筆者の仕事環境は割りと保守的で必要に迫られない限り、バージョンアップなどは行なわず、古いものをそのまま使い続けている。もともとのマシンが2002年に組んだものなので、多くは当時のまま。主に使っているアプリケーションをリストアップしてみると、とんでもなく古いものばかりだ。ここまで古いとVistaで動かないと文句を言っても、言われるマイクロソフト側も迷惑だろう。
カテゴリを大雑把に分類すると、ネット関係、原稿、写真、オフィス、開発環境、遊び、その他……この7つになる。この中の開発環境だけは2006年から使い出したもので、他のアプリケーションと比較すると新しいものばかりだ。Vistaで動かした結果を△と×で書くと(△は一部問題あり、×は動かない。併用するハードウェアも一緒に記述)ご覧のような結果となった。
- ネット関連 Firefox 2(△後述)、Internet Explorer 7、FFFTP 1.92b
- 原稿 秀丸
- 写真 Photoshop 6.0、ThumbsPlus 4.5、Canon PIXUS 9900i
- オフィス Microsoft Office 2000、OpenOffice 2.1、Canon Medio GP255F(複合機/ネットワーク経由)
- 開発環境 NetBeans 5.5、JDK 1.6、VMware Server 1.0.1、JXplorer LDAP Browser (×インストーラが途中で止まる)
- 遊び PowerDVD 5.0(△AeroがOFFに)、Windows Media Player、iTunes、VLC media player
- その他 WinCDR 7(×ドライブを認識しない)、ラベル屋さん21(名刺印刷用)
Internet Explorer 7は単独で使わず、IE TabというFirefoxのアドオンでレンダリングエンジンとしてのみ使っている。またPhotoshopやOfficeは、かなり古いバージョンであるが、Photoshopに関してはこれ以降のバージョンは不要な機能ばかりが増え重たくなる一方。Officeは大したことをしていないのでこれで十分という理由からバージョンアップせずに使い続けている。PowerDVD 5.0、WinCDR 7.x、ラベル屋さん21、この3つも古い。PowerDVD 5.0とWinCDR 7.xに関してはOffice同様、必要性が無いから。ラベル屋さん21は名刺用に作ったデータが最新版にコンバートできないので仕方なくと言った感じだ。
Firefoxで謎のエラーたまに発生する。C:\Users\[user name]\AppData\Local\VirtualStore\Program Files\Mozilla Firefox\xpicleanup.datこれを消せばいい |
何事もなく動くVMware ServerゲストOS起動時に少し時間がかかるものの、一旦起動してしまえばXPで使っていた頃とパフォーマンス的にも変わらない |
インストールが完了しないJXplorer何故かこの部分で何時も止まってしまいインストールが終わらない。必須というわけでも無いので、他のXPマシンで動かしている |
ご覧のように意外と古いものも動く。VMware Serverなどインストール時に互換性の問題があると表示されたが、パフォーマンスもXPと変わらず使えている。DVDプレーヤーに関しては、VLC media Playerで見ればAeroがONのままでOK。PowerDVDも実際見る時はフルスクリーンなので特に問題無い。iTunesはiPodとの連携で問題が出ているようだが、筆者の場合は単にMP3プレーヤーとして使っているだけなので大丈夫だ。
筆者にとって1番致命的だったのはCD-Rの書き込みだった。もともと古いのでNGなのは仕方ないとして、Vistaの機能でCD-Rに書き込もうとしたところ、1台目のドライブ(RW9200)は書き込む直前になるとメディアを認識しない、もう1台(DVR-108/USB接続)は、遅過ぎて使い物にならなかった。ドライブ自体も古いのでそれが原因かも知れないが、急ぎということもあり、ネットワーク経由でiMacのドライブを使いMac OS Xから書き込んだ。いずれにしてもISOイメージなどを焼く必要もあるので、何らかのソフトウェアを購入しなければならないだろう。
●Vistaを使い続けて約20日間
実のところ現在筆者のメインマシンはIntel版iMacになっている。今回パワーアップしたマシンはここ1年程Photoshop専用機+α程度の扱いだったのだが、今回Vista化したこともありできるだけ1日中このマシンの前に座り作業していた。先に書いたように、ネットはもちろん、事務処理あり、開発あり、写真ありと、使うソフトウェア自体は少ないものの、ある程度多様な使い方だと思われる。
Vistaに変わってまず使わなくなったものとして、ThumbsPlusがあげられる。当時は非常に高速で便利だったが、Vista標準のWindows フォトギャラリーの方が使い易く速度的にも速い。多くのライターがWindows フォトギャラリーをVistaのメリットとして書いているがこれは間違いないだろう。他は特に何かに置き換わること無く、そのまま使い続けている。
使わなくなったThumbsPlus一旦サムネイルデータを作ってしまえば速いのだが、そのサムネイルデータを作るのが意外と時間がかかる。100%表示も遅い |
Windows フォトギャラリーサムネイルはキャッシュされるので二回目以降はそれほど遅くなく、100%表示もスッとひらく。トータル的なバランスを考えるとThumbsPlusより使い易く速い |
なかなか使用メモリが増えないPhotoshop、Virtual PC 2007、秀丸、Firefox、リモートDesktop、Windows サイドバー、Windows フォトギャラリー、Windows Media Player……これだけ起動してもこの程度 |
この20日間、ハードウェア的な追加としてRIMMのメモリを購入した。当初予算から512MB×2の予定だったが、1GBセットが同時に数セット分あったため、思わず2セット入札。最近1GBのメモリが安く、かなり割高ではあるものの、RIMMの512MBとしては比較的安価だった。しばらく1GBでVistaを動かし、その後2GBで使った感想としては「あまり変わらない。少し速くなったかも」ということだ。仕掛け的にメモリが多くあるとよく使われるDLLなどを先にメモリへロードするらしく、その分、起動時のフリーメモリは1GBの時より減っているものの、アプリケーションを立ち上げてもあまりメモリが減らない。常時800MB程が使われ、データ処理としてメモリを要求するとその分が減るといった感じだ。VMware ServerのゲストOSへ512MB割り振っても使用量は1.2GB程度から変化しない。
ソフトウェア的にはGeForceのドライバをForceWare 100.65へ、VMware Serverの代替となるVirtual PC 2007の正式版がリリースされたのでインストールした。対応しているゲストOSは、Windows 98、NT Workstation、2000、XP、NT Server、2000 Server、Server 2003とDOS、OS/2だけなので、LinuxをゲストOSにした場合、仮想PC上での追加機能の導入は出来ない。
余ったRIMM 256MB×4勢いで512MB×4を買ってしまい、外した256MB×4。丁度Vista代分だけ予算オーバーとなった。筆者の悪い癖だ |
ForceWare 100.65先日新しいドライバが出たのでインストールした。グラフィック関連のスコアが落ちたものの設定を変更したところ同じになった |
Virtual PC 2007こちらも正式リリースとなった。ホストOSとしてVistaに正式対応している。ただVMwareと比較して少し遅いようだ |
またVistaがその理由ではないのだが、非常に安定して動いている。XPで5年程度使い続けるとHDDやレジストリにゴミが溜まり徐々にシステムが不安定になって行く。このマシン固有の現象としては、たまにブルーバックになったり、急に再起動かかったり……いろいろな不都合があった。しかし、Vistaをインストールしてからこれらの現象はパタッと止まっている。引越しではないが、たまにはOSをクリーンインストールしゴミ掃除を行なった方が良いという例だろう。HDD自体を今時のものへ変更したので相対的な速度はXPより上がっている。
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