昨年3月(2006年)の開店以来、苦戦続きとされていたヤマダ電機のLABI1 NAMBAが、この4月から、一転して逆襲に転じた。 4月19日に、なんばパークスとヤマダ電機LABI1 NAMBAとの2階連絡通路が開通。これによって、新たな客層を呼び込むことに成功しているという。 ヤマダ電機によると、4月19日に2階連絡通路が開通してから、平均来店客数は、ピーク時には240%に到達するという好調ぶり。売上高も通常月の1.5倍に達するという売れ行きを見せている。
競合店舗の間からも、「正直なところ、一時的に集客数が減少したという感じはある」と、ヤマダ電機の影響を認める。 LABI1 NAMBAは、これまでは駐車場を利用するか、あるいは1階から入店するケースが多かったが、連絡通路開通後は2階が主力の入口へと変化。2階フロアの集客力が一気に増した。 これにあわせて、これまで地下1階に配置していたデジカメ売り場を2階入口付近へ移行。さらに、2階に配置していたiPodをはじめとする携帯オーディオプレーヤーの売り場を拡張した。 「これまでに比べて、若年層の集客が一気に増えている。なんばパークスの帰りに寄ってみるという来店客が多く、開店当初に想定した集客パターンがいよいよ実現した」と語る。 デジカメ、携帯オーディオといった若年層向けの製品を2階に置くことで、実売に直結させる考えだ。 また、19日には、なんばパークスにトイザらスがオープンしており、同店の30~40代の親をターゲットとしたセレクトショップとしてのコンセプトによる集客が、ヤマダの新規顧客層の獲得にも貢献している。 あわせて、若年層に加え、家族連れや高齢者層の来店も増加しており、大阪の量販店関係者の間では、「ヤマダ電機の第2の開店」との見方も出ているほどだ。 そうした意味で、このゴールデンウイーク商戦は、各店舗にとって天王山となっている。 周囲の大型店舗も異口同音に、自店舗への集客数が微減した指摘するが、その一方で、19日の連絡通路開通時点では、給料日前であったこと、ゴールデンウイーク前ということで出費を控えた時期でもあり、来店数は自然減に陥る時期だったとの見方もある。
また、一時的に新しいところを見てみたいというユーサーの欲求を背景にした動きも見逃せない。 しかし、ヤマダ電機が、連絡通路開通日からゴールデンウイーク期間中に、「開通記念セール」として銘打ち、日替わり目玉商品を用意するといった戦略的な販売キャンペーンを実施。2階の連絡通路目スペースを「NAMBA LABI Garden」として、店頭イベントを開催するとともに、4階のイベントスペース「NAMBA LABI Gate」でも各種イベントを開催し、集客を図るといった戦略が功を奏しているともいえる。 それに対して、ビックカメラなんば店や、ヨドバシカメラマルチメディア梅田も対抗商材を用意。ともに、デジカメ福袋などの日替わり商品を販売し、応戦する構図が見られている。
こうした動きを捉え、「このゴールデンウイークは、気が抜けない商戦になっている」との声が、各店舗から聞かれている。 いよいよヤマダ電機が本当の意味で、市場参入の狼煙(のろし)をあげたともいえる。 ヤマダ電機は、現在の集客力を維持するとともに、さらに増加させることができるのか。対抗するヨドバシカメラ、ビックカメラはどんな対抗策を打つのか。大阪の熱い戦いは、これからが本番といえそうだ。 □ヤマダ電機のホームページ (2007年5月1日) [Text by 大河原克行]
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