マウスで操作するためのマウスモードと、リモコンで操作するためのリモコンモードの2種類のモードが用意されており、操作性も優秀だ。
●HDMI出力も装備し、液晶TV「REGZA」との連携機能も搭載 フラッグシップモデルだけあり、インターフェイス類も非常に充実している。USB 2.0×5やIEEE 1394(4ピン)、音声入出力、ミニD-Sub15ピン、Sビデオ出力などのほか、HDMI端子も備えている。新たに同社の液晶TV「REGZA」との連係機能「レグザリンク」を搭載。HDMIケーブルでレグザと接続することで、レグザのリモコン1つでG40W内のコンテンツの再生などが可能になる。カードスロットとして、Type2 PCカードスロットとExpressCard/54スロットを搭載。SDメモリーカード(SDHC対応)、MMC、xD-Picture Card、メモリースティックに対応したカードスロットも搭載しており、デジカメで撮影したデータなどをコピーする際などに便利だ。 また、無線LAN機能として、IEEE 802.11a/b/g対応無線LAN機能を搭載する。ワイヤレススイッチやワイヤレスインジケータも装備しており、使い勝手はよい。バッテリ駆動時間は約3.2時間で、それほど長いわけではないが、基本的に据え置きで利用するという、本製品の性格を考えれば十分であろう。ACアダプタもかなり大きくて重い。
●パフォーマンスはトップレベルで、価格もリーズナブル 参考として、ベンチマークテストを行なってみた。利用したソフトは、「PCMark05(Build 1.2.0)」と「3DMark06(Build 1.1.0)」、「フロントミッションオンラインオフィシャルベンチマークソフト」の3種類だ。また、Windows Vistaのパフォーマンス評価(Windowsエクスペリエンスインデックス)の結果も加えてある。省電力設定は「高パフォーマンス」モードにして行なった。比較対象用に、ThinkPad X61 Tabletやdynabook Satellite WXWの結果もあわせて掲載している。 結果は表に示したとおりで、同じ東芝製のdynabook Satellite WXWと比較して、CPUパフォーマンスはG40Wが上回り、3D描画性能はdynabook Satellite WXWが上回っている。CPUはG40Wが1ランク上で、GPUはdynabook Satellite WXWが上位製品を搭載しているので、当然の結果であるが、両製品ともノートPCとしてはトップクラスのパフォーマンスを実現しているといってよい。
【表】ベンチマーク結果
G40Wは、東芝のフラッグシップモデルに恥じない高性能、高機能なノートPCである。東芝ダイレクトPC価格は319,800円で、17インチワイドWUXGA液晶や高性能GPU、地デジダブルチューナなどを搭載していることを考えれば、リーズナブルな価格といえるだろう。地デジダブルチューナ搭載のノートPCは、現時点ではQosmio G40/F40シリーズのみであり、TV機能を重視する人にお勧めだ。 □東芝のホームページ (2007年11月26日) [Reported by 石井英男]
【PC Watchホームページ】
|