Intel X38チップセット搭載マザーボードレビュー速報
Intel 3シリーズチップセットのハイエンドであるIntel X38 Expressチップセットの発売が近づいてきた。今回、同チップセットを搭載するGIGABYTE製「GA-X38-DQ6」を評価する機会を得たので、そのレビューをお届けする。なお、今回は時間の都合上、速報的なまとめとなっている。より詳細なレポートは追って掲載する予定。 従来のIntel 3シリーズで最上位だったIntel P35との違いは、DDR2-800/667、DDR3-1066/800に加え、DDR3-1333に対応した点と、現行の倍となる5GT/secの帯域を持つPCI Express 2.0準拠のx16スロットを2本装備する点。また、Core 2 Extremeに正式対応する点や、Intel公式のオーバークロックツールが付属するのもIntel X38の特徴となる。 それ以外の点は、Intel P35などとほぼ共通で、対応FSBは1,333/1,066/800MHz、組み合わされるサウスブリッジはICH9/9DO/9DH/9Rとなる。 今回試用したGA-X38-DQ6は、独自に1,600MHzのFSBに対応した製品。また、日本製の表面実装式固体コンデンサ、チップセットとレギュレータをヒートパイプで結び、ファンレスで冷却する「Silent-Pipe」と基板裏側に取り付けられたヒートシンク「Crazy Cool」を装備するのをウリとしている。 対応メモリはDDR2-1066/800/667×4(最大8GB)、拡張スロットはPCI Express x16×2、PCI Express x1×3、PCI×2。ストレージインターフェイスは、シリアルATA 3Gbps×8、Ultra ATA/100×1、FDD×1を装備。I/Oパネル部は、USB 2.0×8、IEEE 1394×2、Gigabit Ethernet×2、S/PDIF出力(同軸/角形)、PS/2×2、音声入出力といった構成。 なお、DDR3対応モデルとして「GA-X38T-DQ6」も用意される。
検証に利用した環境は下表の通りで、比較対象にはIntel P35 Expressを搭載する同じくGIGABYTE製の「GA-P35-DQ6」を使った。利用したベンチマークソフトは、PCMark05(グラフ1)、3DMark05(グラフ2)、3DMark06(グラフ3)、ロスト プラネット(グラフ4)、Sandra 2008(グラフ5)、CineBench R10(グラフ6)。
【表】テスト環境
まずPCMark05の結果だが、Graphics Scoreが2割近く伸びている。だが、ほかの結果を見る限りでは、Intel X38がIntel P35に比べてそこまで高い能力を発揮するとは言い難く、例外的な結果とみるべきだろう。一方、5340から5675に伸びているHDD Scoreはチップセットの能力として捉えていいだろう。 3DMark05では、低解像度ではややIntel X38の方が好成績を残しているが、高解像度では誤差範囲ではあるもののIntel P35の方が良い。3DMark06とロスト プラネットでは両者に差は全くと言っていいほど出ていない。Intel X38はPCI Expressの帯域が2倍になっているものの、現行のビデオカードではPCI Express 1.1の帯域でもボトルネックにはなっていないので、ここがアドバンテージとなるのはまだ先の話だろう。 消費電力(グラフ7)はIntel P35より5%前後大きい。
結論として、ディスク周りで改善が見られるが、そのほかに大きな性能の差は見受けられない。ただ、本製品はのウリであるオーバークロックを活用すれば、CPUやメモリなどの性能を突き詰めることができる。その点に価値を見いだせるハイエンドユーザーに向けた製品といえるだろう。 次回のレポートではDDR3の性能を検証する予定だ。 □Intelのホームページ (2007年9月28日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
|