「アクティブシニア推進計画」のロゴ

11月9日　発表

　マイクロソフト株式会社は9日、シニア層のICT(情報通信技術)活用推進に向けた取り組みとして、「アクティブシニア推進計画」を発表した。

　アクティブシニアとは、自分なりの価値観を持ち、仕事や趣味に非常に意欲的で、社会に対してもアクティブな行動を起こす新世代のシニア層とされており、主に60歳以上を想定しているという。

　これらのシニア層に向けて、同社はアクティブシニア推進計画を通じて、ICT活用の啓蒙活動、PC購入の際に相談しやすい環境の創出、PC購入後の活用法の学習、トラブル発生時の対応、シニア向けコミュニティの計画、およびICT利用成果の発表の場を設けるなど、さまざまな施策をしていく。

　具体的には、シニア支援団体や自治体、NPOなどと協力してシニア向けセミナーを2008年12月までに全国120カ所で開催することや、ICT教育の教職員の育成や量販店への情報提供、質問に答えるWindows Vista用サイドバーガジェットの提供やサイトの作成、コミュニティサイトの作成などを行なっていく。

　さらに、シニア層からの声を反映する施策として、「アドバイザリボード」を設立。参加メンバーは同計画を推進するとともに、実施結果の評価や検証を行ない、マイクロソフトにフィードバックしていく予定としている。

これまで行なってきたシニア向け活動	アクティブシニア推進計画の具体的な目的と施策
Vistaのサイドバー用ガジェット。「答えてねっと」の質問トップ3へのリンクを表示する	シニア層向けポータルサイト「よつば倶楽部」も開設

　発足時のメンバーは、NPO法人ブロードバンドスクール協会 理事長の清水康敬氏を座長に、株式会社ジャパネットたかた 代表取締役 高田明氏、NPO法人 笑集会 代表 若井ぼん氏など計8名が参加する。

　これまでも同社はシニア向けの施策として、Windows Vistaのシニア割パックの発売やPCスクールの展開などを行なってきたが、新たにブランドを設けることで、知名度の向上および協賛パートナーの拡大、ユーザー層への訴えを強化するとしている。

●Plan-Jの一環でもある

　同日に都内で開かれた記者発表会では、同社 代表執行役 社長のダレン・ヒューストン氏が挨拶。同氏は、「アクティブシニア推進計画は、我々が国内向けの施策である“Plan-J”の一環である。我々は日本独自の施策として、NPOや教育機関、中小企業、行政機関へのICTの支援活動をこれまでやってきたが、今回の施策は5本目の柱となるもの。今後はブランドを通して我々の市民活動の知名度を高めるとともに、シニア層のICT利用活用を促進していきたい」とした。

同社 代表執行役 社長のダレン・ヒューストン氏	ICT活用推進の取り組みの5つ目の柱

　また、米国本社から来日したスティーブ・バルマーCEOは、「我々は、最新のテクノロジによってもたらされる素晴らしい数々の体験を、すべての人に伝えなければならないという使命がある。シニア層はテクノロジを活用することで、仕事できる年齢上限の引き上げや、社会とのコミュニケーション強化が図れるだろう」と語った。

　発表会にはジャパネットたかた 代表取締役 高田明氏が招かれ、同氏は、「私は物を売る立場だが、近年は物を売って儲けることよりも、売った物がどのぐらいユーザーを幸せにできるかということを考えるようになった。私もPCは幸せを人に与えるような製品だと思っており、シニア層のユーザー自身がPCの楽しさに気づき、コミュニケーションを広げてもらうよう、努力していきたい」と語った。

　NPO笑集会 代表の若井ぼん氏も登壇し、「私は昨年(2006年)からPCを利用したインターネット動画配信やブログをやっており、今後これらのツールを通じてシニア層のICT利用を訴えていきたい」と話した。

スティーブ・バルマーCEO	ジャパネットたかた 高田明 代表取締役	NPO笑集会 代表 若井ぼん氏

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3255
□関連記事
【9月18日】シニア向けPC普及に向けた共同プロジェクト始動
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0918/supp.htm
【4月26日】マイクロソフト、シニア向けのVista/Officeアップグレードパッケージ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0426/ms.htm

(2007年11月9日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]