Apple Special Eventレポート補遺アップル、怒濤のコンシューマ向け製品ラッシュ
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果たしてリニューアルされたAirMac Extremeは、IEEE802.11nにおいて、40MHz幅の認定を受けているのか?写真は筆者が自宅で利用しているAirMac Extreme。初期出荷製品のため20MHz幅制限があり、米国仕様よりスペックは劣る |
先日、僚誌のBroadBand Watchでもニュースになっていたとおり、AirMac Expressベースステーションと同様のIEEE 802.11n ドラフト1.0対応製品では、 6月28日に総務省が実施した電波法施行規則等の改正を受け、従来20MHz幅に制限されていた製品でも、40MHz幅へとさまざまな形で対応を行なうケースが増えてきている。
AirMac Extremeベースステーションの場合、2月に出荷された最初の製品は、もちろん改正前のために20MHz幅の制限があるが、今回のアップグレードを受けた製品はどうなっているのか? これが依然として不明だ。製品出荷は改正後にあたるだけに、40MHz幅での認定を受けて出荷されるとすれば、日本国内の無線LANユーザーにとっては、LAN側のGigabit対応以上に嬉しい仕様変更となるはずだ(もちろんクライアント側の対応も必要なので、既存のMacBookやMacBook Pro、iMacユーザーにとってすぐにメリットがあるわけではない)。
さらに、やはり出荷がはじまる新iMacなら、製品出荷が改正後ということで40MHz幅での認定を受けたクライアントである可能性もある。今後出荷されることになる他の無線LAN機能搭載Mac製品も同様だ。しかしこちらも詳細は不明なため、これに関してはひたすら同社からの情報待ちということになる。国内の製品説明会でも、特に説明や質問はなかったそうだ。
ちなみに、国内のアップルのサイトではAppleStore部分はGigabit対応の表記が行なわれているが、製品紹介のページではいまだGigabitのサポートもされていない旧スペックのままだ(8月8日18時現在)。無線LANの件に関しては、米国サイトの情報は存在しない(元々、40MHz幅に制限がない)ので、国内事情に対応した更新を期待したいところである。
●Keyboardがリニューアル。特殊キーの位置もややリニューアル
US配列の新「Apple Wireless Keyboard」。fnキーが左下隅に位置する。現時点で、「Apple Wireless Keyboard」のJIS配列版の画像が同社サイトにもないため、JIS版での位置は不明である |
今回は米国本社で行なわれたSpecial Eventを取材しているため、発表された2つの新キーボードはいずれもUS配列のものを手にしている。これまでのレポートでは詳しく紹介していないが、iMacには標準で付属するキーボード「Apple Keyboard」は、JIS配列、US配列ともに6,400円で単体発売されている。発表・出荷にともない、旧「Apple Keyboard」は生産中止となった。従来モデルの価格は3,570円。もちろん質感、機能ともに向上してはいるが、純正周辺機器としてはやや高価な価格設定になった。
同様に、ワイヤレス版の「Apple Wireless Keyboard」も旧製品が生産中止となり、旧製品価格8,925円から10,200円とそれなりに価格が上がっている。
Apple Wireless Keyboardはコンパクトだけに、特殊キーがやや変わった位置に付いているようだ。ちなみに、US配列では、左下隅のキーが「fn」である。ちなみに、JIS配列のApple Wireless Keyboardは国内発表会でも展示が無く、まだ写真も見ていないので、JIS配列でこのキーがどこに位置するかは不明だ。JIS配列でびっくりしたのは、新Apple Keyboardである。国内説明会レポートの写真によれば、Caps Lockキーが右Shiftキーの下にあるようだ。
●大きな期待は外れても、必要十分なiMacのスペック
期待の新iMac。ロングリリーフかショートリリーフか |
今回の製品発表はスペック詳細こそ不明ながらも、iMacのリニューアルであろうことが以前からさまざまな形で予測されていた。そのスペックについては、期待を込めて、Penryn ReadyとなるIntel製のP33あるいはP35チップセットといったいわゆるコードネーム「Barelake」と、Core 2 Duo「Conroe」の組み合わせで、システムバス速度を大幅に向上、あわよくば最上位は「Kentsfield」搭載でiMacもQuad化へという夢を見ていたユーザーも、筆者を含めて少なからずいたことと想像する。
iMac場合、PowerPC G3からG4へ、そしてG5へとCPUの世代が変わるたびにその筐体の大きな変更を伴ってきた。G5からIntel CPUに移行するにあたっては、内部構造こそ大幅に手を加えられたものの、外観はほぼ踏襲。これは、Mac全体のラインナップにおけるIntel移行を優先し、大幅な筐体デザイン変更は据え置きととらえていた向きが多いだろう。実際、PowerMac G5からMac Pro、PowerBook G4からMacBook Proへの移行も、このiMacと同様のスタイルがとられていた。
それだけに今回は、IntelによるCPUとチップセットの刷新時期と符合することもあり「大幅なリニューアル」という予測があったわけである。
実際のところは、旧iMacのIntel 945 Expressチップセット+Core 2 Duo(Merom)から、Intel 965 Express(Crestline)+ Core 2 Duo(Merom)へと極めて順当な進化を遂げることになり、バス速度が667MHzから800MHzへと向上し、最大搭載メモリ量も3GBから4GBへと底上げされた。これはiMacが、プロ向け製品と位置づけられているMacBook Proに等しいスペックで登場したことになり、MacBook Proでは厳しいCore 2 Extreme搭載まで果たしている。ジョブズCEOが言うように、アルミニウムとガラスというプロフェッショナルに評価の高い素材に入れ替えることにより、現状十分なスペックを示して見せたということだろう。実際、このデザインがロングリリーフなのか、ショートリリーフなのかは、それこそ“次”が出てみるまでは、これまたわからないということだ。
□アップルのホームページ
http://www.apple.com/jp/
□関連記事
【8月8日】iMacをはじめ、コンシューマ向け製品を一気にリニューアル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0808/apple5.htm
【8月8日】Apple発表会現地速報
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0808/apple3.htm
(2007年8月9日)
[Reported by 矢作晃]