米HP、VoodooPCのDNAが息づく水冷ゲーミングPC「Blackbird 002」
9月15日(現地時間)発売 米Hewlett-Packard(HP)は5日(現地時間)、ハイエンドゲーミングPC「Blackbird 002」を発表した。米国での発売は9月15日で、価格は2,500~7,100ドル。 Blackbird 002は、HPがVoodooPCを買収して以来、初の協業成果となる製品。Blackbirdという製品名はもともとはコードネームで、VoodooPCがBlackbird 001という製品を企画/開発していたのだが、買収されたことに伴い、その開発は中座し、代わりに両者の協業によるBlackbird 002が誕生した。 フルタワーサイズに近いその製品筐体には、性能とメンテナンス性を追求したさまざまな工夫が盛り込まれている。 まず、側板に目を向けると、HPの一部のノートPCと同様の外装加飾工法「HP Imprint」技術によって模様が描かれている。また、側板の外周はやや内側にすぼんだ形状になっており、実際のサイズ(266.96×557.23×598.64mm/幅×奥行き×高さ)より本体を小さく見せている。 左側の側板は手前にあるレバーを引っ張ると開く仕組みで、工具無しに内部にアクセスできる。このことは筐体全体に共通で、各種ドライブや拡張カードはドライバやネジを使わずに脱着/固定できるようになっており、メンテナンス性を高めている。
前面は縦に多数の溝を切ったようなデザインとなっているが、スロットイン式の光学ドライブが採用されており、溝の部分メディアを挿入する形となっている。上部は指で押すと、各種フラッシュメディアやUSB、IEEE 1394、オーディオのインターフェイスがポップアップする。 側板を開けると、マザーボードの拡張カードスロットにあたる部分がカバーで覆われていることに気付く。これはビデオカードから発生する熱がCPU/メモリ付近に及ばないように密閉するためのもので、その熱は本体背面に排出される。また、このカバーで拡張カードの固定も行なっており、手前に引くと簡単に開くようになっている。 電源ユニットは本体の底部に設置するようになっているのだが、その横にも電源専用のカバーがあり、電源からの熱も周囲に影響与えることなく、背面に排出される。 この筐体は、サーフボードのような形の台座の上に浮くような形となっており、その接合部から吸気を行なう。 CPUの排熱は液体冷却を採用。天板のCPUの真上に当たる位置に、ポンプ/ラジエータが取り付けられており、CPU水枕へのチューブも短く整然としているため、その着脱や、メモリの交換も楽に行なえる印象だ。 5インチベイの横の部分には「Voodoo DNA」のロゴがプリントされており、これらの創意工夫がゲーミングPCを専業にしてきたVoodooPCのこだわりとノウハウであることを伺わせる。 だが、さらに興味深いのは、その下にあるHDDベイだ。HDDベイは5つあり、カートリッジにHDDを入れて、本体に収納する仕組みなのだが、このカートリッジは、HPのWindows Home Server搭載ストレージ「SmartMedia Server」のそれと同じものとなっている。このあたりに、本製品が両者の協業成果であることが表われている。 なお、製品の仕様は、Core 2 Extreme QX6850(3GHz)、GeForce 8800 Ultra SLIのモデルが9月15日より発売され、BTOモデルは10月1日より受注開始となる。BTOでは、プラットフォーム(AMDかIntel)やGPU(NVIDIAかATI)を選択できる。展示機にはなかったが、ビデオカードの水冷にもオプションで対応する。国内での発売は未定だが、発売されることを期待したい。 □HPのホームページ(英文) (2007年9月10日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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